軽自動車 車中泊

車中泊の人気が高まる昨今、軽自動車で車中泊を楽しむユーザーも増えた。しかし、「軽自動車で快適に車中泊なんてできるの?」と疑問に思う方もいるはず。

結論から言うなら、自分のスタイルに合った車種を選べば、軽自動車でも十分に快適に車中泊できる。むしろ、軽自動車こそ車中泊に適している面もある。

そこでこの記事では、車中泊向きの軽自動車の選び方とオススメ車種、さらには車中泊するときのポイントや便利グッズを紹介しよう!
 

 

目次

 

軽自動車で車中泊するメリットは?

日本独自の規格である軽自動車には素晴らしい点がたくさんある。中でも、車中泊を前提に考えると以下が主なメリット。乗用車、キャンピングカーと比べながら見ていこう!

購入費用、維持費が安い
これは乗用車とキャンピングカーのどちらに対しても有利な点。購入費用は一概に言えないが、中古車ならリーズナブルな物件を見つけられる。特筆すべきは維持費の安さで、例えば自動車税はリッターサイズのコンパクトカーが年2万9500円~なのに対して、軽自動車は一律で年1万800円と約3分の1で済む。

キャンピングカー(8ナンバー)は同じ排気量の乗用車より2割自動車税が安くなるが、軽自動車のリーズナブルさにはかなわない。車検費用や保険料などの費用も、ほとんどが乗用車とキャンピングカーよりリーズナブルだ。

駐車する場所に困らない
これも乗用車とキャンピングカー、どちらと比べても言えること。車中泊では「混雑している」「車を止められるスペースが狭い」などの理由で、駐車できる車のサイズが限られることがある。車中泊したいフィールドまでの道が狭いときも、ミニマルな軽自動車なら安心だ!

普段の生活でも便利に使える
これはキャンピングカーに対して優れている点。車中泊専用の車を持てる人はおそらく少数派で、多くの人は買い物や通勤など普段使いと兼用だろう。経済的で小回りが利く軽自動車は、街中を走るのにもってこい。最近の軽自動車は広々としており、安全装備も充実しているのもうれしい。
 

軽自動車の寸法図▲便利なスライドドアを標準装備するなど、軽自動車は日々進化している
 

軽自動車で車中泊するデメリットは?

メリットに対してデメリットは意外に少ない。車中泊に求めるスタイルによっては、デメリットに感じないことも!

就寝できるスペースが限られる
車体サイズに制約のある軽自動車は、どうしても車内空間が狭い。これはキャンピングカーに対してはもちろん、乗用車と比べても明らかなウイークポイント。だが、ソロ~2名までの車中泊なら、車内が広い軽自動車であれば十分に対応可能。荷物を置いておくスペースが足りない場合も、収納グッズの活用などで対策できる。

パワーが足りない
これは主に乗用車に対するデメリットだ。ただ、この点についても、パワフルなターボ車を選べば必要十分。峠道などでは自然吸気エンジンのコンパクトカーより、軽ターボ車の方が速かったりする。なお、乗り心地についても、最近では乗用車に迫る水準のものが増えてきた。
 

軽自動車のインテリア▲最近は軽自動車でも後席の居住空間や座り心地を重視した車が多い
 

車中泊に向いた軽自動車の選び方・ポイント

一口に軽自動車と言っても、ボディサイズや機能は様々。下記4つのポイントに注目しながら、自分の車中泊スタイルにあった車種を選ぼう!

【1】車内のキャパシティ
快適に休めることを最優先するなら、車内空間(室内サイズ)が広いことは絶対条件。特に、室内長は自分の身長+荷物の積載スペースを基準として重点的にチェックしよう。

【2】シートアレンジ・シートの作り
アレンジの多彩さよりも、フラットにできるか否かに注目。「フルフラット」といわれる車種でも、実際には寝床面が凸凹していることがあるので要注意!
 

軽バンの荷室床面▲N-VANのように完全に平らな寝床を作れるのは、実はレアケース

【3】快適装備
アクセサリー電源の数や荷室内の装備も確かめたいポイント。カタログに記載されていても「実はオプション装備だった……」ということがないように、特に中古車購入の際には実車で確認すること。
 

荷室のユースフルナット▲フックなどを取り付けられるユースフルナットがあれば、好みの仕様にカスタムしやすい

【4】燃費性能
キャンプやアウトドアのために長距離移動するシーンが多い車中泊。経済性が優れているに越したことはないだろう。中古車の場合、生産された年代によって燃費測定モードが異なるため、単純比較できないので要注意。最新のWLTCモードは最も実燃費に近いといわれており、JC08モードで計測した燃費の8~9割程度になるのが通例だ。


それではこれから、車中泊にオススメの軽自動車を紹介していこう! まずは新車でも購入できる乗用モデル、次に商用モデル、最後に中古でしか買えない絶版モデルの順だ。
 

 

車中泊にオススメの軽自動車(乗用モデル)10選

車中泊するのにピッタリな車種を、現行型の軽乗用車からセレクト。スーパーハイトワゴンからクロスオーバーSUV、4WDモデルまでより取り見取り!
 

