絶滅危惧車のXLRは、キャデラックの歴史の中でもレアなモデルだった!
2019/01/27
キャデラックの個性が追求されていたオープン2シーター
アメリカ ゼネラルモーターズ(GM)の中の高級ブランド、キャデラックはそうめったなことで2シーターオープンカーをラインナップしてこなかった。
XLRはアランテの日本市場に投入された1990年以来のことだった。
1999年のデトロイトモーターショーにて「エヴォーク」としてコンセプトカーが披露され、2003年には「XLR」へと進化を遂げて参考出品された。
そして同年後半から“2004年モデル”として生産を開始した。
XLRはスポーツカーではなく、あくまでもキャデラック・ブランドにふさわしい高級な2シーターオープンカーという立ち位置であった。
とはいえ、プラットフォームは同時期のシボレー コルベットと同じというだけでワクワクさせられたものだった。
ただし、コルベットと同じエンジンが搭載されることはなく最高出力324psの4.6L V8NAエンジンと、後に最高出力446psの4.4L V8スーパーチャージャー付きエンジンが追加された。
トランスミッションは、MTの設定はなく5速ATと6速ATのみだった。
メタルトップのルーフは、当時のメルセデス・ベンツ SLやレクサス SC(トヨタ ソアラ含む)など、時代の流れに乗っていた。
ちなみに、このルーフ格納システムは、メルセデス・ベンツとポルシェの合弁会社、カー・トップ・システムズ社が開発していた。
コルベットほどのスポーツ性能はなく、レクサスほどの静けさもない。
スタイリングにしても「アート&サイエンス」という、当時のキャデラックの独自性にのっとったまとまり方をしている。
つまりは、キャデラックの個性が追求されていたのだ。
キャデラックとしては初となるレーダー式追従型クルーズコントロールシステムを搭載していたし、ヘッドアップディスプレイは戦闘機のコックピットのようだった。
車内はユーカリウッドとレザーがふんだんに奢られ、シート内蔵を含む9つのスピーカーで構成されるBOSEサウンドシステムを備えていた。
また、メーターまわりやリモコンキーのデザインは、ブルガリと共同というこだわりぶり。
先進性とゴージャスさをミックスすることで、キャデラックの独自路線を打ち出していたのだ。
ただ、GMが経営危機に見舞われたこともあり、2009年で生産が打ち切られ、在庫販売も2010年をもって終了。
以降、GMから2シーターオープンカーは投入されていない。
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