※この記事はカーセンサー関東版46号(2000年12月7日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

驚異的な粘りの低速トルクをもった正真正銘のスポーツセダン

  • VW ボーラ V6 4モーション 走り|ニューモデル試乗
  • VW ボーラ V6 4モーション リアスタイル|ニューモデル試乗
↑4モーションユニットによる走りは大排気量エンジンならでは(左) 完成度の高い3BOXフォルム。もはや“トランクの付いたゴルフ”ではない(右)
4モーションは、2.8LのV6ユニットと4WDを搭載したボーラのトップモデル。このシステム、本国にはゴルフ版もあるが、とりあえず日本に導入されるのはボーラ版のみとなる。

クロームメッキのモールディング、専用エアダム、ディスチャージヘッドランプ、3人分のポジションを記憶できるレカロ製電動本革シートなど、装備内容はトップモデルにふさわしい充実ぶり。

ボーラはもともと素晴らしい質感を誇る車だが、4モーションのエクスクルーシブさには目を見張るものがある。

2.8LのV6エンジンは、ゴルフIIIのVR6が搭載していたバンク角15度というユニークなV6 12バルブユニットをベースにヘッドを24バルブ化したもの。新たに可変バルブタイミング機構を組み込んで いる。

エンジンをかけると、一般的な60度のV6とは異なるわずかな振動が伝わってくる。よくできたV6と比べるとスムーズさは劣るが、有機的な鼓動感にはなかなか味がある。

ノーズの重さを感じない素直なハンドリングと乗り心地をもつ

  • VW ボーラ V6 4モーション インパネ|ニューモデル試乗
  • VW ボーラ V6 4モーション エンジン|ニューモデル試乗
↑質感の高いダッシュボードのデザインは他のボーラと基本的に同一(左) 15度という変則的なバンク角により4気筒並みのコンパクトさを実現(右)
走り始めてまず感じるのが図太い低速トルク。6速30km/hからでも渋々ながらも加速していく驚異的な粘りをもっている。街中では、1速でスタートし、3速に入れてしまえばギアチェンジの必要性をほとん ど感じないほどだ。

もちろん、トップエンドまで回したときのパンチ力も素晴らしい。ノーズの重さをほとんど感じさせない素直なハンドリングとフラットな乗り心地も魅力的。

ゴルフIIIのVR6はGTカー的な車だったが、V6 4モーションはボーラを正真正銘のスポーツセダンへと進化させたモデルだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード V6 4モーション
駆動方式 4WD
トランスミッション 6MT
全長×全幅×全高(mm) 4375×1735×1445
ホイールベース(mm) 2520
車両重量(kg) 1540
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6SOHC
総排気量(cc) 2791
最高出力[ps/rpm] 204ps/6200rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 27.5kg-m/3200rpm
10・15モード燃費(km/L) 10.0
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/63
車両本体価格 365万円

岡崎五朗の責任採点

コンセプト 3点 取り回し 3点 加速性能 4点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 3点 乗り心地 4点 環境対策 3点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 3点 操縦安定性 4点 燃費 2点
後席居住性 4点 パワー感 4点 高速安定性 4点 ステータス 4点
内装の質感 5点 トルク感 5点 しっかり感 5点 コストパフォーマンス 3点
得点合計 76/100
(Tester/岡崎五朗 Photo/奥隅圭之)