 

【オススメ軽自動車1】ダイハツ タント ファンクロス(4代目・現行型)

タント ファンクロス▲通常のタントより全高が20~30mmアップされ、頼もしい印象となった外観

スーパーハイトワゴンのジャンルを確立したタントをSUVテイストに変更したモデル。ファンクロスは4代目タントに2022年10月に追加された。外観には専用デザインのフロントグリルやバンパーを採用。シルバーアンダーガーニッシュやルーフレールも装備される。
 

タント ファンクロスの車内▲前席シートバックを後倒しして、後席座面とフラットにすることも可能

助手席側ピラーレスとなるミラクルオープンドア、両側パワースライドドアなどの機構はタントそのままだ。しかし、シート生地には防水加工されたカモフラージュ柄が採用されている。シートは完全なフラットにこそならない。ただ、助手席を前倒、後席シートバックを後倒しすれば、大人1名が足を伸ばして寝られるスペースを確保できる。
 

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ダイハツ タント ファンクロス(現行型) × 全国

【現行型タント ファンクロスの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1785~1805mm
■室内サイズ:室内長2125mm×室内幅1350mm×室内高1370mm
■最高出力:47kW(64ps)/6400rpm(ターボ)
■最大トルク:100N・m(10.2kgf・m)/3600rpm(ターボ)
■燃費(WLTCモード):18.2~21.9km/L
■新車価格帯:172.2万~193.1万円
■中古車価格帯:159.8万~235.8万円

 

【オススメ軽自動車2】ダイハツ タフト(2代目・現行型)

タフト▲タイヤがボディの四隅に配置されているから、ちょっとした悪路でも安心

ミニサイズのSUVとして2020年6月にデビューしたタフト。外観はアプローチアングルやデパーチャーアングルなどを大きくとって、ワイルドに仕上げられている。アウトドアフィールドに出かけたくなるルックスだ。
 

タフトの車内▲ボクシーなスタイルゆえ車内空間は意外に広い

車内空間の広さはスーパーハイトワゴンに及ばないものの、シートアレンジが秀逸。前席シートバックを後倒し、後席シートバックを前倒しすれば、大人2人が真っすぐ寝られるスペースが出現する。リアゲート側に頭を向けて寝れば、上半身側の寝床はフラットになる。足元側にクッションを置くなどの工夫で、快適に車中泊できるだろう。
 

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ダイハツ タフト(現行型) × 全国

【現行型タフトの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1630mm
■室内サイズ:室内長2050mm×室内幅1305mm×室内高1270mm
■最高出力:47kW(64ps)/6400rpm(ターボ)
■最大トルク:100N・m(10.2kgf・m)/3600 rpm(ターボ)
■燃費(WLTCモード):18.2~21.4km/L
■新車価格帯:132万~180.4万円
■中古車価格帯:98万~228万円

 

【オススメ軽自動車3】ダイハツ ムーヴ キャンバス(2代目・現行型)

ムーヴ キャンバス▲外観はノスタルジックなイメージの「ストライプス」と、クロームパーツなどを配した「セオリー」の2本立て

小さなバスのようなルックスのムーヴ キャンバスだが、ハイトワゴンとしての実力は折り紙付き。両側パワースライドドアなどの便利装備はもちろん、後席下に“ついたて”付きの収納ボックスを用意するなど、ユーティリティ性能にも自信あり。ダッシュボード手前全体がトレイのようになっていて、ちょっとした食べ物や飲み物を置ける作りは、車中泊のときにも重宝するだろう。
 

ムーヴ キャンバスの車内▲居心地のよさを追求してデザインされた車内空間

前席シートバックを後方に倒し後席座面とフラット化できる。身長170cm程度の人までは足を伸ばして寝られる。シートのクッションに厚みがあり、かつ平坦な形状なので寝心地は悪くないだろう。初代ではフラットにならなかったことを考えると、現行型である2代目は大きく進歩している。
 

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ダイハツ ムーヴ キャンバス(現行型) × 全国

【現行型ムーヴ キャンバスの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1655~1675mm
■室内サイズ:室内長2180mm×室内幅1345mm×室内高1275mm
■最高出力:38kW(52ps)/6900rpm(NA車)
■最大トルク:60N・m(6.1kgf・m)/3600rpm(NA車)
■燃費(WLTCモード):18.2~22.9km/L
■新車価格帯:149.6万~192万円
■中古車価格帯:128.8万~258万円

 

【オススメ軽自動車4】ホンダ N-BOX(2代目・現行型)

N-BOX▲現行型2代目N-BOXが登場したのは2017年だが、変わらずの人気

2代目N-BOX は2022年新車販売台数で第1位、軽自動車販売台数で8年連続第1位と大人気。その魅力は、ホンダ独自の低床化技術による車内空間だ。軽スーパーハイトワゴン界でもトップクラスの広さを誇っている。しかも、背の高さに反して重心が低いので、走行安定性も決して悪くない。
 

N-BOXの車内▲助手席、後席は大きくスライドする。様々なシートアレンジが可能だ

シートアレンジの多彩さも際立っている。例えば、後席座面を跳ね上げれば、140cmの室内高を実現。これほど高さがあれば、着替えたりするのも楽だろう。後席はワンタッチでダイブダウンし、荷室とフラットになる。大人1名なら斜めに寝られるだろう。さらに前席シートバックを後倒せば、やや凸凹ではあるものの、身長178m(ホンダによる実測)までの大人が真っすぐ寝られる空間となる。車中泊においても優等生と言える。
 

