C5 X▲セダン、ステーションワゴン、SUVの強みを組み合わせた独創性が特徴的なC5 Xはシトロエンのフラッグシップ・モデルに据えられる

セダン、ステーションワゴン、SUVのクロスオーバー

ステランティス・ジャパンは、8月29日にシトロエンのフラッグシップ・モデルであるC5 Xを発表した。全国のシトロエン正規ディーラーで10月1日に発売する。

C5 Xはセダンのエレガンス、ステーションワゴンの実用性、SUVの力強さが組み合わされた車で、車名に添えられた「X」はCXなどの系譜を踏襲し、前出の3タイプのクロスオーバーであることをも意味している。

設定グレードと税込み価格は下記のとおり。
・C5 X SHINE 484万円
・C5 X SHINE PACK 530万円
・C5 X プラグイン・ハイブリッド 636万円

フロントマスクには特徴的なV字型のシグネチャーライトが用いられ、シトロエン・ブランドとしての統一感が演出されている。

ボンネットフードとボディサイドに刻まれたキャラクターライン、大径タイヤと黒いホイールアーチがダイナミックな印象をもたらし、ルーフに沿って設けられたクロームラインがアクセントの役割を果たしている。リアでは上下2つの大型スポイラーとサイドまで回り込んだコンビランプが特徴的だ。

ボディサイズは4805mm×1865mm×1490mm、ホイールベースは2785mm。
 

C5 X▲ダイナミックな印象をもたらす大径タイヤと黒いホイールアーチ、サイドビューでアクセントの役割を果たすルーフサイドのクロームラインが特徴にあげられる

キャビンは水平設計のインパネと、フロントドアまで回り込む木目調パネルがゆとりある空間を演出。また、室内に開放感をもたらす狙いでリアクオーターにもウインドウが設けられている。

遮音性を高める複層構造のラミネーテッドガラスと電動ガラスサンルーフは上級グレードのSHINE PACKに標準装備。
 

C5 X▲リラックスできる空間を作り出す水平基調のインパネには、フロントドアまで回り込む木目調パネルが用いられている。中央には12.3インチのタッチスクリーンを装備

シートには、シトロエン独自のアドバンスト・コンフォートシートが採用されている。低反発効果のある高密度ウレタンが使われ、表層部には厚さ15mmのスポンジが挟み込まれて快適な座り心地を実現。また、ロングホイールベースのおかげで後席ニールームは先代C5より66mm広がった。

SHINE PACKの前席には、空気圧で腰をサポートするランバーサポート付きパワーシートに加え、ヒーターとベンチレーション、シートを後退させてスムーズな乗降を補助するウェルカム機能が装備されている。
 

C5 X
C5 X▲低反発効果のある高密度ウレタンと厚さ15mmの表層スポンジによって良好な座り心地を実現しているシート。上級グレードにはヒーターとベンチレーションが内蔵されている

ラゲージスペースは、フラットフロアと低い開口部によって優れた使い勝手を確保。容量は通常時が545L、リアシートを前倒しすれば1640Lに広げられる。バンパー下に足をかざして開け閉めできる電動ハッチゲートも装備。

インパネ中央には12インチの高精細タッチスクリーンが備わっており、スマホのようにスクロールやスワイプなど直感的に操作できる。複数の情報を同時に表示できるウィジェットも可能だ。

ナビにはリアルタイム交通情報を活用したルート検索が可能な通信型を採用。音声認識システムも搭載されており、呼びかけてシステムを起動させることができる。目的地設定、エアコンの温度設定、ラジオ局の選択、ハンズフリー通話、天気予報など、様々な機能が音声で操作できる。Apple CarPlayとAndroid Autoにも対応していてスマホを連携させることも可能だ。
 

C5 X▲車速やナビのルート案内、読み取った道路標識などを約4.5m前方に浮かび上がらせて表示するヘッドアップ・ディスプレイが新採用されている

フラットな乗り心地をもたらすサスペンション

足元には、シトロエン独自のハイドロニューマチック・サスペンションの流れをくむプログレッシブ・ハイドローリック・クッションが全車に標準装備されている。ショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーが組み込まれており、ショックを抑制してフラットライドを実現する。

プラグイン・ハイブリッドには、走行モードに応じてダンパー内の油圧を制御するアドバンスト・コンフォート・アクティブ・サスペンションが採用されている。モードは4つから選択でき、速度域や路面状況に応じてダンピングが調整されて優れた乗り心地がもたらされる。

前走車との車間距離を保つアクティブ・クルーズコントロールには、走行ポジションを維持するレーン・ポジショニング・アシストと、渋滞時の停止&再発進を自動的に行うトラフィック・ジャム・アシストが含まれる。

後方からの接近車両を検知してドアミラー鏡面のLEDが点灯するブラインドスポット警告は従来のソナー式からレーダー式に変わり、検知範囲は後方75mまで広がった。後退時に横から接近する車両と歩行者を検知するクロストラフィック警告も備わっている。

パワートレインにはガソリンエンジンとプラグイン・ハイブリッドの2種類が用意されている。1.6L直4ガソリンターボは180ps/250N・m(燃費は公表値なし)。フロントに電気モーター(110ps/320N・m)を有するプラグイン・ハイブリッドのシステム出力は225ps/360N・mで、WLTCモード燃費は17.3km/L。

プラグイン・ハイブリッドには専用の電動対応型8速ATが採用され、トルコンの代わりに湿式多板クラッチが用いられてスムーズな動力伝達で前輪を駆動。12.4kWhのリチウムイオン電池はラゲージスペース下に搭載されており、EV走行距離は65km(WLTCモード測定値)をマークしている。

満充電までに要する時間は200V・3kWで約5時間、200V・6kWで約2.5時間。充電の開始時刻を設定しておける予約機能、乗車時に合わせて空調を作動させておけるプリコンディショニングが採用されており、どちらも車内のタッチスクリーンやスマホアプリで設定できる。

ドライブモードは、電気モーターで走る「エレクトリック」、エンジンとモーターで効率よく走る「ハイブリッド」、乗り心地を重視した「コンフォート」、ダイナミックな走りが楽しめる「スポーツ」の4つ。住宅地でEV走行するために電力を蓄電する「e-SAVE」機能も搭載されている。
 

文/マガジンX編集部、写真/シトロエン