今見るとかえって魅力的に見える!? 1代限りで途絶えたメルセデス・ベンツの激レアモデル4選
カテゴリー: 特選車
タグ: メルセデス・ベンツ / SLRクラス マクラーレン / Rクラス / Cクラススポーツクーペ / バネオ / ぴえいる / c!
2020/03/17
1代限りで終了するのは珍しい!? レア度も高いモデル
1886年に世界で初めてガソリン自動車を作った、メルセデス・ベンツ。
130年以上という世界で最も長いその歴史の中で、1代限りで消えた車というのは数が少ない。
例えば、ミディアムクラスと呼ばれていたモデルはEクラスに、190シリーズはCクラスに……といった具合で、たいていは同じコンセプトで名前を変えてタスキをつないでいる。
とはいえ、2000年代に入ってライバルたちとの競争が激しくなり、次世代にスムーズにバトンを渡せなかったモデルもいくつか見受けられるようになった。
今回は2000年代以降に登場した、メルセデス・ベンツとしては珍しい1代限りで役目を終えた車たちを紹介しようと思う。
1代限りで終了したとはいえ、その車が登場したからこそ、今の現役世代が存在する。つまり現役の礎になったモデルたちだ。
登場した時はなかなか賛同を得られなかったが、今あらためて見ると現役世代に通じる魅力がある。
しかも作ったのは「最善か無か」を社是としているメルセデス・ベンツだ。手頃な価格の中古車になった今、あらためてその魅力を再確認してみよう。
今や貴重なFRのコンパクトクーペ
メルセデス・ベンツ Cクラススポーツクーペ(初代・2001年6月~2007年5月)
2代目Cクラスのボディバリエーションに、新たに加えられたのがCクラススポーツクーペだ。
Cクラスベースといってもボディパネルはセダンと完全に別物で、同じパーツはほとんど使われていない。
エンジンは2L+スーパーチャージャーで5速ATと組み合わされた。
その成り立ちやスタイルは、ほぼ同時期に登場したBMW 3シリーズコンパクトにそっくりだ。
当時CクラスをベースにしたクーペにはCLKもあったが、CLKはCクラス(全長4540mm)より大きなサイズ(同4640mm)で2.6Lや3.2Lのエンジンを積むラグジュアリー志向。
一方でスポーツクーペはCクラスより約200mm(CLKより約300mm)短いなど、コンパクトなメルセデス・ベンツというポジションだ。
またグレードのひとつ「スポーツライン」は、専用スポーツサスペンションを装着。エンジンの絶対的パワーはないものの、小気味よいスポーティな走りを楽しめる。
こうして振り返ると、現行型のAクラスよりコンパクトでFR、しかもスポーティなコンパクトクーペとなれば貴重な存在ではないだろうか。
残念ながら2007年に、3代目Cクラスが登場するのに合わせて1代限りで消滅した。
ちなみにCLKは2009年まで販売された。もちろんCクラススポーツクーペやCLKで培われたノウハウは、現行のCクラスクーペやEクラスクーペにも生かされている。
デビュー時の車両本体価格は、410万~450万円。
原稿執筆時点(2020年3月10日)で6台しか見つからなかったが、いずれも支払総額で70万円以下と手頃な価格になっている。
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メルセデス・ベンツ Cクラススポーツクーペ(初代)×全国コンパクトで両側スライドドアが備わったMPV
メルセデス・ベンツ バネオ(初代・2003年10月~2007年8月)
初代Aクラスをベースに作られたマルチパーパスカーがバネオだ。
Aクラスと比べて475mmも長いホイールベースをもち、全高も270mm高められ、ボディ後端のピラーはほぼ垂直。
だから全長4210mmというコンパクトなボディにも関わらず、通常で715L、2列目シートを取り外せば最大3000Lという大容量のラゲージを作り出せる。
そんな広い室内を活用しやすいよう、リアドアは両側ともスライドドアが採用されている。これなら人はもちろん、荷物を横からも載せやすい。
搭載されるエンジンは1.9Lで、5速ATが組み合わされる。
デビュー時の車両本体価格は、320万円。
当時の同クラスの国産ミニバンやビジネス用バンと比べて価格が高いわりに、3列目シートがない他、スライドドアの窓がはめ殺しなど、日本のユーザーからはあまり魅力的に映らなかったようで、あっという間に消滅した。
ちなみに本国では、Citanという後継モデルが商用車として販売されている。
あらためて今中古車として見れば、十分な広さ&性能のため、例えば4人でキャンプに行くようなユーザーにオススメしたい。
商用車ライクなところにも、心をくすぐられるユーザーは多いのではないだろうか。
原稿執筆時点で1台、支払総額約65万円で見つかった。
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メルセデス・ベンツ バネオ(初代)×全国ワゴンのようなSUVのような6人乗り豪華クルーザー
メルセデス・ベンツ Rクラス(初代・2006年3月~2014年3月)
ミニバンが世界的なブームになっていた際、同社が放った新型クロスオーバーがRクラスだ。
当時は日本でもホンダ オデッセイなど、車高を抑えてセダンのような乗り心地を味わえるミニバンが隆盛を極めていたが、Rクラスも全高を1660mmに抑えられ、ミニバンとしてもステーションワゴンとしても、さらにSUVとしても使える高級クロスオーバーとして開発された。
デビュー時に搭載されたエンジンは、3.5LのV6と5LのV8。どちらも7速ATと4WDが組み合わされた。
V8を積むR500は、積載量や路面状況等に応じて前後のダンパーを可変させるAIRマティックサスペンションを標準装備する。
シート配置は2×2×2の6人乗り。メルセデス・ベンツらしく3列目でも快適に移動できる乗り心地を提供してくれる。
2007年には、2列目シートが3人乗りとなり乗車定員が7名に、2010年11月のマイナーチェンジではエクステリアが大幅に一新されて5Lモデルがラインナップから外れた。
2012年には、3.5LのV6が燃費のいい新エンジンに切り替わっている。
やがて日本では背の低いミニバンより背の高い箱形ミニバンに人気が集まっていき、RクラスはVクラスに道を譲るように1代限りで終了した。
デビュー時の車両本体価格は、724万5000~1003万8000円とまさにプレミアム。
原稿執筆時点で26台が見つかり、高いもので支払総額200万円前後、安い中古車ならフタケタ万円で豪華クルーザーのようなRクラスが狙える。
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メルセデス・ベンツ Rクラス(2代目)×全国1代限りの平成生まれのスーパーカー
メルセデス・ベンツ SLRクラス マクラーレン/SLRクラス マクラーレンロードスター(初代・2004年10月~2010年6月)
最後に紹介するのは、2004年に登場したスーパーカーのSLRクラス マクラーレン。
イギリスの名門レーシングチーム、マクラーレンは1995年から2009年にかけてF1で同社とタッグを組み組み、ハッキネンやハミルトンらと幾度も頂点を極めていた。
そんな最強タッグが手がけたスペシャルな市販モデルだ。
626ps/780N・mを発揮する5.5L V8+スーパーチャージャーエンジンをフロントの奥に搭載。
フロントミッドシップといえるレイアウトを採用し、当時の最先端素材であるカーボンコンポジット素材をモノコックやボディシェルに採用していた。0-100km/hは約3.8秒。
さらなるスペシャルモデルも次々に登場する。2006年には世界限定150台の722エディション(650ps/820N・m)、2007年にはオープンカーのロードスター、2009年にはロードスター722S、2010年には世界限定75台のスターリングモス(0-100km/hは3.5秒)。
デビュー時の車両本体価格は、SLRマクラーレンが5775万円、ロードスターは7000万円、スターリングモスに至っては1億1000万円!
そもそもの流通台数が少ないうえ、現在F1ではタッグを解消している両社だけに、再びこんなスーパーカーが登場する確率はかなり低いとあって、原稿執筆時点ではほとんどが「応談」。
プライスタグを掲げている中古車も、支払総額2500万円超というプレミア車だ。
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メルセデス・ベンツ SLRクラス マクラーレン/SLRクラス マクラーレンロードスター(初代)×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディ A4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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