クーペルックなハッチバックの新型シトロエン C4&E-C4が登場
カテゴリー: シトロエンのニュース
2022/02/24
クーペ風のシルエットと、ふんわりとした柔らかい座り心地の前後シート
グループPSAジャパンが新型シトロエン C4とE-C4エレクトリックを発表し、1月22日に全国のシトロエン販売店を通じて発売した。
グレード展開と税込み価格は以下のとおりである。
【1.2L直3ガソリンターボ&8速AT】
C4 FEEL 290.0万円
C4 SHINE 325.0万円
【1.5L直4ディーゼルターボ&8速AT】
C4 SHINEブルーHDi 345.0万円
【電気モーター】
E-C4エレクトリック 465.0万円
新型C4とE-C4エレクトリックは車高が高めに設定され、SUV的な力強さと個性が融合したハッチバックに仕上がっている。そのデザインは、2016年のパリモーターショーで披露されたコンセプトカーの、「Cエクスペリエンス」にインスパイアされたものだ。
フロントでは、中央のダブルシェブロンからV字型のシグネチャーランプへと続くクロームラインが、大胆さとシャープな力強さを表現している。C4カクタスと同じくボンネットフードは高めに設計され、大径タイヤによってアイポイントも高めに設定されている。
サイドビューには、かつてのシトロエンGSをほうふつとさせるクーペのような、なだらかなルーフラインを採用。リアコンビランプもV字型にデザインされている。
インテリアは、ドライバーと同乗者が平等に移動の喜びやリビングのような居心地の良さ、くつろぎ感を体感できるよう、シトロエン・アドバンスト・コンフォート・プログラムに基づいてデザインされた。
インパネは、横方向の広がりを強調する水平基調で、中央には10インチのタッチパネル式インフォテイメント画面が設けられている。その下には、空調ダクトと空調操作パネルが並んでいる。
メーターは、5.5インチのデジタルパネルとポップアップ式のヘッドアップ・ディスプレイで構成。瞬時に必要な情報が読み取れるよう、シンプルで明快なグラフィックが採用されている。
また、シフトセレクターはクローム仕上げのトグルスイッチ式で、軽いタッチで操作できる。
助手席側のインパネには、シトロエン・スマートパッド・サポートが装備されている。タブレットPCが固定できるスタンドが別売りで用意されており、助手席の乗員は走行中でも安全・快適にタブレットが操作できて快適な時間を過ごせる。
前後ともにアドバンスト・コンフォートシートを起用。シート生地裏に従来の2mmより大幅に厚い15mmのフォームが配されており、しっとりふんわりとした柔らかい座り心地が実現されている。疲労につながる車体の微振動も、このシートによって吸収される。SHINEの運転席は、上下アジャスターとリクライニング、ランバーサポートが電動で調整でき、シートヒーターも備わっている。
後席は、天井トリムの形状を最適化することで、クーペ風のルーフラインでありながらヘッドクリアランスを確保。2665mmの長いホイールベースによってニースペースにも余裕がある。
SHINEには、ブラック基調のレザー&テップレザー、FEELにはグレー基調のファブリック&テップレザーのコンビ表皮が使われている。
また、後席前方までカバーする電動ガラスサンルーフが標準装備されている。前側はアウタースライド式のため、外気を取り入れることもできる。直射日光を遮るサンシェードも装備。
ラゲージ容量は380Lで、リアシートを前倒しすれば1250Lに増える。用途に応じて2ポジションに変えられるフロアボードと、段差のないフラットフロアで荷物の積み降ろしもラクに行える。
ライフスタイルに合わせてガソリン車、ディーゼル車、EVから選べる
パワートレインには、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、電気モーター(EV)が用意されており、それぞれに同じSHINEグレードを設定。異なるパワートレインながら、乗り味や機能、装備、空間を同等にすることで、ユーザーがライフスタイルと好みに応じて自由に選べる。
このコンセプトは、コンパクト・プラットフォームのCMP(コモン・モジュラー・プラットフォーム)の上に成り立っている。BおよびCセグメント用の新しいプラットフォームで、エンジン車とEVが混合生産できる構造に仕上がっている。
E-C4エレクトリックは、日本におけるシトロエン初の完全EVで、100kW/260N・mの電気モーターと50kWのリチウムイオン電池が搭載されている。この電池パックは、液冷ヒートポンプによって充放電時の温度が管理されている。
1個あたり約13.1kgのモジュールが18個組み合わされた総重量350kgの電池は一般的なEVと異なり、重量配分を考えてフロントシート下、リアシート下、センターコンソールに分散してH型に搭載。その結果、エンジン車と同じ室内空間が確保されている。WLTCモードでの航続距離は405km(JC08モードでは459km)をマークしている。
E-C4エレクトリックには、3つのドライブモードと2つの回生モードが用意されている。パフォーマンス重視のスポーツモードでは100kW/260N・m、日常の快適性と電費効率を両立するノーマルモードでは80kW/220N・m、航続距離の最大化を図るエコモードでは60kW/180N・mに、それぞれ出力が制御される。
ボタン操作で切り替えられる回生モードは、エンジン車でのアクセルオフをシミュレートした自然な走行フィールのDモードと、エネルギー回生が強化されるBモードから選べる。
付属の充電ケーブルを使えば、コンセントタイプ(200V・3kW/満充電まで約18時間/約3時間で50km走行分)、ウォールボックスタイプ(200V・6kW/満充電まで約9時間/約1.5時間で50km走行分)の普通充電を行える。急速充電はCHAdeMO規格(約50分で約80%充電)に対応している。
電気料金が安い夜間に充電を始められるよう、開始時刻を予約しておくこともできる。また、乗車前に車内を快適な温度にしておけるプレ空調にも対応。
ガソリン車には、1.2L ピュアテック・ターボが搭載されており、130ps/230N・mを発揮する。高圧燃料噴射システム、電子制御ウェイストゲートバルブ、GPF(ガソリン・パーティクル・フィルター)が採用されており、伸びやかな加速フィール、低速域からの力強いトルク感、ユーロ6.3対応の高い環境性能を兼ね備えている。WLTCモード燃費は17.7km/L、JC08モード燃費は19.9km/L。
ディーゼル車には、1.5LブルーHDiを搭載。最高出力130psと、3L自然吸気エンジン並みの最大トルク300N・mによる力強い加速が特徴に挙げられる。200以上もの特許技術が採用されており、SCR(選択還元触媒)とDPF(微粒子フィルター)がコンパクトにまとまっていて効率よく排ガスを処理。WLTCモード燃費は22.6km/L、JC08モード燃費は23.7km/L。ユーロ6.3をクリア。
全車に搭載されているPHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)は、シトロエンのDNAを受け継ぐサスペンションである。純メカニカルで信頼性に優れたダンパーで、ツインチューブダンパーに第2のダンパーシリンダーが加わっている。
このセカンダリーシリンダーには、複数のポートが開けられており、セカンダリーピストンが内蔵されている。サスペンションがストロークするとセカンダリーピストンがシリンダーに入り込み、バンプストップとして作用する。
これにより、サスペンションが小さく細かく動いたり、ストロークのスピードが緩い状況では減衰力が抑えられてソフトかつスムーズな乗り心地がもたらされる。
一方、サスペンションが大きく動く場面ではセカンダリーピストンとシリンダーが生み出す減衰力によって衝撃が吸収され、大きな凹凸でも底付き感のないフィーリングが提供される。
このPHCは、前輪サスペンションでは伸び側と縮み側の両方に、後輪サスペンションでは縮み側のみに採用されている。
加えて、数々の安全装備とドライバーをサポートする機能も備わっている。アクティブ・クルーズコントロールは、アクセルとブレーキを自動制御し、約30~180km/hの速度域に対応。渋滞などで前走車が停止した場合も適切な距離を保ちながら完全停止し、約3秒以内なら自動的に再発進する。3秒以上経過した場合にはスイッチまたはアクセルの操作で再発進できる。
レーンポジショニングアシストは、左右の白線内の任意の位置を指定して走ることができる。これはドライバーの好みに応じて車線のやや左側をキープしたり、流れの遅い高速道路で二輪車が通過しがちな場合に備えて車線右側をキープするなど、アレンジできる機能だ。
衝突被害軽減ブレーキは、約7~140km/hの範囲内で作動する。約80km/h以下では停止車両を、約60km/h以下では歩行者も検知し、危険回避や衝突被害の軽減に貢献する。約30km/h以上で走行しているときは、前走車との距離を検知し、視覚と音で注意を促すディスタンス・アラートも採用されている。
シトロエン初装備のポストコリジョンセーフティブレーキは、エアバッグやシートベルト・プリテンショナーが作動すると自動的にブレーキをかけ、二次的な衝突リスクを軽減する機能だ。
バックカメラは、後方の様子をインフォテイメント画面に映し出し、ガイドラインによって正確な運転操作をアシスト。
インテリジェント・ハイビームは、車載カメラが前方の状況を分析し、対向車や前走車を検知してハイビームとロービームを自動的に切り替える。
ヒルスタート・アシスタンスは、勾配が約3%以上の上り坂でブレーキペダルから足を離した際、制動力を約2秒間保持して坂道発進をアシストする。
エンジンを停止すると自動的に作動し、アクセルペダルを踏むと自動的に解除する電動パーキングブレーキも備わっている。