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ホンダ N-BOX(現行型) × 全国

【現行型N-BOXの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1790-1815mm
■室内サイズ:室内長2060-2240mm×室内幅1350mm×室内高1400mm
■最高出力:47kW(64ps)/6000rpm(ターボ)
■最大トルク:104N・m(10.6kgf・m)/2600 rpm(ターボ)
■燃費(WLTCモード):19.8~21.2km/L
■新車価格帯:144.7万~225.3万円
■中古車価格帯:41.9万~358万円

 

【オススメ軽自動車5】三菱 eKクロス(初代・現行型)

ekクロス▲SUVライクな迫力あるルックスがeKクロスの魅力

eKワゴンにSUVテイストを加えたモデル。三菱のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」が採用されたフロントマスクは、同社のデリカD:5をイメージさせる。フェンダーアーチモールを未塗装の樹脂とするなど、アウトドアでも気兼ねなく使える仕様としている。
 

ekクロスの車内▲シート表皮はファブリックの他、合成皮革+ファブリックもオプションで用意される

ハイトワゴンなので車内空間は限られている。しかし、助手席を前倒し、後席シートバックを後倒しすれば大人が横になれる空間を作れる。クッションなどでデコボコを解消すれば、1名なら快適に休めるだろう。
 

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三菱 eKクロス(現行型) × 全国

【現行型eKクロスの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1650~1670mm
■室内サイズ:室内長2065mm×室内幅1340mm×室内高1270mm
■最高出力:47kW(64ps)/5600rpm(ターボ)
■最大トルク:100N・m(10.2kgf・m)/2400~4000rpm(ターボ)
■燃費(WLTCモード):21.1~23.3km/L
■新車価格帯:160.6万~188.1万円
■中古車価格帯:88.8万~186.8万円

 

【オススメ軽自動車6】スズキ エブリイワゴン(3代目・現行型)

エブリイワゴン▲エブリイワゴンはエンジンを前席下に搭載するキャブオーバー型だ

軽商用車であるエブリイの軽乗用車版。エブリイの優れた積載性はほぼそのままに、快適性と質感が向上している。フロントノーズが短く、車内空間が広いこと、標準ルーフの他にハイルーフがラインナップされていることがエブリイワゴンの強みだ。2015年の登場だが、先進安全装備も年々強化。現在は「スズキ セーフティ サポート」が標準装備となったのもうれしい。
 

エブリイワゴンの車内▲スクエアで広大な車内空間はエブリイ譲り

後席シートバックを前に倒すだけで、簡単に奥行き190cm以上のフラットな空間を確保。さらに前席シートバックを前に倒せば平坦な床面が車内全体に拡がる。まさに車中泊するために作られたような軽自動車だ。また、専用マットなどのアフターパーツが豊富なのもポイントだ。
 

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スズキ エブリイワゴン(現行型) × 全国

【現行型エブリイワゴンの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1910mm(ハイルーフ)
■室内サイズ:室内長2240mm×室内幅1355mm×室内高1420mm(ハイルーフ)
■最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
■最大トルク:95N・m(9.7kgf・m)/3000rpm
■燃費(WLTCモード):13.3km/L
■新車価格帯:169.5万~208.9万円
■中古車価格帯:54万~399.7万円

 

【オススメ軽自動車7】スズキ スペーシア(2代目・現行型)

スペーシア▲スペーシアは全車マイルドハイブリッドを採用する

かわいらしい印象のスペーシアだが、車内の使い勝手も優秀だ。フロアが低く、天井が高い車内空間は軽バンに迫るサイズ。前席シートバックを後方に倒すことで連続する空間を作ることができる。加えて、安全装備も燃費性能も優秀。ノーマルモデルのスペーシアには自然吸気エンジンしかないので、パワーを求める人はターボ車が設定されるスペーシア カスタムを選ぼう。
 

スペーシアの車内▲シート下など至る所に小物入れがあるスペーシアの車内

一方で、後席シートバックの前倒しは不可能。床面はかなり凸凹しているので体を伸ばして休むのも難しい。そこで、車中泊時には助手席側座面を前に倒し、空いたスペースにシートバックを格納する「長尺物積載モード」をオススメしたい。これなら、少しの段差をならすだけで大人1名が快適に寝られるはず。
 

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スズキ スペーシア(現行型) × 全国

【現行型スペーシアの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm
■室内サイズ:室内長2155mm×室内幅1345mm×室内高1410mm
■最高出力:38kW(52ps)/6500rpm
■最大トルク:60N・m(6.1kgf・m)/4000rpm
■燃費(WLTCモード):19.2~22.2km/L
■新車価格帯:139.5万~200.6万円
■中古車価格帯:33.8万~296万円

 

【オススメ軽自動車8】スズキ スペーシアギア(2代目・現行型)

