BMW 2シリーズ|ニューモデル試乗

今回M235iを試乗して、スポーツカーはこのくらいのサイズがあればいいということを再確認。2ドアクーペとして素晴らしい機能を持ちながらの、この趣味性の高さ。最新のスポーツカーという遊び道具を探していた人、ぜひ一度は走りを体験すべき1台だろう。

“哲学”を継承したコンパクトスポーツ

高性能なAT、一体感はMT

コンパクトな2シリーズのボディに、3Lの直列6気筒ターボエンジンを組み合わせたM235i。

車名がM2ではないのは、そのパワーユニットが、M社の手によるものではないことに理由がある。けれどもその走りは、このような事情がなければ、M2の称号を掲げても、誰もそれに異論を唱えることはないだろう、と確信できるほどに魅力的なものだった。

6速MTと8速ATの両モデルが日本仕様でも用意されるM235i。BMWは、加速性能においても、そして燃費性能においても、高性能なのは後者のほうであると主張するが、マン・マシンの一体感をより強く感じながら意のままにそれを操れるのは、もちろん6速MT仕様だ。

「駆けぬける歓び」のすべてが継承された

326ps&450N・mという最高出力&最大トルクを発揮する、BMW伝統の直列6気筒エンジンの最大の美点はやはり回転の滑らかさ。エンジンスピードが高まるとともに、ターボによる過給を得て、怒濤のごとく湧き上がってくるトルクは、ドライバーとして感じるフィーリングにおいても、そしてまた客観的なスペックの比較においても、かつてM3に搭載された4L仕様のV型8気筒自然吸気エンジンを確実に超越するものだった。

6速MT仕様では、パワートレイン一式の剛性感もまた大きな魅力だ。前後のサスペンションも実に素晴らしい動きを披露する。低速域で若干乗り心地は硬質なものに感じるが、これは装着されるタイヤに理由がありそうだ。コーナリングの限界はきわめて高い。

BMWが哲学として掲げる「駆けぬける歓び」。そのすべては、このM235iに継承されている。

ハイスペックなMモデルと通常モデルとの中間に位置することとなる「Mパフォーマンス・オートモービルズ」のM235i

ハイスペックなMモデルと通常モデルとの中間に位置することとなる「Mパフォーマンス・オートモービルズ」のM235i

レイヤリングという手法を使い、空間の広がりを強調してあるインテリア。車のキャラクターを表すスポーツシートが標準で備わる

レイヤリングという手法を使い、空間の広がりを強調してあるインテリア。車のキャラクターを表すスポーツシートが標準で備わる

BMW M社によりチューニングが施された3Lの直列6気筒ターボエンジンを搭載。専用セッティングのサスペンションなども備わる

BMW M社によりチューニングが施された3Lの直列6気筒ターボエンジンを搭載。専用セッティングのサスペンションなども備わる

SPECIFICATIONS

グレード M235i
駆動方式 FR
トランスミッション 8AT
全長×全幅×全高(mm) 4470×1775×1410
ホイールベース(mm) 2690
車両重量(kg) 1550
乗車定員(人) 4
エンジン種類 直6DOHCターボ
総排気量(cc) 2979
最高出力[ps/rpm] 326/5800
最大トルク[N・m] 450/1300-4500
車両本体価格(万円) 615
Tester/山崎元裕 Photo/大子香山