クラシカルな形がウケて今もなお躍進中? 初代ダイハツ コペンの「2020年的買い方」を考えてみる
カテゴリー: 特選車
タグ: ダイハツ / コペン / カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー / 伊達軍曹
2020/03/17
唯一無二の「丸っこい可愛さ+レトロ感」が時流に合っている?
カーセンサーだけが持っている膨大なデータをもとにした、毎年恒例の中古車注目度&競争率ランキング「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」。その2019年版で総合9位に入ったのは、今から8年前にはすでに生産終了となっていたダイハツの軽オープンカー、初代コペンでした。
「古い車なのに総合TOP10に入るとは、なかなか健闘してるな!」と思うかもしれません。しかし初代コペンは、昨年の同ランキングでは10位でした。つまり、いちばん新しいモノでも8年前の車である初代ダイハツ コペンは2020年の今、健闘どころか「今さら微妙に躍進している」という状況なのです。
躍進の理由は、おそらくですが、
1. 軽のオープン2シーターであるという希少性
2. 希少な軽オープン2シーターの中でもさらに希少というか、ほぼ唯一の「丸っこくて可愛い、そしてどこかクラシカルなデザイン」であること
3. 総額100万円以下の物件が多く「狙いやすい価格帯」であること
あたりだと思われます。
特に上記の2と3が、いかつくて怖い感じで、そしてけっこう高額な車だらけになった現代の世の中で魅力的に映り、カーマニアではない一般層からの支持も集めたのではないか……と推測しています。
本記事では、そのように「今や逆に新鮮!」と言える初代ダイハツ コペンの探し方と選び方についてなるべくわかりやすく、しかし徹底的に、考えたいと思います。
流通量豊富なのは総額41万~100万円のゾーン
まずは中古車としての初代コペンの全体像を見てみましょう。 2020年3月半ば現在、流通量は全国で718台。これは、2014年に登場した現行型コペン(515台)や、2015年デビューのホンダ S660(453台)よりも多い数字で、軽オープン2シーターの中ではダントツです。その意味で初代コペンの中古車は「探しやすい状況」だと言えるでしょう。
トランスミッションは5MTと4速ATの2種類が存在しますが、今現在流通している中古車の約7割がATで、約3割がMT。「どうしてもMT車が欲しい!」という場合は、AT車と比べると少しだけ探しづらいかもしれません。
全体の相場は、支払総額で考えて約30万~約200万円とかなり上下に幅広いのですが、より細かく見てみると、価格帯ごとの分布は下記のとおりとなっています。
・0~20万円|0台
・21万~40万円|19台
・41万~60万円|165台
・61万~80万円|153台
・81万~100万円|123台
・101万~120万円|46台
・121万~140万円|27台
・141万~160万円|20台
・161万~180万円|6台
・181万円~|5台
上記区分の中で最も多いのは「総額41万~60万円」というゾーンですが、「総額61万~80万円」と「総額81万~100万円」という2つのゾーンを合わせて考えると、「実は61万~100万円のゾーンこそが最大勢力である」と見ることもできます。
まぁいずれにせよ現在、初代ダイハツ コペンの中古車とは「だいたい総額40万から100万円ぐらいが中心である」とまとめることができるでしょう。
走行距離の多寡と価格の高低は必ずしもリンクはしていない
お次は「走行距離」ごとの分布を見てみます。
・0~1万km|9台
・1万~2万km|13台
・2万~4万km|61台
・4万~6万km|112台
・6万~8万km|122台
・8万~10万km|165台
・10万~12万km|116台
・12万~14万km|63台
・14万~16万km|24台
・16万~18万km|17台
・18万km~|12台
・改ざん・不明|4台
8万~10万km、あるいは10万km以上の個体数が多いのは年式から考えて当然ですが、上の数字で目を引くのは「低走行物件も意外と多い」ということ。
初代コペンは「軽のオープン2シーター」というやや特殊なカテゴリーであるため、セカンドカーとして晴れた休日ぐらいにしか乗らなかった人や、ガレージに大切にしまい込んでいた人も多かったのでしょう。
ただし走行2万km以下のスーパー低走行車はさすがに高額で、いちばん安いやつでも総額100万円ぐらい、上は総額200万円近くに達します。このあたりのゾーンは「高いカネを払ってでも、とにかく最高のモノが欲しい!」という人のための、いわば限定コレクターズアイテムだと言えるでしょう。
走行2万km以上になると、もちろん「距離が短いほど車両価格は高くなる」という大まかな傾向はあるのですが、走行距離の多寡と車両プライスの高低は必ずしも完全に連動はしていません。
つまり初代コペンはもはや「走行距離(や年式)ではなく、実際のコンディションに応じた価格になる」という、古い車特有のプライシングがされるようになった――と見るのが正解です。