スペーシアギアの車内▲流行のSUV風外観となるスペーシアギア。ルーフレールも装備される

スペーシアをアウトドア風なルックスに仕上げたスペーシアギア。車内のデザインや基本的な寸法などもスペーシアと同じだ。しかし、全席撥水加工のシート生地や防汚タイプラゲージフロアを採用するなど、アクティブに遊べる仕様としている。キャビン後方にアクセサリー電源が2ヵ所も用意されているのは美点だ。
 

スペーシアギアの車内▲カラーや質感を変え、道具感が演出されたインテリア

シートアレンジについてもスペーシアと同様となっている。少し休憩するだけなら、前席のヘッドレストを外し、シートバックを後倒しするだけでOK。上半身を起こした姿勢にはなるが、ベンチシートなので大人2名+子供がくつろげるスペースが生まれる。一方で、しっかり休むなら助手席側の「長尺物積載モード」が◎。身長185cm(スズキ調べ)の大人1名が真っすぐに寝られるスペースとなる。
 

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スズキ スペーシアギア(現行型) × 全国

【現行型スペーシアギアの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1800mm
■室内サイズ:室内長2155mm×室内幅1345mm×室内高1410mm
■最高出力:38kW(52ps)/6500rpm
■最大トルク:60N・m(6.1kgf・m)/4000rpm
■燃費(WLTCモード):19.2~21.2km/L
■新車価格帯:172.6万~192.3万円
■中古車価格帯:87.5万~294万円

 

【オススメ軽自動車9】スズキ ジムニー(4代目・現行型)

ジムニー▲無骨なルックスでアウトドア気分がアップ。ボクシーな車体は車内空間の確保にも効果があった

ジムニーで車中泊なんて……と先入観で決めるなかれ。実は、前席シートバックを後倒し、後席シートバックを前倒しすると、奥行き185cm×幅130cmものスクエアな空間が生まれる。もちろん、それだけでは凸凹があるので対策が必要。「厚めのマットを敷く」「ベッド板を自作する」などの工夫次第で、大人2名でも車中泊できる。
 

ジムニーの車内▲後席の座り心地も決して悪くない。従来型から大きく進歩した点だ

もっとも2ドアであるため乗り降りが不便な点、小物入れが少ない点など、車内空間よりも悪路走破性を重視しているがゆえの不利な点はある。しかし、数少ない軽本格四駆として自然の奥深くまで入っていける機動力は、他の軽には真似のできない芸当。ジムニーでしか実現できない車中泊の世界があるはずだ。
 

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スズキ ジムニー(現行型) × 全国

【現行型ジムニーの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1725mm
■室内サイズ:室内長1795mm×室内幅1300mm×室内高1200mm
■最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
■最大トルク:96N・m(9.8kgf・m)/3500rpm
■燃費(WLTCモード):14.3~16.6km/L
■新車価格帯:168.2万~190.3万円
■中古車価格帯:149.8万~500 万円

 

【オススメ軽自動車10】スズキ ハスラー(2代目・現行型)

ハスラー▲現行型2代目は2020年のデビュー。デザインは従来型のキープコンセプトだ

丸いヘッドライトにスクエアなボディ。現行型ではインテリアのデザインにもこだわった。そうしたデザイン性が注目されがちだが、ハスラーの真価はスーパーハイトワゴンとSUVをクロスオーバーさせたこと。ヒップポイントが高めのドライビングポジションは見晴らしが良く、長距離運転も苦にならない。
 

ハスラーの車内▲ホイールベースを長く取ったことで、後席足元の空間にも余裕がある

使い勝手も優秀。助手席側のみとなるが、寝かせた前席と倒した後席シートバックの段差を少なくした作りなどは、まさに車中泊向きだ。ラゲージ床下にはアンダーボックスがあり、汚れた靴などをしまっておくのに重宝するはず。また、軽乗用車にしては珍しく、ユーティリティナットが6ヵ所も備わっているのもポイント。フックなどを簡単に装着できるので便利だ。
 

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スズキ ハスラー(現行型) × 全国

【現行型ハスラーの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1680mm
■室内サイズ:室内長2215mm×室内幅1330mm×室内高1270mm
■最高出力:47kW(64ps)/6000rpm(ターボ車)
■最大トルク:98N・m(10.0kgf・m)/3000rpm(ターボ車)
■燃費(WLTCモード):20.8~25km/L
■新車価格帯:138.7万~183.4万円
■中古車価格帯:77.6万~298.8万円

 

車中泊にオススメの軽自動車(商用モデル)4選

軽商用車いわゆる「軽バン」は、車中泊にぴったりな車種が多い。荷物の積載を最優先とした車内、目的ごとにカスタマムしやすい作りは、車中泊に目的を置き換えても好条件だ!
 

 

【オススメ軽商用車1】ホンダ N-VAN(初代・現行型)

N-VAN▲他のスーパーハイトワゴンと同じように、エンジンは車体前方に搭載される

N-VANはN-BOXのプラットフォームを使った軽バン。助手席側はピラーレスになっていて、ボディ側面が大きく開く。助手席はダイブダウンする構造になっており、簡単な操作で荷室床面とフラットになる。
 

N-VANの車内▲簡単な操作でフラット化できるシートだが、運転席は可倒しない

助手席ダイブダウン時に生まれる長さ2635mmの広大な空間は、車中泊でも大いに役立つ。商用車であるにも関わらず、アクセサリー電源やUSBソケットが充実しているのも長所。通常グレードの装備内容は比較的簡素なので、乗用車的な内装を求める人、ターボ車のパワーが欲しい人は「+スタイル ファン」グレードを選ぼう。
 

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ホンダ N-VAN(現行型) × 全国

【現行型N-VANの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1945-1960mm
■荷室最大サイズ:長さ1510 mm(左)/1330mm(右)×幅1390mm×高さ1365mm
■最高出力:39kW(53ps)/6800rpm(NA車)
■最大トルク:65N・m(6.4kgf・m)/4800rpm(NA車)
■燃費(WLTCモード):17~19.8km/L
■新車価格帯:127.6万~187.2万円
■中古車価格帯:45.5万~359万円

 

【オススメ軽商用車2】スズキ スペーシアベース(初代・現行型)

スペーシアベース▲外観からは商用車であることを全く感じさせない

スペーシアベースは運送などのビジネスユースではなく、プライベートユースに的を絞って開発された軽バン。それゆえ車内空間の広さより、様々なシーンに対応できる使い勝手の良さを優先している。
 

スペーシアベースの車内▲マルチボードは水平に設置するだけでなく、垂直に立てて車内空間を区切ることも可能

特に注目したいのは荷室にあるマルチボード。ボードを上段に設置すればデスク、中段に設置すれば荷物を上下に分ける棚、そして下段に設置すれば寝かせた前席と面一に! 車中泊でも活躍するはずだ。また、助手席側だけでなく、運転席側も広くフラットにできるのもアドバンテージ。DIYしたり社外ベッドキットを購入したりせずとも、そのまま簡易キャンパーとして使えるだろう。
 

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スズキ スペーシアベース(現行型) × 全国

【現行型スペーシアベースの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm
■荷室最大サイズ:長さ1205 mm×幅1265mm×高さ1220mm
■最高出力:38kW(52ps)/6500rpm
■最大トルク:60N・m(6.1kgf・m)/4000rpm
■燃費(WLTCモード):19.9~21.2km/L
■新車価格帯:151.8万~154.8円
■中古車価格帯:128.8万~229万円

 

【オススメ軽商用車3】スズキ エブリイ(6代目・現行型)

エブリイ▲軽キャンパーへの架装でも圧倒的な人気車種のエブリイ

エブリイは1980年代から続く歴史の長い軽バン。現行型は2015年に登場した。フロントタイヤを前方に移動したことで従来型よりホイールベースが拡大。荷室と居住空間に余裕がもたらされている。車内全体の広さは、さすがの一言。後席シートバックを前倒するだけで、長さ1955mm×幅1385mm×高さ1240mmものフラットな寝床を作れる。
 

エブリイの車内▲5速MT車、5AGS車ともにインパネシフトを採用し、前席足元の空間を確保

床面の内装材が薄く、壁面も一部鉄板むき出しの部分があるのは商用車ゆえ仕方のないところ。そうは言っても、わずかな手間で快適な車中泊仕様にすることも可能だ。なお、後席パワーウインドウが装備されるのは「ジョイン」という上級グレードのみ。ただ、手動式にはエンジンを切っていても開閉操作できるという利点もある。
 

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スズキ エブリイ(現行型) × 全国

【現行型スズキ エブリイの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1895mm
■荷室最大サイズ:長さ1910mm×幅1385mm×高さ1240mm
■最高出力:36kW(49ps)/6200rpm
■最大トルク:60N・m(6.1kgf・m)/4000rpm
■燃費(WLTCモード):14.6~17.2km/L
■新車価格帯:111.5万~189.9万円
■中古車価格帯:12.5万~487.3万円

 

【オススメ軽商用車4】ダイハツ アトレー(6代目・現行型)

アトレー▲通常のバン仕様に加え、荷室部分がキャビンから独立したデッキバン仕様も存在する

全体的なフォルムはボクシーなまま、メッキパーツなどで豪華な外観となった6代目アトレー。商用車としてのアトレーは2001年にいったん生産終了し、その後は乗用車となっていたが、2021年に登場した6代目で復活を果たした。
 

アトレーの車内▲商用車ゆえに後席は簡素な作り。簡単に畳めるのが良い

後席を倒すだけで奥行き1820cm以上のフラットな空間を作れるのはエブリイ同様。助手席を前倒することはできないが、1410mmという車内幅は軽トップクラスだ。リアドアのガラスはポップアップ式でエンジンをかけなくても開閉できるのが利点だ。さらに荷室には、フックなどを装着できるユースフルナットが17ヵ所も設置され、様々な用途に使える。車中泊仕様にカスタマイズする際にも役立つだろう。
 

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ダイハツ アトレー(現行型) × 全国

【現行型アトレーの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1890mm
■荷室最大サイズ:長さ1820mm×幅1410mm×高さ1215mm
■最高出力:36kW(49ps)/6200rpm
■最大トルク:60N・m(6.1kgf・m)/4000rpm
■燃費(WLTCモード):14.7km/L
■新車価格帯:167.2万~171.6万円
■中古車価格帯:129.8万~373.8万円

 

車中泊にオススメの軽自動車(お得な絶版モデル)6選

今や生産終了している車種の中にも、車中泊に適しているモデルはある。中古でリーズナブルに購入し、浮いた費用でカスタムしたり、アイテムを揃えたりするのも賢い選択肢のひとつ!
 

