▲「アダムとイブ」の物語は、天地創造が描かれた旧約聖書の『創世記』に記されている。神は土から自らに似せた人「アダム」を創り、「イブ」は「アダム」の肋骨から創られたとされている
▲「アダムとイブ」の物語は、天地創造が描かれた旧約聖書の『創世記』に記されている。神は土から自らに似せた人「アダム」を創り、「イブ」は「アダム」の肋骨から創られたとされている

エデンの園の住んでいたアダムとイブ

毎回、いろんな人やキャラクターにオススメしたい車を考えているこの企画。今回は、最初の最初に立ち返ってみた。そう、旧約聖書に記された最初の人間、「アダムとイブ」にオススメの1台だ。

キリスト教徒ならば誰もが知る「アダムとイブ」の物語だが、多くの日本人はその名は知っていても、詳細な内容までは把握していないかもしれない。

「アダムとイブ」が住んでいるのはエデンの園。泉が水をたたえ美しい花が咲き、鳥がさえずる。そして、果実を宿す様々な樹が植えられた地上の楽園だ。

その楽園の真ん中にあるのが、「命の樹」と「善悪を知る樹(知恵の樹)」。「アダムとイブ」は神から、どの果実を食べても良いが、善悪を知る樹(知恵の樹)の実だけは食べてはならぬ、と戒められる。

「食べちゃダメ」と言われると、食べたくなるよねー

そこに現れたのが旧約聖書に「最も狡猾」と記された蛇。蛇はイブに「禁断の果実、食べちゃいなよ」とそそのかす。「知恵の実を食べたら、神と同じ知恵を手に入れられるんだ。でも、それだと神、困っちゃうだろう。だから、食べちゃダメって言ってるんだぜ」

蛇の言うことに納得したイブは、ついに禁断の実をガブリ。美味い。ということで、アダムにも食べさせた。しかし、悪いことはバレるもので、神様は大激怒。

▲通説でリンゴとして広まった禁断の実。しかし、イチジクの実であるという説もある。そもそも、旧約聖書には「リンゴ=知恵の実」とは記されていない
▲通説でリンゴとして広まった禁断の実。しかし、イチジクの実であるという説もある。そもそも、旧約聖書には「リンゴ=知恵の実」とは記されていない

まず蛇に「すべての獣の中で最も呪われろ。で、腹で這って歩いて、塵を食っておけ」ときつい一言。そしてイブに「子供を産むときに苦痛を与えてやる。そんな苦痛があるのになお夫を慕うだろう。でも、夫は女を支配するぞ」と恐ろしいことを告げる。

最後はアダムに、「一生、苦しんで地から食物を取るだろう。額に汗してパンを食べろ。あと、寿命を設けるからいつか死ぬよ」と冷酷な通知。あー、我々がこんなに頑張って働いてるのは、これが原因か……。かくして、「アダムとイブ」は楽園であるエデンの園を去ることになる。これがいわゆる「失楽園」だ。

「Apple Car」が実現化したらぜひオススメしたいけど…

さて、こんな「アダムとイブ」にオススメしたい1台はなんだろうか。蛇つながりで『光岡 大蛇(オロチ)』なども考えたが、よく考えたら、蛇のせいで散々な目に遭っているので、『オロチ』なんかオススメしたら、がちギレされてしまうだろう。

▲コンセプトは「ファッションスーパーカー」。RPで成型されたボディは、のたうち回る大蛇のように有機的な曲面のワイド&ローデザインが特徴。2016年1月12日時点での掲載台数は1台のみ
▲コンセプトは「ファッションスーパーカー」。RPで成型されたボディは、のたうち回る大蛇のように有機的な曲面のワイド&ローデザインが特徴。2016年1月12日時点での掲載台数は1台のみ

では、「禁断の実」から考えてみてはどうだろう。諸説あるが、「禁断の実」はリンゴ(Apple)だったともいわれている。そういえば、「Apple Inc.」も『Apple Car』の発売を見据えて開発を進めているというまことしやかな噂もある。しかし、こちらもまだまだ先の話で、オススメはできない。

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光岡 オロチ(初代)×全国

知恵の実を食べたから「インテリジェンス」な1台をオススメしたい

ん、「知恵の実」…。知恵=intelligence(インテリジェンス)。車でインテリジェンスといえば、M・ベンツの『S500 INTELLIGENT DRIVE』だろう。まるで車が知性を宿したかのように、レーンをキープしたり道の凹凸を察知して揺れを抑えたり、追従運転により高速走行の疲れを軽減したりしてくれる。

将来的には自動運転も視野に入れており、『S500 INTELLIGENT DRIVE』のリサーチカーではあるが、すでに一般道路で約100kmの自動運転を成し遂げている。特筆すべきは、この快挙が新型Eクラスや新型Sクラスにすでに搭載されている技術に非常に類似した、量産段階に近い技術を用いて成し遂げられた点。まさに、「知恵の実」を食べて進化した車のようではないか。

▲現行型のSクラスは2013年デビュー。M・ベンツのフラッグシップセダンで、新時代の高級車像を目指した1台とされる。2016年1月12日時点での掲載台数は約250台。平均価格は約1050万円、平均走行距離は約5千km
▲現行型のSクラスは2013年デビュー。M・ベンツのフラッグシップセダンで、新時代の高級車像を目指した1台とされる。2016年1月12日時点での掲載台数は約250台。平均価格は約1050万円、平均走行距離は約5千km

それに、M・ベンツといえば、世界で初めてガソリン自動車を生み出した自動車ブランド。最初の人間「アダムとイブ」と重なる部分もある。ということで、「アダムとイブ」にオススメしたい1台は『Sクラス』に決定。その乗り心地はまさに楽園なので、きっと穏やかな日々を思い出してご満悦だろう。

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メルセデス・ベンツ Sクラス(6代目)×全国
text/コージー林田
photo/PIXTA