※この記事はカーセンサー関東版24号2000年6月29日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

可変吸気バルブタイミングシステムが採用されたV6エンジン搭載

  • プジョー 406クーペ 走り|ニューモデル試乗
  • プジョー 406ブレーク リアスタイル|ニューモデル試乗
↑攻撃的にアクセルを踏み込めば踏み込むほど、ひらひらと飛ぶように走る(左)新バンパーの採用でセダンは45mm、ワゴンは20mm、全長が長くなっている(右)
ビッグマイナーチェンジでセダンとブレーク(ワゴン)はグリルやサイドモールなどに変更が加えられた406シリーズだが、クーペに関しては外観上の変更はほとんどない。けれど違いは中身にあり。

改良された3L V6エンジンは軽量化が施されているほか、可変吸気バルブタイミングシステムが採用され最高出力で16ps、最大トルクで2.3kg-m、向上している。エンジンに加え配線関係でもシェイプアップがなされたため、クルマ全体で20kg軽くなっているのが強みだ。またインパネのデザインは406シリーズすべてが一新され、スイッチ類が大きく使いやすく改良されている。

クーペに関しては左右のハンドルをチョイスできる。日本の道路状況からいえば使いやすいのは右だが、左の場合、ワインディングを走るときにAピラーがセンターラインを遮らないため視界が良く、こちらも悪くはない。

アクセルを踏み込むほどにひらひらと飛ぶような、そそる走りのV6

  • プジョー 406 インパネ|ニューモデル試乗
  • プジョー 406 エンジン|ニューモデル試乗
↑センターパネルのデザインが一新され、スイッチが大きく使いやすくなった(左)改良により、パワーピークはより高回転に、トルクピークは低回転になっている(右)
もともと攻撃的にアクセルを踏み込めば踏み込むほど、ひらひらと飛ぶように走って面白みの増す406シリーズだが、今回の改良型エンジンでより一層その傾向が強調された。低速からのトルクは十分にあり、学習機能付き電子制御ATはどんどんアグレッシブな走りを要求してくる。

また、クーペの場合、ブレークに比べるとボディが軽い分エンジンを回す必要がなく、静かに機敏な走りが楽しめる。もっとも音&振動対策、ATの変速比の違いも走りと静粛性に大きく影響しているけれど。

クーペに装着されたブレンボのブレーキは剛性感も十分。カタチの美しさだけでなく、走りも周囲を惹きつけるクーペに仕上がった。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード クーペ
駆動方式 2WD(FF)
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4615×1810×1365
ホイールベース(mm) 2700
車両重量(kg) 1500
乗車定員(人) 4
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 2946
最高出力[ps/rpm] 206ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 29.0kg-m/3750rpm
10・15モード燃費(km/L)
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/70
車両本体価格 520.0万円

岩貞るみ子の責任採点

コンセプト 4点 取り回し 3点 加速性能 5点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 3点 乗り心地 4点 環境対策 3点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 3点 操縦安定性 4点 燃費 3点
後席居住性 3点 パワー感 5点 高速安定性 4点 ステータス 4点
内装の質感 4点 トルク感 5点 しっかり感 3点 コストパフォーマンス 3点
得点合計 75/100
(Tester/岩貞 るみ子 Photo/桜井 健雄)