意外と相場がカブってる現行&旧型ゴルフ。さて、買うならどっちだ?
2017/04/14
手頃なのは当然旧型だが、「もうひと声」で現行型もイケてしまう
今や「欧州車だから素晴らしい、国産車だからイマイチ」みたいな話は完全にナンセンスです。しかし、それでもあなたが今「そろそろやっぱ欧州車に乗り替えてみたいなぁ……」とお考えであった場合、選ぶべきエントリーモデル(入門車)は何でしょうか?
候補となるべき車種は星の数ほどあるわけですが、「最初はやっぱコレじゃないすか?」と強く思うのが、欧州車界の大定番といえるフォルクスワーゲン ゴルフです。
BMWやアウディみたいな「華」には若干欠けるかもしれないゴルフですが、そこにはいかにもドイツ車らしい硬質なたたずまいと抜群の走行安定性があり、そして輸入車のなかではかなりポピュラーな車種だけあって、メンテナンスや部品供給の体制にも不安がなく、中古車相場もお手頃……ということで、欧州車の世界に飛び込んでみるうえでのエントリーモデルとしては、やはり最適に近い選択なのです。
1974年に登場したモデルから2013年登場の現行型まで、フォルクスワーゲン ゴルフは今のところ7世代にわたるモデルの中古車が、世の中に広く流通しています。あえて30年以上前のクラシカルなモデルを選ぶのもマニアックでステキですが、実際の使い勝手や整備の容易さなどから考えると、現行の第7世代(通称ゴルフ7)か、1つ前の第6世代(通称ゴルフ6)を選ぶのが入門車としては得策でしょう。
で、実は現行ゴルフ7と旧型ゴルフ6の中古車相場は今、意外と接近しています。
走行3万km台までの修復歴なし車という「たぶんそんなに手間がかからなそう」な物件に絞ったうえで両者の相場を見ると、旧型ゴルフ6の狙い目ゾーンが本体価格70万~90万円付近であるのに対し、現行ゴルフ7のそれは100万~140万円ぐらい。もちろん現行型の方が高めなわけですが、「近いっちゃ近い」という状況なのです。……これはけっこう迷うかもしれません。
ということで以下、現行ゴルフ7と旧型ゴルフ6それぞれの特徴やラインナップなどを詳細に、しかしなるべくわかりやすく比較検討してみることにしましょう。
低走行&お手頃な旧型を狙うならこの3グレード
まず旧型のゴルフ6です。ごくシンプルなものからかなりスポーティなものまで、いろいろなグレードがあるゴルフ6ですが、「車両価格70万~90万円/走行4万km以下」で考える場合は、ざっくりなグレード解説で恐縮ですが、選べる対象は以下の各グレードになると思ってください。
●TSI トレンドライン:1.2Lターボ(最高出力105ps)/7速DSG
●TSI トレンドライン ブルーモーションテクノロジー:上記のアイドリングストップ機構付き
●TSI トレンドライン プレミアムエディション:TSIトレンドラインのエンジンと装備を少々改良
●TSI コンフォートライン:1.4Lターボ(最高出力122ps)/7速DSG
●TSI ハイライン:1.4Lターボ+スーパーチャージャー(最高出力160ps)/7速DSG
韋駄天のように(?)速く、そして装備も何かと充実している車が好きな人には、やはり上記のなかでは最強となる「TSI ハイライン」がハマると思います。ただし流通量は少なめで、年式もちょい古めの09年式が中心になってしまうのですが。
中庸をいきたい人は、ほどほどなパワーがあって、ほどほどに装備もいい「TSI コンフォートライン」でしょう。こちらは流通量も豊富で選びやすく、年式的にも10年式が中心となっています。
極力新しめの年式が好ましいのであれば、1.2Lターボの「TSI トレンドライン」およびその派生モデルがオススメとなります。これであれば11~12年式が流通の中心です。排気量1.2Lということで「動力性能的にショボいのでは?」と思うかもしれませんが、新開発のこのエンジンは1.8L自然吸気エンジン並みのトルクを発揮しますので、意外と活発というか、多くの人は不満をほぼ感じないはずです。
+αの予算が出せるならやはり魅力的な現行型
ということで、自分の好みや使い方に合致したものでさえあれば、どれを選んでもたぶん大いに満足できるだろう旧型ゴルフ6ですが、「でもあとちょっとだけお金を足せば、現行型が買えるのか……」と思うと、そちらが気になってしまう人も多いはず。実際、車としての総合力は、より新しい設計である現行ゴルフ7が上であることは間違いないですしね。
では車両価格100万~140万円付近で買える現行ゴルフ7の状況とグレードごとの個性はどうなっているのか、見てみましょう。
