大味なアメ車から脱却した人気セダン、キャデラック セビル【Back to SEDAN】
2020/09/27
 ▲車好きにとっての終着点。それがセダン。最もオーソドックスなスタイルにして、最もバリエーションが豊富なセダンの中から名車たちを紹介。今回は1990年代のアメリカンセダンを代表するキャデラック セビルを取り上げます
▲車好きにとっての終着点。それがセダン。最もオーソドックスなスタイルにして、最もバリエーションが豊富なセダンの中から名車たちを紹介。今回は1990年代のアメリカンセダンを代表するキャデラック セビルを取り上げますV8ノーススターを味わう最後のチャンス
キャデラックセビルは、1970年代前半のオイルショックののち、メルセデス・ベンツをはじめとする欧州車の台頭、ダウンサイジング化の波を受け、1975年に初代が登場したコンパクトキャデラック。
2代目からはFWD化され、全長も5m以下に短縮された。
日本でその名が広く知られるようになったのは、1992年にデビューした第4世代モデル。
クーペをほうふつとさせるようなワイド&ローに見えるスタイリングで、フロントにはアルミニウムブロックの4.6L V型8気筒エンジン「ノーススター」を搭載。駆動方式はFWDで、トランスミッションは4ATだった。
従来のセビルとは一線を画し、アメリカ車というよりは欧州車のようなスポーティなハンドリングが特徴だった。
当時のゼネラルモーターズのインポーターだったヤナセが、このキャデラックのテレビCMに起用したのがサザンオールスターズの桑田佳祐で、それも大きな話題を呼んだ。
1997年には5世代目へとフルモデルチェンジ。
エクステリアデザインはよりモダンで洗練されたシルエットとなった。また、キャデラックとしては初となる右ハンドルモデルを設定。
V8のノーススターエンジンを受け継ぎながら、ハイテク装備を好むキャデラックらしく毎年のように改良が加えられ、キセノンヘッドライトや可変制御サスペンション、マグネティックライドコントロールなど、数々の先進装備を採用していた。
グレード構成もイヤーモデルよって変わるが、主には「SLS(Seville Luxury Sedan)」と「STS(Seville Touring Sedan)」の2本立てだった。
 
 ▲2004年をもってセビルは約30年の歴史に幕を閉じ、後継車はSTSの名で販売されるようになった。写真は2008年モデルのキャデラック STS
▲2004年をもってセビルは約30年の歴史に幕を閉じ、後継車はSTSの名で販売されるようになった。写真は2008年モデルのキャデラック STSその後は、ドゥビルの後継車だったDTS((DeVille Touring Sedan)と統合されXTSとなるも、2014年をもって販売終了。2016年には、新たにFRのフラッグシップセダンであるCT6が誕生している。
2020年現在、カーセンサーで見つけることができるセビルはほとんどが最終の第5世代モデルだ。
さすがにもう流通量は多くはないが、たまにヤナセの顧客に大切に保管されてきたワンオーナーで走行距離の少ないモデルなども見つかる。
いまがV8のノーススターエンジンを味わう最後のチャンスなのかもしれない。
 
 ▲1998年に登場した5世代目のキャデラック セビル。最終型のボディサイズは全長4995×全幅1905×全高1420mm。304psを発生するV8ノースターエンジン。アイドリング時の静粛性と力強いサウンドが特徴
▲1998年に登場した5世代目のキャデラック セビル。最終型のボディサイズは全長4995×全幅1905×全高1420mm。304psを発生するV8ノースターエンジン。アイドリング時の静粛性と力強いサウンドが特徴 ▲キャデラックのパーソナルセダンらしい高級感のあるインテリア。当時のアメリカ製高級車としては珍しく右ハンドル仕様が設定されていた
▲キャデラックのパーソナルセダンらしい高級感のあるインテリア。当時のアメリカ製高級車としては珍しく右ハンドル仕様が設定されていた ▲写真は人気を集めた4世代目のキャデラック セビル。従来のアメ車とは異なるモダンなスタイルと、俊敏な走りで当初は生産が追いつかないほどの大ヒットとなった
▲写真は人気を集めた4世代目のキャデラック セビル。従来のアメ車とは異なるモダンなスタイルと、俊敏な走りで当初は生産が追いつかないほどの大ヒットとなった【関連リンク】
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