BMWコンセプト・アクティブ・ツアラー|伊達セレクション
写真上は明日から開催されるパリモーターショーにBMWが出展するプラグインHV「コンセプト・アクティブ・ツアラー」。フロントに「横置き」される新開発1.5L直3ターボで前輪を駆動し、モーターで後輪を駆動する。横置きだ縦置きだとこだわるのは一部の自動車マニアだけであるのは承知だが、人生、そんな「こだわり」を無意味と言ってしまったらつまらないじゃないか。とことん「縦置き/FR」にこだわるのも価値ある姿勢です。世間が何と言おうとも!
BMW3シリーズ|伊達セレクション
●伊達軍曹公式サイト「伊達軍曹.com」
http://www.sgt-date.com

BMWよ、お前もか!

今、世界中の車バカの間に激震が走っている。それは「あのBMWがついに『エンジン横置き+FF』の車を発表!」という“事件”に対する激震だ。

BMWは、前後の重量バランスが取りやすく、ドライブシャフトも左右同じ長さにできるためハンドリングに好影響を与える「エンジン縦置き」にこだわってきた。が、明日からのパリモーターショーに出展される「コンセプト・アクティブ・ツアラー」のエンジンは、ついにありふれた「横置き」に! その事実に対して、冒頭のとおり世界中の車バカたちが「アイゴー! BMWよお前もか!」とばかりに嘆いているのだ。

とはいえ、BMWのエンジンが横向きに置かれようが縦方向に配置されようが世間の9割は無関心なわけで、試しに近所のオバチャンに「すみません、アナタのお車、エンジンはやっぱり横置きですか?」などと聞いたところで、「エンジン? エンジンは横じゃなくて『前』でしょ?」ぐらいの返答になるのが関の山だ。不肖わたしがラグビーの専門用語をまったく知らないのと同じように、わたしどものような一部の車好き以外にとって、車の細かいメカニズムなど本当にどうでもいいことなのだ。

あなたが宝と思うなら、縦置き+FRは間違いなく宝です

ということで、エンジンの置き方や駆動方式なんかにこだわるのはアホで、そんなことは一切気にせずに車を選びましょう…という内容に本稿がなると思ったら大間違いで、その真逆である。こだわりたいならとことんこだわるべし! エンジン縦置き? 最高じゃないですか! FR? それこそ車の中の車だよ!

無論、わたしのような車変態の微妙な価値観など、近所のおばちゃんにはまったくわかってもらえぬだろう。でも、それでいいのだ。人は結局「自分の思い込み」の中で生きるほかなく、自分が見ている風景を他者と100%共有することなど絶対にできない。ということは、もしもあなたが「縦置きサイコー! FRサイコー!」と心底思うならば、それは本当に最高であり、代替不能な「宝」なのである。人が何を言おうと、そこには何の影響も及ぼさない。そして、もしもBMWの車が横置き+FFだらけになってしまったら、我ら世界中の車バカは共に大声で泣こうじゃないか。

だが、心配は無用だ。「コンセプト・アクティブ・ツアラー」はあくまでもBMWとしてはレアなプラグイン・ハイブリッド車で、しかもそのコンセプトモデルに過ぎないのだから。ていうかそもそも、わたしどもの眼前には「エンジン縦置き+FRレイアウト」という素晴らしい素姓をもつBMWのユーズドカーが、それこそ売るほどあるのだから。

ということで、今回の伊達セレクションはずばりこちら。
男は(女も)黙ってエンジン縦置き+FR!


文・伊達軍曹 text/Sergeant DATE