まず現行ゴルフ7は、DSGというツインクラッチ式変速器の信頼性が向上した点が大きなポイントです。それに加えて全体の設計が(当たり前ですが)とにかく旧型と比べて新しく、そしてミリ波レーダーを使ったアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)などが採用されている点も高評価です。
そのうえで「車両価格100万~140万円/走行4万km以下」で狙えるグレードを見てみますと、検討可能となるのは以下の各グレードです。
●TSI トレンドライン:1.2Lターボ(最高出力105ps)/7速DSG/ACCはオプション
●TSI コンフォートライン:1.2Lターボ(最高出力105ps)/7速DSG/レーンキープアシストはオプション
●TSIハイライン:1.4Lターボ(最高出力140ps)/気筒休止機構/7速DSG/ほぼ全部盛り
エンジンパワーに余裕があるだけでなく、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の他にレーンキープアシスト(車線を読み取ってステアリング制御を行う機構)も標準装備される1.4LのTSI ハイラインは、やはり魅力的です。しかしこちらは100万~140万円の範囲内ですと低走行物件はかなり希少。車両価格160万~180万円ぐらいは見ておかないと、おそらく探しにくいでしょう。
そうなると1.2Lターボ同士であるTSI トレンドラインかTSI コンフォートラインかの二択になるわけですが、両車の違いは前述したACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が標準装備か否かという点に加え、コーナリング/フォグランプおよびリアビューカメラ、コンフォートシートの有無、そしてホイールサイズです(トレンドラインが15インチでコンフォートラインは16インチ)。
装備に関しては「趣味の問題」という面も強いので、あえてシンプルなTSI トレンドラインの方が「往年のゴルフっぽくてシブい」というマニアックな見方もあるかもしれません。しかし普通に考えるなら、リアビューカメラなどが備わるTSI トレンドラインの方がやはりオススメではあります。ですが車両100万~140万円のTSI コンフォートラインは、同価格帯のTSI トレンドラインと比べると流通量がやや少なめですので、決め打ちで探すのは少し難しいかも。現実的には「グレードよりも程度を重視」という姿勢で、ピンときた個体をグレードにこだわらず買うのがベストかもしれませんね。
現行ゴルフ7と旧型ゴルフ6、どちらを選んでも基本的には満足できるはずですので、「絶対に○○の方がイイ!」というのは特にありません。予算に余裕があればもちろん現行ゴルフ7を選ぶに越したことはありませんが、かなりしっかりメンテナンスされてきた旧型ゴルフ6と巡り合うことができたなら、それを車両価格フタケタ万円で買うのもなかなかオツです。対象となるグレードが多いためややかけ足になってしまいましたが、以上の話を参考に、「最初のゴルフ選び」を楽しんでいただけましたら幸いです。
【関連リンク】
▼検索条件
フォルクスワーゲン ゴルフ(現行 ゴルフ7)×走行4万km以下×本体価格100万~140万円×修復歴なし▼検索条件
フォルクスワーゲン ゴルフ(旧型 ゴルフ6)×走行4万km以下×本体価格70万~90万円×修復歴なし日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
あわせて読みたい
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 小沢コージが自動車界の勇者・救世主を探すべく「激レア変態車」の取引現場、白金の魔窟を直撃!【カーセンサーニッチ】
- 【試乗】フォルクスワーゲン ゴルフGTI(7代目・最終モデル)|世代交代直前まで行われた改良でなめらかなフィーリングに
- 愉快! 痛快! ハッチバックをもう一度。【カーセンサーEDGE 6月号】
- フォルクスワーゲン ゴルフの過激な「R」シリーズが、総額200万円以下で狙える!
- 【試乗】新型フォルクスワーゲン T-Roc|スポーツハッチをドライブしている感覚にもなるSUV
- カーセンサー最新号はネオクラ特集! ということで、ヘリテージカーの祭典『オートモビル カウンシル』をのぞいてきた
- 【徹底解剖】ぜんぜん古くさくないのにめっちゃお得! 中古車のうまみたっぷりなフォルクスワーゲン ゴルフ6
- 【2021年版】子育て世代にオススメ! 総額100万円&150万円以下でお得に狙えるスライドドア付きミニバン10選
- 日本でも盛り上がり始めたツーリングカーレース‘‘TCR”に注目せよ【EDGE MOTORSPORTS】