 

【オススメ絶版車1】ダイハツ ウェイク(初代)

ウェイク▲タントとは異なり、ピラーのある両側スライドドアを採用

ウェイクは、2014年から2022年まで生産。1代限りで生産終了してしまったことを惜しむユーザーは少なくない。背が高くスクエアな車体による車内の広さは、現行車種と比べてもトップレベルだ。
 

ウェイクの車内▲頭上空間に余裕があるのもウェイクの美点だ

シートアレンジも実に多彩。運転席助手席のシートバックを後ろに倒す「ロングソファーモード」、そこから後席シートバックを前倒する「フルフラットモード」、さらに助手席シートバックを前方に畳んで長尺物を積載できるモードなどが用意されている。助手席背面を倒したときにテーブルとして使えるのも車中泊で便利。今なら中古車でコンディションの良い物件を見つけることも可能だ。
 

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ダイハツ ウェイク(初代) × 全国

【初代ウェイクの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1835mm
■室内サイズ:室内長2215mm×室内幅1345mm×室内高1455mm
■最高出力:38kW(52ps)/6800rpm(NA車)
■最大トルク:60N・m(6.1kgf・m)/5200rpm(NA車)
■燃費(WLTCモード):16.1~17.4km/L
■中古車価格帯:39.8万~236.5 万円

 

【オススメ絶版車2】ダイハツ ハイゼットカーゴ(2代目)

ハイゼットカーゴ▲郵便局の車などでもお馴染みの顔。2017年11月のマイナーチェンジで外観デザインが変更された

2代目ハイゼットカーゴは2004年から2021年まで生産されたモデル。約17年という生産期間は歴代ハイゼットの中で最も長寿だった。このモデルのトピックは、それまでトラックと共通だったプラットフォームをカーゴ専用にしたこと。また、リアサスをリーフスプリングからコイルスプリングとすることで、乗り心地を大きく改善している。
 

ハイゼットカーゴの車内▲アンダートレイを用意するなど、収納スペースも十分。車内をカスタマイズしやすいことも魅力だ

車内は出っ張りが少なく、大容量の荷室、大開口のスライドドア&バックドアを採用。優れた積載性能が実現されている。当然、こうした特長は車中泊においても有利だ。ボディは標準ルーフとハイルーフの2タイプが用意された。なお、「ハイゼットカーゴ」という名称になってからは2代目だが、「ハイゼット」としては10代目にあたる。
 

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ダイハツ ハイゼットカーゴ(2代目) × 全国

【2代目ハイゼットカーゴの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1890mm
■荷室最大サイズ:長さ1860mm×幅1315mm×高さ1115mm
■最高出力:33kW(45ps)/5900rpm
■最大トルク:57N・m(5.8kgf・m)/3600rpm
■燃費(WLTCモード):13.7~15.2km/L
■中古車価格帯:11.8万~28.8 万円

 

【オススメ絶版車3】スズキ ジムニー(3代目)

ジムニー▲ジムニーは伝統的なラダーフレーム構造の四駆。2ドアのみのラインナップだ

現行型が2018年に登場してからもオフロード好きには3代目のファンも多い。角の取れたフォルムや電子デバイスに頼らないシンプルな作りは、悪路を走るうえで合理的。ギア感あふれるルックスも、車中泊にオススメする理由だ。
 

ジムニーの車内▲エンジンを縦置きする駆動系レイアウトのため、車内空間はどうしても狭くなる

渓流釣りなどの趣味で、車中泊するユーザーは決して少なくない。しかし、車内の広さについてはスーパーハイトワゴンなどと比べるべくもない。一般的な軽ハッチバック+アルファというのが実情だ。そのため、折り畳んだ助手席+後席背面+荷室の上に自作のベッドなどを架装。少しでも快適に寝られるようにと工夫しているユーザーが多い。そういう意味では、DIYも車中泊する楽しみのひとつと言えるだろう。
 

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スズキ ジムニー(3代目) × 全国

【3代目ジムニーの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1680-1715mm
■室内サイズ:室内長1660mm×室内幅1220mm×室内高1210mm
■最高出力:47kW(64ps)/6200rpm(NA車)
■最大トルク:103N・m(10.5kgf・m)/3500rpm(NA車)
■燃費(JC08モード):13.6~14.6km/L
■中古車価格帯:18.5万~238万円

 

【オススメ絶版車4】スズキ エブリイ(5代目)

エブリイ▲「GA」グレードが標準ルーフ仕様、「PA」グレードがハイルーフ仕様となる

5代目エブリイは2005~2015年という長きにわたって生産されたモデル。トピックは全車インパネシフトが採用され、前席から後席へのウォークスルーを可能としたことだ。自然吸気エンジンに加え、上級グレードの「ジョイン」にはターボエンジンも用意されていた。
 

