【試乗】新型フォルクスワーゲン T-Roc|スポーツハッチをドライブしている感覚にもなるSUV
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
2021/04/23
ゴルフ7のプラットフォームを用いたSUV
フォルクスワーゲン(以下、VW)が送り出すコンパクトSUV T-Rocは、同社のティグアンとT-Crossの中間に位置するモデル。
2012年から採用したモジュラープラットフォーム「MQB」を採用して2017年より生産されている。日本では2020年7月より発売された。
このプラットフォームは先代ゴルフ(ゴルフ7)と共用であることもあり、ゴルフ7同様の大きさのまま、スタイリッシュにして背が高くなった感じだ。
見た目はSUVらしくフェンダーを大きくし、それを強調するためにサイドのグラスエリアは小さくしたデザイン。VWが力強いイメージを与えるためのデザインをよく心得ていることが見て取れる。
VWでは鉄板のディーゼル+DSG
今回試乗したモデルは、T-Rocの中でもR-Lineという、タイヤサイズも大きい、シャープな走りを演出した仕様となっている。ちなみに、VWの広報担当いわく、R-Lineは兄貴分のティグアンでも人気のある仕様とのことだ。
エンジンは2Lターボディーゼルで、VWはTDIと名付けてブランドを確立したディーゼルのコンポーネントである。
それにお馴染みの7速DSGのトランスミッションが装着されている。DSGはダイレクト・シフト・ギアボックスの略であり、おさらいすると、ATだが伝達効率が高く、ダイレクトなシフトフィールが身上のVWが世界に広めた方式でもある。
VWらしい精度の高さを一層感じる
では、このコンパクトクーペSUVを早速試乗しよう。
VWはとにかくプレスや組み付けの精度が高いが、このモデルはエクステリアの張りつめた鋼板が、金属の塊のような印象をより感じさせる。実際にドアの開け閉めをすると、一層精度の高さを感じることができる。
インテリアのデザインはコンサバティブだが、素材はすばらしく、隙がない。
軽やかでダイレクトなセッティング
エンジンを始動すると、同じエンジンを使ったティグアンよりも若干大きくキャビンに伝わる音と振動は否めない。
Dレンジに入れてスタートだ。驚くほど加速がいい。ガソリンモデルの同様のトルクをもったエンジンと比較しても、TDIのこの2Lディーゼルはパンチがある。ダイレクトなトランスミッションと相まって、スイスイとスポーティに走らせられる。
走行モードはエコ、ノーマル、スポーツにプラスしてカスタムのセッティングがあるが、ノーマルで試乗する。動きは軽やかで、ハンドリングもSUVにしてはダイレクト。ボディを実際以上に小さく感じさせるようなセッティングだ。
スポーツハッチをドライブしている感覚にもなるSUV
最低地上高も高いので、日常ある道の段差も気にしなくていい。コンパクトなクーペSUVだけあって、正確なステアリングと硬めのサスペンションが、スポーティな走行を可能にする。それどころか、粘り強くレスポンスの良いトルキーなユニットで、スポーツハッチをドライブしている感覚にさえなる。
SUVとしてはグラスエリアを小さくしたキャビンで、見た目にもシャープに走行している印象に映ることだろう。
乗り心地は、弟分のT-Crossよりは重厚感がありながらも足回りはハード、兄貴分のティグアンよりはスポーツ志向が高い、そんなモデルだ。
アクティブな人向きの都会派クーペSUVと言えるだろう。
【試乗車 諸元・スペック表】
●TDI Rライン ディーゼルターボ
型式 | 3DA-A1DFF | 最小回転半径 | 5m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.25m×1.83m×1.59m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.59m |
ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | 1.54m/1.54m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1430kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | -m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ラヴェンナブルーメタリック、ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト、インジウムグレーメタリック、ホワイトシルバーメタリック |
||
オプション色 |
- |
||
掲載コメント |
- |
エンジン型式 | DFF | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 50リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 19.5km/L |
総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) |
18.6km/L
└市街地:14.9km/L └郊外:18.5km/L └高速:21km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 150ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
340(34.7)/3000 |
型式 | 3DA-A1DFF |
---|---|
駆動方式 | FF |
ドア数 | 5 |
ミッション | 7AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ラヴェンナブルーメタリック、ディープブラックパールエフェクト、ピュアホワイト、インジウムグレーメタリック、ホワイトシルバーメタリック |
オプション色 | - |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5m |
全長×全幅× 全高 |
4.25m×1.83m×1.59m |
ホイール ベース |
2.59m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.54m/1.54m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1430kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | -m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | DFF |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 150ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
340(34.7)/3000 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 50リットル |
燃費(JC08モード) | 19.5km/L |
燃費(WLTCモード) | 18.6km/L
└市街地:14.9km/L └郊外: 18.5km/L └高速: 21km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
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