ロードスターが大集結する「軽井沢ミーティング」で、オーナーのリアルな声を集めてみた【初代・NA型編】
2019/06/22
初代・NA型って何が魅力なの!?
「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネス記録をもっているほど、全世界のユーザーに愛されているマツダ ロードスター。
5月26日に開催された日本最大級のロードスターオンリー・イベントである「軽井沢ミーティング」にもたくさんのオーナーが参加していました。
誕生から30周年となるロードスターですが、その全世代がいまだに愛され、中古車の流通も豊富。今乗っているオーナーさんたちは、どんなロードスターとどんな時間を過ごしているのか、聞いてきました!
~聞いてみたこと~
①購入した時期は?
②いくらで購入したの?
③購入の際にチェックしたところ
④今までに起こったトラブルや悩み
⑤マイ・ロードスターの気に入っているところ
まずは、初代・NA型ロードスター編です。これから同じ型を買おうと思っている人の参考にもなりそうなリアルな声、ぜひご覧ください!
赤の89年式ロードスターに乗る「イワイ」さん
①購入した時期は?:2018年夏
②いくらで購入したの?:42万円
③購入の際にチェックしたところ:ボディのサビの状態
④今までに起こったトラブルや悩み:エアコンが効かなくて幌がない
⑤マイ・ロードスターの気に入っているところ:赤いボディ
購入ルートはなんとネットオークション。出品者が栃木だったため、現車確認なしでの購入だったとのこと(イワイさんは岐阜在住)。
ボディにサビがないことを入念に確認して購入したということで程度は良好。
ただ、年式的にもエアコンが鬼門のようで、コンプレッサーがNGなので早く直したいのと、購入時からハードトップ仕様で幌一式が外されていたので、オープン走行をまだ体験していないというのが悩みだそうです。
白の96年式ロードスターに乗る「改発」さん
①購入した時期は?:1996年
②いくらで購入したの?:新車時価格(新車購入)
③購入の際にチェックしたところ:FRで楽しい車か
④今までに起こったトラブルや悩み:特にノントラブル
⑤マイ・ロードスターの気に入っているところ:手作業で磨いたエンジン部品
すでに32万kmを走破したという改発さんのNAロードスターは、新車で購入したワンオーナー車。
15万kmほど走ったところでオイル消費が増えたためエンジンのオーバーホールを実施したそうですが、それ以外は大きなトラブルらしいトラブルもない丈夫さが魅力だそうです。
自慢のポイントは半年かけて手作業で磨き上げたヘッドカバーとサージタンク。
磨いているときはスペアがなかったので車に乗ることができなかったということですが、それだけに手磨きとは思えない仕上がりです。
今回の軽井沢ミーティングはお子さんと参加でしたが、ゆくゆくは子供に譲りたいですか? と聞いたところ、「ずっと自分で乗っていたい」と答えるほどドハマりしている様子でした。
青の94年式ロードスターに乗る「タニダ」さん
①購入した時期は?:2018年
②いくらで購入したの?:22万円
③購入の際にチェックしたところ:ボディの状態
④今までに起こったトラブルや悩み:エンジン不調、エアコンのガス漏れ
⑤マイ・ロードスターの気に入っているところ:希少な純正色
20歳にして2台目のNAロードスターというタニダさん。
諸事情で廃車になった1台目からパーツを移植するためのベース車としてこの車を入手したそうです。
そのため、一番重視したのはボディの程度。パーツは交換すれば直りますが、ボディそのものが傷んでいるものは修復が大変ということが大きな理由だとか。
トラブルは一度デスビが壊れてエンジンが不調になったことと、エアコンのガス漏れ程度とのこと。
このあたりはロードスターだからというよりは、車種問わず経年劣化によるトラブルが出やすいポイントかもしれません。
赤い91年式ロードスターに乗る「HIRO」さん
①購入した時期は?:2006年
②いくらで購入したの?:39万円
③購入の際にチェックしたところ:オリジナルの状態かどうか
④今までに起こったトラブルや悩み:年式が古いので劣化してくる(でもその車の歴史だから良し)
⑤マイ・ロードスターの気に入っているところ:フルノーマルであること
まるでカタログからそのまま出てきたようなフルオリジナル状態を維持しているHIROさんのロードスター。
聞けば5台目のNAロードスターだそうで、平成4年に新車のNAロードスターを購入し、その時々の事情で手放すも、やはりNAロードスターが恋しくなって買い直すということを繰り返しての5台目とのこと。
経年でヤレた部分も含めてこの車両の歴史だと思うという言葉が印象的でした。
NAロードスターはフルノーマルの状態で乗っていても十二分に楽しく、低い速度でいつもの交差点を曲がるだけでも思わず顔がほころんでしまうとHIROさんは話してくれました。
なので、もしこれからNAロードスターを購入しようとしているのであれば、なるべくノーマルに近いものを探し、乗っていくうえで不満を感じた部分に手を入れていくことが長く楽しむ秘訣とのことです。
さらにデビューから一番新しいものでも20年以上が経過したモデルだけに、見た目の程度だけで判断せずに、できればNAロードスターに乗っている人と見に行くといいというアドバイスも。
過去の整備歴が重要なので、メンテナンスの履歴がしっかり残っている個体であればなおよしだそうですよ。
以上、4名の方に話を伺いましたが、どなたも熱い思いをもった人ばかりでしたね。
デビューから30年という決して新しくない車ですが、若い方から熟練のオーナーまで幅広い層に愛されているNA型。
ノーマルで乗るのもよし、自分好みにチューンして乗るのもよしと懐の広さもロードスターのよさのひとつ。
電装系の経年劣化など、20年超の車両として仕方ない部分もありますが、特別大きなトラブルもなく乗れてしまうのもうれしいところといえるでしょう。
万が一大きなトラブルが発生したとしても、初代モデルはメーカーがレストアプロジェクトを立ち上げたおかげで部品の供給状態もよいので、部品の心配が要らないという点もメリットといえそうです。
ただ、多くのNAオーナーが言っていたように、ボディそのものの程度には注意が必要。外側の傷や凹みなどはいくらでも修理が利きますが、内部が腐食しているようだと大掛かりな作業が必要となってしまいます。
特に幌とボディの隙間に入り込んだ雨水を輩出する水の通り道がゴミなどでふさがってしまうと、水が本来入らない場所に入ってしまい、そこからサビが進行することも。
そのサビがボディ表面に見えてくるころには内側は悲惨な状態になっていることも少なくないようです。場所でいうとサイドシルの後端、リアタイヤ前方のパネルのあたりが腐食しやすいそうですよ。
もし自分で判断ができない場合は知見をもった人を連れて行くか、お店の人にボディの状態について質問し、キチンと教えてもらえばOKです。知識の豊富な専門店などで話を聞くのもいいのではないでしょうか。
「NAが欲しい!」という人はぜひ自分にピッタリな1台を見つけてみてくださいね!
次回はNBロードスターのオーナーに話を聞いた模様をお届けします! こうご期待!!
自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。
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