エブリイの車内▲グレードによっては電動スライドドア、電動ステップなどの快適装備も設定された

「仕事の道具」をコンセプトに開発された車内は、現行モデルと比べても遜色のない使い勝手。特に、このモデルから採用された助手席前倒し機構は車中泊でも便利に使える。
 

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スズキ エブリイ(5代目) × 全国

【5代目エブリイの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1875mm
■荷室最大サイズ:長さ1700mm×幅1360mm×高さ1195mm
■最高出力:49kW(36ps)/5800rpm
■最大トルク:63N・m(6.2kgf・m)/4000rpm
■燃費(JC08モード):13.8~16.4km/L
■中古車価格帯:88万~142.3万円

 

【オススメ絶版車5】ホンダ N-BOX+(初代)

N-BOX+▲全長などのボディサイズ、デザインは初代N-BOXとほぼ一緒

初代N-BOXの後席を簡素にし、荷室床面もスロープ状にして積載性を高めたのがN-BOX+。この仕様を実現するため、ホンダはパワートレインを新設計するほど力を注いだ。元々は車椅子仕様とする予定だったが、生産台数を確保するために趣味のギアを積載するユーザーにまで対象を広げた経緯がある。
 

N-BOX+の車内▲荷室にマルチボードを設置すると、下部に荷物をしまっておける大きな空間ができる

通常のN-BOXより荷室長が280mmほど長く、後席のシートクッションが薄いため、荷室の使い勝手が抜群に良い。大小3枚のボードも標準装備。これによって前席から荷室まで広大でフラットな空間を作れる。車中泊を目的に中古車を選ぶなら、N-BOX +はぜひ選択肢に入れたい!
 

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ホンダ N-BOX+(初代) × 全国

【初代N-BOX+の注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1780mm
■室内サイズ:室内長1885mm×室内幅1350mm×室内高1400mm
■最高出力:58kW(43ps)/7300rpm(NA車)
■最大トルク:66N・m(6.5kgf・m)/4700rpm(NA車)
■燃費(JC08モード):18.8~24.4km/L
■中古車価格帯:14.8万~269万円

 

【オススメ絶版車6】スバル サンバー(6代目)

サンバー▲2009年に外観が大きく変更され、立体的な造形となった

現在はダイハツ ハイゼットのOEMモデルとなったサンバーだが、2世代前の6代目まではスバルが自社生産していた。エンジンをキャビン後方に配置し、後輪を駆動するRRの駆動系レイアウトはフルキャブオーバー型と呼ばれ、車内空間を確保するのに有利。実は、6代目の方が後に登場した7代目より荷室サイズは若干広い。
 

サンバーの車内▲RRゆえフロントノーズが短く、シートポジションも必要以上に高くない

2000年以前に開発された車なので装備は簡素だが、その分、カスタムしがいもある。自然吸気エンジンの他にスーパーチャージャー仕様もあり、RR独特の走りも楽しめる。刺激的な走りと車中泊の両方を楽しみたい人は、「農道のポルシェ」ともいわれたスバル製のサンバーを検討してみるのも一案だ。
 

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スバル サンバー(6代目) × 全国

【6代目サンバーの注目データ】
■ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1815-1905mm
■荷室最大サイズ:長さ1875mm×幅1320mm×高さ1220mm
■最高出力:35kW(48ps)/6400rpm(NA車)
■最大トルク:58N・m(5.9kgf・m)/3200rpm(NA車)
■燃費(10・15モード):14.8~16.8km/L
■中古車価格帯:15.8万~254.8万円

 

車中泊するときの注意点は?

車中泊時に注意したいポイントは、軽自動車も乗用車も共通。注意を怠ると生命にかかわるリスクがあることも理解しておこう!

エコノミークラス症候群に気をつける
エコノミークラス症候群は、食事や水分を十分に取らない状態で長時間座り、足を動かさないことによる血行不良によって引き起こされ、血栓が肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがある。車中泊するときは血行を良くすること。例えば、「ときどき軽い体操をする」「十分に水分を取る」「アルコール、喫煙を控える」「ゆったりとした服装に着替える」「ときどきマッサージする」「眠るときは足を上げる」などを心がけよう。

一酸化炭素中毒に注意する
深い雪が積もっている場所に駐車すると、マフラーが雪で詰まるリスクがある。そうなると、マフラーから排気ガスが車内に逆流。一酸化炭素中毒に陥る危険がある。一酸化炭素は無色・無臭で侵入しても気づきにくい。雪以外にも何らかの要因でマフラーが詰まることがあるので、車内で眠るときは必ずエンジンをオフにしよう。

車外騒音に配慮する
エンジンをかけたまま車中泊する行為、オーディオから大音量で音楽を流す行為は、周辺で車中泊やキャンプする人、住民に迷惑をかける。特に夜間は他者に配慮して静かに過ごそう。
 

道の駅▲道の駅はあくまで休憩施設。宿泊目的での利用、つまり車中泊することは基本的にできないのでこちらも注意を

車内温度を調節する
鉄板で囲まれた車内空間は、夜間になると急激に温度が低下する。しかし、一酸化炭素中毒やバッテリー上がりを防ぐため、エンジンをかけるのはNG。寝袋を用意したり、窓や床面の断熱を行ったりする断熱対策が、ほとんどの季節で必要だ。熱が逃げやすい窓に段ボールや新聞紙を貼るだけでも効果がある。

