【図説で愛でる劇中車 第18回】カウンタックも激走! カーアクション映画「キャノンボール」シリーズ
カテゴリー: クルマ
タグ: スバル / 三菱 / キャデラック / ダッジ / フェラーリ / ランボルギーニ / スタリオン / カウンタック / レオーネ / 308GTS / 図説で愛でる劇中車 / 遠藤イヅル / c!
2021/02/09
国内外問わず様々な映像作品(アニメも含め!?)に登場したあんな車やこんな車を、イラストレーター遠藤イヅルが愛情たっぷりに図説する不定期連載!
第18回は、1980年代を代表するカーアクション映画「キャノンボール」シリーズから、元祖「キャノンボール」、そして続編の「キャノンボール2」に出てきた印象的な車をご紹介します。
アメリカ大陸横断レースを題材にした映画「キャノンボール」
広大な北米大陸。アメリカの東海岸と西海岸の間は約4000kmもあります。それを車で誰よりも早く横断する競争は、古くは1920年代末から行われていたそうです。
この壮大かつ豪快な「アメリカ大陸横断レース」は “キャノンボール”とも呼ばれ、数々の映画・マンガ・ゲームなどの題材になっています。
中でも1981年公開のアメリカ・香港合作映画「キャノンボール(The Cannonball Run)」は、その代表といえる作品です。
ストーリーはとってもシンプルでもクセが強いキャラクターばかりが登場。彼らは追いかけてくる警察を振り切るため、ありとあらゆるハチャメチャな戦略を繰り出します。
そしてもうひとつの主役である車も、スーパーカーから商用バン、リムジンまでなんでもござれ。キャストも豪華で、なんとフランク・シナトラや、映画「007」のロジャー・ムーアも出演! しかもご本人を使った007のパロディまでありました。
そう、キャノンボールシリーズは、カーアクション映画というよりは、車を使ったコメディ映画なのです。
国内外で好評だったため、1984年には続編の「キャノンボール2(The Cannonball Run II)」が製作されました。
第1作の1年後という設定で、お馴染みのメンバーの他、これまた濃厚な登場人物が参戦して激しい戦いを繰り広げます。
さらに続編として1989年、第3作「キャノンボール3 新しき挑戦者たち(米題はSpeed Zone!)」も上映されましたが、製作会社・キャストが第2作までと変わり、ストーリーの関連性もないため、今回は扱わずに進めたいと思います!
救急車や、オランウータンが運転するリムジンも参戦!?
第1作と第2作の事実上の主人公が、バート・レイノルズが演じる「J.J.マクルーア」と、相棒のビクター(演:ドム・デルイーズ)です。
第1作では、「警察に目をつけられないためには?」と考えた結果、なんと救急車で参戦。しかも道中で、ご丁寧に「患者役」と「医者(いちおう本物)」まで乗せるという念の入りようでした。
救急車は、ダッジのフルサイズバンスポーツマンをベースにしていました。
登場するアメリカ車でさらに印象的だったのが、第1作の途中でリタイアしたメルが、第2作で乗り込むキャデラック フリートウッド75リムジンです。
前席がオープンタイプに改造されており、そこになんとオランウータンを座らせてドライバーにしていました。実際にはリアシートからの運転でしたが、キャノンボールシリーズの「なんでもあり」感がよく出ていました。
ジャッキーチェンが乗る日本車の活躍も見どころ
キャノンボールの2作を、20世紀フォックスとともに製作した香港の会社は、「ゴールデン・ハーベスト」でした。キャノンボールシリーズの第1作と第2作でも、同社映画ではお馴染みのジャッキー・チェンが出演しています。
第1作ではマイケル・ホイとともに日本人という設定(!)で、ハイテク装備を満載したスバル 1600DL(レオーネ)に、第2作では三菱 スタリオンに乗って登場します。
特に黒いスタリオンは、スバル以上のハイテクカーで、車内にTVモニターやコンピューターを装備、アフターバーナーによる猛烈な加速や、水中潜行できる機能までもっていました。
「キャノンボールといえばスタリオン」という人も多いのではないでしょうか。
フェラーリやランボルギーニのスーパーカーが競演!
この他、「キャノンボール」にはGMC シエラC35(ピックアップトラック)や、王家チームが乗るロールスロイスなど、レースカーらしくない車種も数多く参戦しているのですが、スピードを競うレースなので、シンプルに「速い車」ももちろん出てきます。
その中から、今回は、第1作に登場する美女コンビのランボルギーニ カウンタックLP400Sと、同作でニセ神父コンビが乗るフェラーリ 308GTSを描いてみました。
フロントにもウイングを備えた精悍なカウンタックは、同作の象徴的な車として、映画のポスターでもセンターを飾っています。
オープニングでは、トランザムのパトカーを従えて荒涼な景色の中を爆走。快音を立てるカウンタックに、当時小学生だった筆者も興奮しました。
単純明快! 誰にでもオススメできるコメディ映画
全編にわたって貫かれたる軽妙さとコメディタッチ、そして魅力的な車がたくさん登場するキャノンボールシリーズ。
細かいことは気にするな! という単純明快な映画ですので、車好きならずとも、誰でも頭を空っぽにして楽しめる作品になっていると思います。
さらに、2016年頃からキャノンボールの新作が作られるといううわさも立っており、今後の動向からも目が離せません。
新しいキャノンボールではどんな車が出てくるのか、楽しみにして待ちましょう!
イラストレーター/ライター
遠藤イヅル
1971年生まれ。大学卒業後カーデザイン専門学校を経て、メーカー系レース部門のデザイナーとして勤務。その後転職して交通系デザイナーとして働いたのち独立、各種自動車メディアにイラストレーター/ライターとしてコンテンツを寄稿中。特にトラックやバス、商用車、実用的な車を好む。愛車はサーブ900、VWサンタナほか実用的な車ばかり。
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