▲フォーツーは代わりの利かない魅力のある1台だと思うし、アシとして最強なのでやはりセカンドカーに。が、シティコミューターとして乗り出し200万円超えは高い。やはりup!と競り合う価格帯にしてほしかった。RRとしての楽しみは今後に期待したい ▲フォーツーは代わりの利かない魅力のある1台だと思うし、アシとして最強なのでやはりセカンドカーに。が、シティコミューターとして乗り出し200万円超えは高い。やはりup!と競り合う価格帯にしてほしかった。RRとしての楽しみは今後に期待したい

4人乗りがメインになってスマートはどう変わった?

フルモデルチェンジしたフォーツーは、乗ってみると確かに室内が広くなった。ドアが遠くなった感じでもう少しシート間が広いとベターだが、衝突安全性を考えると内側寄りに座らざるを得ないのだろう。

トリディオンセーフティセル構造も引き継がれ、超高張力鋼板も2割増しでボディ剛性もアップ。最小回転半径は3.3メートルと、小回りキングは健在だ。

とはいえ最大のニュースは3気筒NAユニットに6速DCTツイナミックを組み合わせた新開発パワートレイン。足回りもスプリングのストロークを伸ばして快適性を向上させているという。走り出すとなるほど、先代より加速時のシフト動作は相当スムーズになった。ボタン押しでエコ・モードからスポーツに入れれば、引っ張ることもできる。でもとくに1速、微低速時のつながりレスポンスが鈍く、アクセルを微妙に踏んでも強く踏んでもややギクシャク感は残る。もちろん改善はされたが、まだフツーの車に比べるともう半歩、というレベルの話だ。アイドリングストップのマナーは良好だが信号待ちのたび、再加速に気を使う。

逆に驚いたのは高速道路での安定感。100~120km/hのアウトバーンでは流す程度のペースだろう、吸いつくようにフラットな乗り心地でリアエンジンである分、静かで快適ですらある。ステアリングの感触もしっとりしているし、街中の発進時さえ目をつぶれば1台でお一人様生活はまかなえそうな勢いだ。

とはいえフォーツーは定期的に限定&コラボを仕掛けてマニア向けになる予定で、日本市場ではフォーフォーがメインとなる。こちらはカート場でちょい乗りした限りだが、エンジンが遠くなっただけでフォーツーの感覚はそのまま。RRとして楽しい車にするにはパワートレインの洗練が要るだろう。

▲横風に煽られても風を受けている側のブレーキで補正して直進性を保つ機能も。ESPの派生機能だとか ▲横風に煽られても風を受けている側のブレーキで補正して直進性を保つ機能も。ESPの派生機能だとか
▲楕円形をモチーフとしたポップな仕立てのインテリア。シートはヘッドレスト一体型 ▲楕円形をモチーフとしたポップな仕立てのインテリア。シートはヘッドレスト一体型
▲フォーツーは年数回登場する特別仕様に。第一弾は440台限定のエディション1、価格は199万~204万円 ▲フォーツーは年数回登場する特別仕様に。第一弾は440台限定のエディション1、価格は199万~204万円

【SPECIFICATIONS】
■グレード:forfour passion ■乗車定員:4名
■エンジン種類:直3DOHC ■総排気量:999cc
■最高出力:71/6000[ps/rpm]
■最大トルク:91/2850[n・m/rpm]
■駆動方式:RR ■トランスミッション:6DCT
■全長×全幅×全高:3495×1665×1544(mm) ■ホイールベース:2494mm
■車両重量:1005kg
■車両本体価格:209万円

text/南陽一浩
photo/大子香山