ホンダe Honda e ▲愛らしい顔つきとスッキリしたデザインが、高い評価を得そうなHonda e(ホンダe)には、専用プラットフォームが用いられている。駆動モーターはリア、バッテリーは床下に搭載されている

注目の電動コンパクトハッチ

2020年夏から欧州で販売が始まり、同年末までに国内でも発売されるHonda e(以下、ホンダe)は、EV専用車として開発してきたコンパクトカーだ。

シンプルかつ、モダンなデザインは早くも高い評価を獲得。ドアミラーの代わりにカメラが設置され、空力特性の向上に貢献する、格納式ドアハンドルが用いられるなど、デザインだけで選びたくなる1台に仕上がっている。

ホンダe Honda e▲フロントマスクに呼応して、リアにも円形ランプとブラック仕上げのガーニッシュが配されている。コンポーネントの構造上、ラゲージ床面は高めに設計か
ホンダe Honda e▲カフェを思わせる木目が、インパネとセンターコンソールに配されて、質感の高いイメージが演出される。メーターパネルを含めて、ワイドに情報が表示されるディスプレイ画面が目を引く。ボタン式シフトセレクターと電動パーキングブレーキにも注目

先進性を感じるインテリア

コックピットには、8.8インチのメーターパネルと、2個の12.3インチ画面が並び、インフォテイメントなど、各種情報がワイドに表示される。フリックすれば画面ごとに入れ替えることができ、運転席と助手席で異なるアプリを同時に使うことも可能だ。

停車中は、大画面を生かしてインターネットや映像を見ることもできる。「OK!ホンダ」と呼びかけて、パーソナルアシスタントを立ち上げれば、音声で機能を操作したり、知りたい情報を得られる。

オーディオには、総出力180Wの6スピーカーユニットが備わるが、75Wのサブウーファーを含む、376Wの本格的な内容にアップグレード可。

ホンダe Honda e▲充電ボードは、ノーズ上面に配備。急速充電を使えば、35.5kWhのリチウムイオン電池を30分で80%まで充電できる

専用プラットフォームで、後輪がモーターを駆動

専用開発されたEVプラットフォームは、VWと同じく後輪がモーター駆動する方式で、前後重量配分は50対50、重心高は500mmに設計されている。

新型フィット同様、可変ギアレシオが用いられステアリングのロックtoロックは3.1回転、最小回転半径は4.3mに抑えられている。

欧州仕様には、0-100km/h発進加速タイム8.3秒の154psモデルと、同9.0秒でこなす136psモデルの2種類が用意されている。いずれも最大トルクは315N・mとなる。

床下に収納されるリチウムイオン電池は、35.5kWhで、満充電時の航続距離は、WLTPモードで222km(17インチタイヤ装着車は210km)だ。電動系ならではのワンペダル運転が可能だという。
 

北米向けEVをGMと開発

ホンダは、GMとのコラボで、先方のプラットフォームを使って、2車種のEVを共同開発していく旨を4月3日に発表した。内外装は、ホンダオリジナルのデザインに仕立てられ、走り味にもホンダ独自のチューンが施される。

一方、ホンダは2019年夏のイベントで、新しいEVアーキテクチャーの開発を進めている旨を公言した。ホンダeと同じ後輪駆動ながら、前輪にもモーターを加えて、4WD化したり車体の長さと幅に自由度をもたせる前提で設計。

Dセグメント級のセダンやSUVにも対応でき、2025年までに実用化する意向を示した。ホンダeのコンポーネントより大きく、まったく別モノとしてすみ分けを図っていくようだ。

※2020年5月22日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2020年12月
■全長×全幅×全高:3895×1750×1510(mm)
■搭載エンジン:電気モーター
 

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、ホンダ