三菱 ランサーエボリューションワゴン▲ATでも楽しめて、なおかつお値打ちなランサーエボリューションワゴンはいかがですか?

ATでも走行性能の高いモデルがある

スポーツカー=3ペダルマニュアル、というイメージをおもちの方も多いことでしょう。かくいう筆者もマニュアル車を所有しており、無駄にシフトチェンジをしてニヤニヤしたりしています(気持ち悪い)。

しかし、中には家族が運転するからとか、AT限定免許でカーライフをスタートさせたけど最近スポーツカーに興味が出てきたとか、様々な理由で2ペダル車を選択する人も多いでしょう。

そこで今回は、スポーティな走行が楽しめて普段使いにも使える、マルチな実力をもつ2ペダルAT車をご紹介。それが三菱 ランサーエボリューションワゴン GT-Aです!
 

三菱屈指のラリーウェポンのステーションワゴン版!

三菱 ランサーエボリューションワゴン▲こちらが今回紹介するランサーエボリューションワゴン GT-Aです

ランサーエボリューションといえば、三菱が世界ラリー選手権(WRC)で勝つために生み出されたホモロゲーションモデル。1992年の初代モデルから始まり、常にアップデートを繰り返されてきた車種というのは皆さんもご存じのことでしょう。

残念ながらランエボシリーズは、2016年に10世代にわたる生産販売を終了してしまいました。ですが、現在でもその高いポテンシャルは多くの人が認めるところとなっています。

そんなランエボは、4ドアセダンがベースとなっていましたが、2005年9月に初めてステーションワゴンが追加されました。

ベースとなったのは、第2世代ランエボの最後となったランエボ9で、ランエボのパフォーマンスとステーションワゴンのユーティリティを融合させたある意味、最強のファミリーカーと言えるであろうモデル。

なお、ランエボワゴンのラインナップは5速ATとなる「GT-A」の他、6速MTの「GT」も用意されていましたが、今回はGT-Aに絞ってご紹介します。

ちなみに、同時期のランサーのラインナップには「ランサーワゴン」と呼ばれるステーションワゴンボディが設定されており、そちらがベースになっていると思われるかもしれません。

ですが、ベースとなったのは正真正銘ランエボ9であり、そこにワゴンのボディサイドパネルやルーフパネルなどを結合させ、リアまわりを重点的に補強したという手間のかかったもので、結果的に軽量かつ高剛性のワゴンボディとなっているのです。

そこに搭載されるエンジンは、すでにランエボのエンジンとしてお馴染みの4G63型ターボエンジンとなります。

ただし、ATモデルにはランエボ9から搭載された連続可変バルブタイミング機構MIVEC付きのものではなく、エボ7(セダン)のATモデル「GT-A」と同じ、低~中速においてハイレスポンスで高性能な小型のターボチャージャータイプのエンジンが搭載されました。
 

三菱 ランサーエボリューションワゴン▲赤く塗られたヘッドカバーがなんともスポーティ
三菱 ランサーエボリューションワゴン▲もちろんMTモード付き

「え? じゃあエボ7GT-Aの方がセダンだしランエボっぽくてスポーティなんじゃ?」と思われるかもしれません。

ですが、エボ7のGT-Aはユーザー層を鑑みて武骨なイメージを払しょくするため、ボンネットのエアダムと大型のリアスポイラーが取り除かれており、スポーティというか「落ち着いた大人のセダン」といったエクステリアになっているのです。

やはりスポーツカーにはその名に負けないルックスが重要です。その点エボワゴンはベースとなったエボ9のルックスをほぼ引き継いでいるので、よりスポーティ要素が高いと言えるのです。

三菱 ランサーエボリューション▲こちらがエボ7 GT-A。エアダムとスポイラーがない分プレーンな見た目になっています

さて続いて内装に目を移すと、フロントシートはランエボと同じくレカロ社製のバケットシートや、MOMOステアリングが装着されます。

リアは6:4分割可倒式リアシートや、ほぼフラットになる荷室、ロール式トノカバー、3分割式のラゲージアンダーBOX、ラゲージフック(前後左右4ヵ所)、アクセサリーソケットなど、使い勝手の良いラゲージルームとなっています。
 

三菱 ランサーエボリューションワゴン▲ステアリング形状もまるで社外品のよう
三菱 ランサーエボリューションワゴン▲レカロ社製シートは体をしっかりホールドします
三菱 ランサーエボリューションワゴン▲広い荷室も魅力のポイント

ランサーエボリューションワゴンの相場はどのくらい?

実はランサーエボリューションワゴンは限定車。その生産台数は3000台程度と、そもそもの販売台数が少ないという点があります。

そのため、執筆時点でのエボワゴンのAT車は10台と非常にレア(MT車を入れても27台)。となると、さぞかしプレミア価格なのかと思いきや、最も高い個体でも総額170万円弱、安いものでは総額100万円ほどで見つけることができてしまうのです。

同じ世代のランエボ9だと、高いものではプレミア価格で500万円超、安くても150万円は下回らないという価格帯なので、エボワゴンの買い得感が光ります。

また、ワゴンということで手荒く使われていた個体が少ないという点もあり、執筆時点での掲載車両の中で、修復歴がある個体はなんとゼロ!(MT車含めてもゼロ)。

年式的に走行距離は10万km前後の個体が多くなってはいますが、修復歴がないというのは見逃せないポイントと言えるでしょう。

フルノーマル状態でも高いポテンシャルを誇るランエボワゴンではありますが、基本部分はランエボ9と共有しているため、さらなるチューニングも狙うことができます。

そのため、AT車でもスポーツ走行から日常使いまでオールマイティに使いたいと考える人には非常にオススメできると思いますよ!
 

文/小鮒康一、写真/日刊カーセンサー、三菱

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三菱 ランサーエボリューションワゴン(初代)×ATモデル×全国
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。