アウディA4|伊達セレクション
例えば写真上のアウディ A4も「イヤーモデル」により年々変化しているため、厳密には最新モデルと3年落ちモデルでは細部が異なる。が、ざっくり言ってしまえば乗り味もご近所さん的な「軍事プレゼンス」も、そう大きな違いはない。それは、今や旧型となった写真下のE90型 BMW 3シリーズにおいてもそうだ。また、ある程度距離を走った物件のほうがかえって調子が良いというのも往々にしてある話。
BMW3シリーズ|伊達セレクション
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財産も美貌も持ち合わせない40代男性の無茶な結婚願望

過日、40代後半で未婚の友人(♂)がわたしに結婚願望をもらした。それは別に良いのだが、「お相手は絶対に20代がいい!」と言って譲らないのには困った。身の程知らずとはこのことである。いや、30代以上の女性が悪いと言っているわけでは決してなく、モノには相場というかお似合いというか、そういったものがあるでしょ!という話だ。

こと輸入車探しにおいても、似たようなことは言える。

山ほどのお金をお持ちなら新車を買えばいいし、準お金持ちであれば、新車に近い年式の認定中古車を探せばいい。が、「お金はない。しかし新車に限りなく近い輸入中古車が欲しい」という人は、前述の友人同様の「かなりの無理筋を言っている」という自覚を持つべきだ。

そういったケースでは年式にこだわらず、やや古めの、いわば魅力的な大人の女性のような物件のなかから「当たり」を厳選するのが、本来は正解だ。しかし、そういう人に限って「ボクは古い年式はちょっと……」などと寝言を言いだす。もう勝手にしてくれ!という感じだが、実は、抜け道がないでもない。

それは「3年落ちの走行5万km以上」に的を絞ってみるという手法だ。

車は古くなることで逆に新しくなるのです?

ご存じのとおり走行距離というのは年間8000kmあたりが一般的で、中古車の査定もおおむねそこが基準のひとつとなる。つまり、初回車検を機に手放された「3年落ちのほぼ現行モデル」であれば、走行3万km前後がいわば偏差値50で、そこから様々な条件に基づいてプラス査定またはマイナス査定がされる。

で、修復歴や内外装の極端な荒れといった超マイナスポイントのほかに、結構なポイントとなるのが「走行5万kmの壁」だ。3年間で5万km以上走ったからといって実際は何が問題なわけでもないのだが、主にイメージの面で商品力がグッと落ちるため、査定額は低くなる。そして結果として販売価格も、同じ3年落ちの3万km前後の車と比べてずいぶん安めとなるのだ。

「安いということは品質もそれなりなんでしょ?」と思うかもしれない。実際、そういう個体もある。しかし「長い距離を走る」ということは決して悪いことばかりではなく、むしろ良い面もあるのだ。

まず第一に、1回あたりの走行距離&時間がおそらくは長かったため、頻繁な乗り降りはしていなかったはず。ということは、運転席シート表皮などが傷みにくい。また車というのは頻繁なストップ&ゴーを繰り返すよりも、ズバッと長い距離をイッキに走ったほうが得てして調子が良くなるものだ。

しかし長い距離を走れば当然、消耗部品にはガタがくる。ガタがきても無視してそのままにする人もたまにいるが、マトモな感覚とそれなりの金銭を持った人間であれば休日などにディーラーに持って行き、部品交換を依頼しただろう。つまり、距離を走ったことで逆に「新しくなっている」のだ。

もちろん上記はすべて「可能性」の話であり、まったくこれに当てはまらない「ただボロいだけの5万km物件」というのもあるだろう。が、どうしても比較的低予算で新世代モデルを狙いたいのであれば、そこに賭けてみる価値は十分以上にあると、経験から強く断言したい。

……で、これと似たような理屈を人間の女性に置き換えたうえで、件の友人に話してやろうと思っているのだが、彼が聞く耳を持つかどうかはわからない。

それはさておき、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
3年落ちで5万km以上走っている物件群に掘り出しモノ存在の可能性大?


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE