ミニバンなど”便利な道具“に比べてクーペはドアの数が少ないし、室内も狭い しかしこの”美しい道具“には便利な時代に忘れられつつあるものがある それは、本当はみんなが欲しいと願っているはずの”心の豊かさ“だ しかも今ならそれをかなりお買い得で手に入れることができる さあ効率主義の日常に美しいクーペを差し入れて、生活を豊かに変えよう
日産 フェアレディZ(現行型)
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世界中で愛され続ける“Z”のカタチ  初代Z(S30)のロングノーズ&ショートデッキというスタイル、三角形のキャビン。4代目(Z32)からルーフ形状、ハッチバック開口部につながるライン、Cピラー形状。これら世界中で愛された“Z”のカタチを生かしつつ現代のデザイン手法でまとめ上げられた、最新型のZ。間違いなく、あのZが現代に蘇ったことを一目で印象づけるスタイリングだ。   また初代Zをリアルに体験していない者にも訴えかけるシャープかつふくよかな美しいフォルム。凹面を描くサイド上部に対比するかのような前後フェンダーのふくらみ。視覚的に重心を車体中央に集めつつ四隅にタイヤが配置されていて、力強さも感じさせる。   見た目はまさに2人乗りのピュアスポーツカー。さらに、同じFMプラットフォームとなる(まだ現行の)スカイラインクーペよりも、よりスポーツカーテイストを強くした走行性能も与えられている。   200万円以下の中古車は台数こそ多くないが2004年式も見つけられる。MT&AT、グレードも自由に選べる。
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アウディ TTクーペ(旧型:2000〜2006年)
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“ディープインパクト”は今なお衝撃を与え続ける  ロングノーズ&ショートデッキというそれまでの「美しいクーペ」の定石を完全に打ち砕いた。それくらいこのデザインで市販化された時、世界は驚いた。しかも、すぐに広く受け入れられたのだ。   円をモチーフに、横から見るとほぼ“前後対称”となるスタイルは、バウハウス的と言われるようにシンプルで、“走る”という機能が象徴的にデザインされている。まるで何かの塊から無駄をそぎ落としていったら、こうなったかのように。細部にわたりデザインが徹底されているがゆえ、転倒を防止するために追加されたリアスポイラーに対しデザイナーが猛反対したというのはあまりにも有名。つまりそれほど、作り手の魂がこもったデザインだということだ。   現行の2代目よりも、デザインでのインパクトは大きい。またこの車以降のアウディの急進ぶりを見るに、間違いなくエポックメイクな一台と言えるだろう。   2002年式までが100万円台で見つかる。よって、ほとんどが6速MTの1.8T、アウディらしいクワトロとなる。
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日産 スカイラインクーペ(現行:2003年〜)
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名前は一緒でもセダンとは別デザイン
  セダンより75㎜低く、全幅は65㎜ワイドに、全長は35㎜短くなっている。またキャビンが中央にあるように見せるルーフライン、張り出した前後フェンダー、セダンとは形状も表情も異なるヘッドランプ回り…。つまり外観はほぼ別物だと言っていい。スカイラインの名に恥じない走行性能をもつスペシャリティクーペだ。   もうすぐ新型登場が噂される中、100万円台の中古車が増加中。上級グレードの350GTプレミアムも狙えるが、MTは希少だ。
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マツダ RX-7(絶版:1991年〜2002年)
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15年たっても色あせない日本の名デザイン  輸入車にはデザインで勝てないと思われがちな日本車の中で、15年以上も前にデビューしながら今なお美しいスタイルをもつ車の一つ。ロータリーエンジンの恩恵により低く収められたボンネット、そのボンネットより高い位置に曲線が走りタイヤを包み込むなど、全体をしなやかな曲線が覆う。   もちろんピュアな一流スポーツカーだが、流して走るだけでもサマになる。中古車は多く、2002年式まで100万円台で狙える。特別仕様車なども豊富で選ぶ楽しみもある。
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マツダ RX-8(現行:2003年〜)
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美しい4ドアという唯一無二のスタイル  乱暴に言えば、どうやったらRX-7に大人4人を座らせられるかという質問があるとすれば、それに対する回答がこれ。だからこそ生まれた独創的なスタイルなのだ。あくまで筋肉質なスポーツカーで、4人のための空間は見た目にはコンパクトに抑えられている。4ドアだがセンターピラーはない。ふくよかな前後フェンダーが四隅に配置され力強さを感じさせる。   そもそも新車で300万円以下だから、100万円台ではスポーティなタイプSも狙える。