それを踏まえて考えると、「カネに糸目はつけない!」というコレクター気質の人は別として、一般的には「走行距離はある程度重視するものの“最重要視”はせず、流通量が豊富な総額41万~100万円のゾーン内で、なるべくコンディションと整備履歴が優秀な1台を探す」というのが、さしあたっての王道となるはずです。
種類豊富な「特別仕様車」もぜひチェックしたい
最後の検討要素として「グレードごとの流通量と相場」を見てみます。
・流通量|503台
・相場|30万~170万円
・流通量|5台
・相場|40万~60万円
「アクティブトップ」というのは初代ダイハツ コペンの基本となるグレードで、電動開閉ハードトップを採用しています。それに対して「ディタッチャブルトップ」というのは、主にモータースポーツを楽しみたい人向けに作られた「取り外せるタイプの固定ルーフ」を採用したグレードです。
ディタッチャブルトップもそれなりに魅力的なのですが、まぁ極度に流通量が少ないので、ここは無視しちゃってOKでしょう。「流通している初代コペンの大多数はアクティブトップである」ということです。
しかし初代コペンには「特別仕様車」も多いため、そちらの内容と流通状況もいちおう確認しておかねばなりません。
・主な特別装備|シートヒーター付きの茶色いレザーシートなど
・流通量|6台
・相場|60万~90万円
・主な特別装備|レカロシートや赤と黒を基調とした内装など
・流通量|35台
・相場|50万~130万円
・主な特別装備|シートヒーター付きの茶色いレザーシートなど
・流通量|28台
・相場|50万~140万円
・主な特別装備|ビルシュタイン製ダンパーとBBS製15インチホイールなど
・流通量|31台
・相場|60万~150万円
・主な特別装備|アルティメットエディションの内外装装備がさらにちょい充実
・流通量|16台
・相場|70万~190万円
・主な特別装備|上記車名が改名されただけ
・流通量|43台
・相場|70万~170万円
・主な特別装備|「アルティメットエディション」に黒またはアイボリーの本革スポーツシートなどを追加
・流通量|8台
・相場|130万~180万円
・主な特別装備|「10th ANNIVERSARY」のロゴとシリアルナンバーが入ったアルミプレートと、赤ステッチの本革スポーツシートなど
・流通量|13台
・相場|100万~170万円
以上のとおり様々な特別仕様車があるわけですが、大別すると「シックなレザー内装などを採用した雰囲気系」と「ビルシュタイン製ダンパーなどを装着したスポーツ系」という2つの方向性になります。特別仕様車を買う場合は、この大まかな方向性と「自分の好み」が合っているかどうかだけは、いちおう確認するようにしてください。
年式にこだわらず、コンディション重視で選ぶべし
2002年から2012年までの長きにわたり販売された関係で、「買うなら絶対この年式のこれを!」みたいな明確な提案はしにくい初代ダイハツ コペンではあります。しかし、ここまで行ってきた各種検討からあえて「結論」を出すとするならば、それは以下のとおりとなるでしょう。
◆狙うべき価格帯は?
⇒
◆走行距離は?
⇒
◆年式は?
⇒
◆グレードは?
⇒
◆購入時の注意点は?|おおむね下記の界隈を確認する
⇒
⇒
⇒
⇒
⇒
以上、多少なりとも初代コペン選びのご参考になったならば幸いです。
▼検索条件
ダイハツ コペン(2002年6月~2012年8月生産モデル)× 総額50万~90万円▼検索条件
ダイハツ コペン(2002年6月~2012年8月生産モデル)自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
【関連リンク】
この記事で紹介している物件
あわせて読みたい
- 【トヨタ タンクの中古車を買うなら?】オススメの選び方や相場、グレードなどを徹底解説
- 植田圭輔さんが、真っ赤なポルシェで緑の中を駆け抜ける!
- 手にするものはすべてがアート。自然を愛するアーティストは世界で1台だけのメルセデス・ベンツ Gクラスに乗る
- アルピナ B8 4.6リムジン。それはある意味「永遠の命」をもつ希少名車だった。【NEXT EDGE CAR】
- 小沢コージが自動車界の勇者・救世主を探すべく「激レア変態車」の取引現場、白金の魔窟を直撃!【カーセンサーニッチ】
- おでかけは、あえて2台で。家族のようなランドローバー ディフェンダー90とルノー カングー
- 「燃費」から「愛着」へ。エコ視点で選んだのは、中古のボルボ XC60だった
- 【松岡充さんと行く!】ヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2021」レポート(後編)
- 【松岡充さんと行く!】ヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2021」レポート(中編)
- 【松岡充さんと行く!】ヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2021」レポート(前編)