ルノー カングー【プレイバック試乗】
カテゴリー: ルノーの試乗レポート
2010/05/18
コンセプト
新しい姿で現れたユーティリティカー
200km/hで巡航できる大型ミニバンというカテゴリーを作ったエスパス。セダン感覚のコンパクトミニバンというジャンルを確立したセニック。欧州においてルノーは、いまやレクリエーショナルビークルの分野でトップの座に位置しているといえよう。そしてこのカングーは新しいユーティリティカーの姿を具現化したモデルとして、すでに欧州では大人気の車だ。フランス本国は当然、欧州各地でも販売されており、右ハンドルでATという日本仕様が今回正規輸入された。
全高1810mmとトールボーイスタイルの5人乗りだが、全長は3995mmとそこそこ短い。リアドアは左右ともスライド式で、リアシートへの乗り降りが非常にラクだ。エンジンの排気量は1.4Lだが、4ATは学習機能付きとなっている。
室内&荷室空間
頭上には釣竿が入る物置きが完備される
アイポイントは立体駐車場に入るミニバンに近い高さ。しかし全高が高いので、頭上の空間はとても広い。たとえ座高が1.5mあったとしてもまったく問題ないくらいだ。インパネにはCD一体型のAM/FM電子チューナーラジオが標準で装備され、安全装備としてもフロントデュアルエアバッグのほかにサイドエアバッグが標準で付いてくる。見た目とは裏腹に、装備は全体的に充実しているといえよう。フロントシートは体をしっかり支えてくれる形状で、リアシートはフロントに比べればややシンプルだが広さは十分。もちろんシートも分割可倒だ。フロントシートの天井部には物置きが、リアのそこには旅客機の荷物入れのようなオーバーヘッドコンソールが4つ装備されており、釣竿が入るほどの長さが確保されている。
ドライブフィール
実用性はかなり高いが走りはキビキビしている
1.4Lエンジンは、75psのパワーと11.9kg-mのトルクを発生。1.4Lの日産キューブよりも少し非力な程度だ。しかし4ATのシフトアップタイミングがうまいので、加速やアクセルレスポンスは鋭く感じる。しかもこのAT、学習機能付きのおかげか下り坂などでシフトアップすることもなく、とても扱いやすかった。試しにDレンジでフル加速すると、5500rpmでシフトアップ。エンジン自体は決して静かとはいえないが、4000rpm以上になっても耳障りな音が発生せず、不快な振動もない。小排気量エンジンをもつフランス車は、ブンブン回してやるとキビキビ走るものだが、これはカングーにもあてはまった。さすがにコーナーでは“ユラッ”と傾くが、深くはなく不安も感じない。まさに軽快にも走る実用車といえよう。
こんな人にオススメ
ファミリィカーとして売り出されているが、商用車としても使える。ボディカラーは5色用意されており、どれも鮮やか。しかもどの色もこの外観に似合っている。こういう車を普段のアシとして乗りこなすことができれば、かなりオシャレだろう。SUVが欲しいと思う若者に、一度見てもらいたい。SPECIFICATIONS
グレード | 1.4 |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 4AT |
全長×全幅×全高(mm) | 3995×1675×1810 |
ホイールベース(mm) | 2600 |
車両重量(kg) | 1180 |
乗車定員 | 5人 |
エンジン種類 | 直列4気筒SOHC |
総排気量(cc) | 1389 |
最高出力 | 55kW(75ps)/5500rpm |
最大トルク | 114N・m(11.9kg-m)/4250rpm |
車両本体価格 | 175.0万円 |
ルノー カングー【プレイバック試乗】/試乗レポート
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