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BMW 3シリーズクーペ(旧型:1999〜2006年)
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セダンと共通部分はわずか3カ所だけ  ボディの大部分が新設計で、セダンと共通する部品はドアハンドル、サイドウインカーランプ、そしてボンネットに輝くBMWのエンブレムだけ。フロントウインドウの傾斜角もセダンより寝かせている。さらに着座位置までセダンと比べて10㎜低い。昨年登場した新型よりクセは少なく、とはいえBMWの現在のデザインテイストにのっているだけに、古くささはほとんど感じない。   100万円台では2003年4月以前のフェイスリフトを受ける前のCiとなる。グレードは1.9Lの318だ。
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アルファロメオ アルファGTV(絶版:1996〜2006年) by アルファロメオ&ピニンファリーナ
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一目であれだ!とわかるアルファのスポーツクーペ  ノーズから、前輪のホイールアーチをまたぎながら、切れ上がっていくサイドライン。フロント4灯。下部へいくほどせり出すテール。どこから見てもアルファGTVとわかるこの独特のスタイルは、ピニンファリーナとアルファデザインセンター(ちなみに当時率いていたのは現在アウディのデザインディレクターであるウォルター・デ・シルヴァ)との共作だ。   100万円台では2002年式まで狙える。2Lターボは100万円以下、3Lは100万から。すべてMTだ。
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オペル アストラクーペ(絶版:2001〜2002年) by ベルトーネ
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このクラスのクーペはかなり希少価値あり  名門ベルトーネが手がけた正当派スタイリッシュクーペ。ベースのアストラはフォルクスワーゲンゴルフやプジョー306あたりとガチンコクラスだが、そう考えるとこのクラスでのクーペは希少であり、実際中古車では台数が少なくホントに希少車。ベース車に対し全高が30㎜低く、重心点も20㎜下げられ、さらに専用のスポーティな足回りを与えられている。おまけにベース車よりねじれ剛性は約50%も高い。   もともと2.2L/右ハンドル/ATの1グレードのみとなる。
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プジョー 406クーペ(旧型:1998〜2006年) by ピニンファリーナ
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今なお人気の高い美しいクーペの代表格  本誌も含め、数多くの媒体で「美しいクーペ」として取り上げられることの多い、ピニンファリーナの作品。フェラーリを顧客にもつ同社だけに、それと同じようなテイストがこの車にある。例えば写真を見ればわかるように、サイドラインのきれいな流れ方、Cピラーのしまい方…そう考えると、フェラーリの半値以下で買えるスペシャリティカーと言えるだろう。   細いフロントライト、それこそF355などミッドシップフェラーリのようにCピラーとリアガラスが角度を違えて別々にリアボディに接地する(こちらは当然あそこまで大きく離さないが)など、外観はベースとなった406セダンとは全く異なる。また走りのテイストも、406セダンも含め他のプジョーがパリの石畳をひらりと走るとするならば、こちらはアメリカ西海岸をクルージングする感じだ。   昨年まではそこそこ中古車の台数があったが、ここ最近は特に減ってきているようだ。100万円台はエアインテークの小さい、デビュー時のデザインモデルとなる。
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フィアット クーペフィアット(絶版:1995〜2002年) by フィアット&ピニンファリーナ
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最強コラボカー?まさにデザインの競演  当時フィアットスタイリングセンターを率いていたクリス・バングルが、名門ピニンファリーナにコンペで勝った作品がこれ。インテリアはピニンファリーナ案が採用となった。その後クリスがBMWに移籍し活躍しているのは周知のとおり。そう考えると、このコラボは相当豪華と言える。サイドに走る2本のラインは、今もBMW Z4などに負けないインパクトがあるなど、見れば見るほど新しさが探せる魅惑の一台だ。   2L(5MT)と2Lターボ(6MT)ともに200万円以下で見つかる。
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Report/ぴえいる工場 Photo/尾形和美
※この記事は、カーセンサー関東版8号(2007年4月12日発売)の特集をWEB用に再構成したものです