名を捨てて実を取る人なら、きっと気に入るはず!

  • スズキ スプラッシュ フロントスタイル|ちょい乗り試乗
  • スズキ スプラッシュ リアスタイル|ちょい乗り試乗
スズキが欧州から逆輸入するスプラッシュ。その試乗会に行ってきました。スイフトの1.2Lエンジン、シャーシなどを共有する、ヨーロッパ市場を狙ったコンパクトカー。生産はハンガリーのマジャールスズキ社で行われています。

スイフトに比べ、ホイールベースは30mm短い2360mm。全長&全幅はトヨタ ヴィッツよりも小さく、全高でわずかに高いというサイズです。
スプラッシュ:全長3715mm×全幅1680mm ×全高1590mm
ヴィッツ:全長3785mm×全幅1695mm ×全高1520mm

しかし、なのです。いざドアを開けて座ってみると「ボディサイズの割にシートがやけにデカイ」のに気づかされます。考えてみればそうですよね、日本人よりも比較的大きなヨーロッパ人に売る車なのですから。室内の前後左右にみっちり、という感じです。しかも肉厚で、硬めのソファのような。

後席に座ってもその心地よさは変わりません。膝元は十分に余裕があります。しかも肉厚なのに、背もたれを倒すと座面部分がダイブして、倒した背もたれとラゲージがキレイに平らになるところは、日本人的な仕事をしている印象です。
  • スズキ スプラッシュ インパネ|ちょい乗り試乗
  • スズキ スプラッシュ フロントシート|ちょい乗り試乗
  • スズキ スプラッシュ リアシート|ちょい乗り試乗
いざドライブしてみると、日本車とは明らかに違う乗り心地。ドイツ車かのようです。
シートが良いだけでなく、ピッチングや突き上げをうまく抑えているセッティングになっています。このフラットな乗り心地はVWのポロやルポ、さらに言えばオペルに近い感じだね、などと同乗したスタッフと話していたら、実際、オペルにOEM供給もしているそうです。

高速道路でも安定した走りを披露。大人3人が乗ると、上り坂では多少もたもたしますが、十分な性能だと思います。音や振動の押さえ込みもこのクラスとしてはかなりいいです。

1.2LエンジンにCVTの組み合わせは、日本だけ。押すと、うにゅっと出てくるセンタークラスターのカップホルダーも日本仕様のみ。あとは足回りもなにもかも、ヨーロッパ仕様のまま。運転席にはフットレストもあります。このクラスの日本車ではなかなかないことです。
  • スズキ スプラッシュ 後席の折りたたみ|ちょい乗り試乗
  • スズキ スプラッシュ ラゲージ|ちょい乗り試乗
  • スズキ スプラッシュ カップホルダー|ちょい乗り試乗
ボディカラーも鮮やかな色が中心。「スイフトは男性に人気があるので、これは女性に」(スズキの技術者)といわず、できれば男性にも積極的に選んで欲しい一台です。

おそらく、この肉厚なシートやフラットライドな乗り心地は、日本車に乗りなれた方々からは「硬い」と言われてしまうでしょう。しかし、日頃の不摂生で腰や肩がバリバリだった私が証言しましょう、この車ならそれが気にならないと。

価格は軽自動車のターボモデルよりも安い123万9000円。アルミホイールが標準装備で、後席の真ん中の席も3点式シートベルト付きです。名を捨て実を取ることをよしとする人ならば、きっとこの車の魅力がわかってもらえるはずです。
<カーセンサーnetデスク・ぴえいる>