【名車への道】’91 フォルクスワーゲン ゴルフGTI
2022/03/27
■これから価値が上がっていくだろうネオクラシックカーの魅力に迫るカーセンサーEDGEの企画【名車への道】
クラシックカー予備軍モデルたちの登場背景、歴史的価値、製法や素材の素晴らしさを自動車テクノロジーライター・松本英雄さんと探っていく!
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。「クルマは50万円以下で買いなさい」など著書も多数。趣味は乗馬。
"内燃機関の国"の名エンジンを積む2代目スポーツハッチ
——今回の車なんですけど、すでに完全な名車なのにまだ取り上げていないモデルにしました。
——オリジナル度、程度の良い名車を探すのはなかなか難しいです……。
——分かりやすい名車はなんとかなりますが、知る人ぞ知る系の名車は……見逃してますね。でも、今回は絶対大丈夫です。フォルクスワーゲンの名車です。
——それはまだ見つかってません! 古い方です。
——そうです。GTIはやってなかったので今回はそれにしました。
——そもそもなんですが、ゴルフⅠにもGTIってあると思うのですが、ゴルフⅡのGTIで良かったですか? やっぱり初代こそが名車の始まりという感じがするんですが……。
——そうか。ⅠとⅡではそこが違うんですね。
——その年代にメカチューンでその内容は凄まじいですね。
——今日の車両はこちらですね。早速ですが基本から教えてください。
——やっぱりそのエンジンが凄かったわけですか?
——そんなに古いってことは元は排気量が小さかったんですか?
——日本ではハイメカツインカムと言われたトヨタのDOHCもバルブの挟み角が狭くてコンパクトさを売りにしていましたよね?
——やっぱり有名なエンジニアが関わってるんですか?
ちなみにゴルフⅡってⅠに比べるとデザイン的に評価が分かれるんだけど、デザインしたのはハーバート・シェーファーっていうデザイナー。板金工からの叩き上げで、その腕はマイスターの称号が与えられていた人なんだよ。立体的な部分を理解したデザイナーで、板金技術に秀でているから生産性にも明るかった。フォルクスワーゲンはゴルフⅡを境に近代化に入っていくことになる。この人もルートヴィヒ・クラウス同様ダイムラーとアウトユニオンで腕を鳴らしてフォルクスワーゲンに貢献した人だね。ゴルフⅡのGTI 16Vは近代化を目指して成功したモデル。まさに名車の裏に天才あり、だね。
フォルクスワーゲン ゴルフGTI
大人気を博した初代ゴルフGTIの正常進化版として1984年に登場した"コンパクトスポーツ"の2世代目。当初は触媒コンバーターの導入により最高出力は107psであったが、1986年に新たな16バルブエンジンを搭載することで129psに。俊敏な走りを復活させている。
▼検索条件
フォルクスワーゲン ゴルフⅡ×全国※カーセンサーEDGE 2022年5月号(2022年3月26日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています