BMW 523d ブルーパフォーマンス (島下泰久)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2013/02/22
こんなワゴンが欲しいという要素をすべて備える上に、しかもそれがBMWだという意外性、美しいスタイリングが醸す伊達っぷりまで備えているのだから、これは我儘度、高いでしょう? もうちょっとだけトンガッていてもいいけど…なんてのは、多分難クセ
意外にも? 癒しの乗り味をもつBMW!
ディーゼルラインナップが瞬く間に充実
2012年の1年間で「BluePerformance」と名付けられたディーゼルエンジン搭載車のラインナップを瞬く間に充実させたBMW。もはやBMWとディーゼルの組み合わせに違和感を覚える人、だいぶ少なくなっているのではないだろうか。
その中の1台、523d BleuPerformance(以下523d)の心臓は最高出力184ps、最大トルク380Nmを発生する直列4気筒2L直噴ディーゼルターボ。320dと同じエンジンなのに車名が523dとなるのは、まあビジネス上の都合というやつだろう。
けれど実際に乗ってみれば、そんなこと、どうでもよくなるに違いない。
ワゴンに求める要素のすべてが揃っている
何しろ低回転域から力強いトルクを発生するから、加速は発進の瞬間からパワフルそのもの。その特性に合わせて8速ATは最終減速比が高くなっているから、高速巡航中などは回転数が低く抑えられ、ガソリン車よりかえって静かだったりする。この辺りは320dなどとも一緒なのだが、523dが他モデルと異なるのは、特にアイドリング付近では皆無とは言えないガラガラとした騒音、ステアリングにも伝わる振動が、ほぼ完璧に抑え込まれているということ。きわめて静かに、滑らかに分厚いトルクを発生するおかげで、至極上質な加速感を得ているのである。
しかも523dは乗り味もとても優しいタッチ。しなやかな足さばきが、上々の快適性をもたらしている。およそBMWらしからぬこの感触は、誤解を恐れずに言えば、W124型のメルセデス・ベンツEクラス辺りを想起してしまうほど。もちろんステアリングを切れば、しっかりBMWなのにもかかわらずである。
ゆったりとした快適な乗り味、大容量、燃費の良さなど、ここにはワゴンに求める要素のすべてが揃っていると言ってもいい。次の機会にはぜひ長距離を行きたい。短い試乗の後、そんな気にさせられた1台だ。
SPECIFICATIONS
グレード | 523d BluePerformance | ||
駆動方式 | FR | ||
トランスミッション | 8AT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4910×1860×1475 | ||
ホイールベース(mm) | 2970 | ||
車両重量(kg) | 1760 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | 直4DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 1995 | ||
最高出力[ps/rpm] | 184/4000 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 380/1750-2750 | ||
車両本体価格(万円) | 633 |
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