プライバシーを確保する
「外からのぞかれても、全く気にならない!」という人は少ないだろう。就寝するときには防犯対策のためにも、窓にカーテンやシェードなどの目隠しを付けておきたいところ。上記の断熱対策と兼用でも良い。
 

 

車中泊に便利なアウトドア・グッズ

軽自動車で快適かつ車中泊するためには、アウトドア・グッズを活用するのもアリ。そこで、あると便利なアウトドア・グッズをアウトドア用品店「エルブレス 新宿店」の佐藤暢明(さとう のぶあき)さんに教えてもらった。

山や湖など自然が多い場所は寒いことが多いため、今回は秋冬シーズンの製品からピックアップ。しかも軽自動車でも扱いやすいよう、収納時にあまりスペースを取らないことも条件とした。
 

エルブレス新宿店の室内▲エルブレス新宿店は1階から9階までアウトドア用品がずらり! アウトドア好きなら丸一日過ごせそうなほど商品ラインナップが豊富
佐藤暢明▲車中泊用アイテムをガイドしてくれた佐藤さん。幼い頃から車中泊に親しみ、キャンプイントラクターの資格をもつ。愛車は日産 エクストレイル(2代目)


寝袋(シュラフ)

車中泊ではバッテリー上がりを防ぐため、基本的に夜間は車のエアコンをつけない。場所によっては春でも車内の温度は低くなるので、暖を取れる寝具は車内に置いておきたい。ただ、家庭用寝具は車内でかさばりやすく、保温性も十分ではない。やはり、アウトドア用シュラフがオススメだ。

シュラフは温度調整しやすい「封筒型」と保温性に優れた「マミー型」の2種類に大別できる。多くの製品には快適使用温度が記されているので、車中泊するシーズンに合わせ、少し余裕があるスペックのものを選ぼう。

例えば、真冬なら快適使用温度-3℃程度のマミー型を選ぶのがベター。夏場は不要と思いがちだが、天候によっては気温が一気に下がることもある。少なくとも封筒型シュラフは用意しておこう。ジッパーを開き、平らにして使えるタイプなら掛け布団代わりにもなる。
 

モンベル シームレス ダウンハガー800 #1

▲軽バンの荷室▲「スパイダーバッフルシステム」などモンベル独自の技術が生かされた製品。収納時のサイズもコンパクト

真冬の車中泊でも安心のマミー型高機能シュラフ。ダウンの保温性能を示す指標「フィルパワー」が、800という最高レベルに近い数値を誇っている。

内部のダウンが片寄りにくい独自のシームレス構造も、この製品の魅力。よく伸び縮みする生地が使われており、マミー型にもかかわらず窮屈さを感じない。

【メーカー名】mont-bell(モンベル)
【製品名】シームレス ダウンハガー800 #1
【重量】866g
【収納サイズ】直径16 cm×32cm(5.7L)
【適応身長】183cmまで対応
【快適温度】-3℃
【使用可能温度】-10℃
【価格】5万1150円
※全て消費税込のエルブレス販売価格。価格は今後変更となる場合アリ(以下同)

 
エルブレス新宿店 佐藤さん
佐藤暢明

最低車内温度よりも5℃前後低い快適温度の製品を選ぶのがコツです!


インナーシーツ

1種類のシュラフでオールシーズンの車中泊を楽しみたいなら、シュラフの内側に入れて保温性を高める「インナーシーツ」を併用すると良いだろう。

寝汗によってシュラフが湿気り、冷えるのを防ぐ効果がある。肌に直接触れるアイテムなので、保温性だけでなく肌触りも重視して選ぼう!
 

モンベル ウォームアップシーツ

ウォームアップシーツ▲夏場の車中泊なら、ウォームアップシーツ1枚でもOKだ

薄くて携帯できるほどコンパクトでありながら、シュラフの使用可能温度を約2℃も下げることができる優れもの。内側の起毛地は吸汗加工されており、暖かさと吸水性を兼ね備えている。

【メーカー名】モンベル
【製品名】ウォームアップシーツ
【重量】195g
【サイズ】最大長184cm×最大幅77cm
【収納サイズ】直径9cm×15.5cm
【価格】5280円
 

SEA TO SUMMIT サーモライトリアクター フリースライナー

サーモライトリアクター フリースライナー▲1/4ジッパー付きで、出入りするのも楽ちん

パネルフードが付いた形状が特徴で、開口部を拡げれば夏の車中泊でも快適。さらに、シュラフと併用すれば冬の車中泊にも対応できる。フリースライナーは内側が起毛処理され、暖かさ抜群。シュラフの保温性も大きく高めてくれる。他にも、携帯性を重視したコンパクトモデルがある。

【メーカー名】SEA TO SUMMIT(シートゥサミット)
【製品名】サーモライトリアクター フリースライナー(レギュラーサイズ)
【重量】420g
【サイズ】長さ200cm×幅70cm
【価格】1万120円

 
エルブレス新宿店 佐藤さん
佐藤暢明

コンパクトなので車内でも場所を取りません


マット&エアポンプ

軽自動車はフラットにできる空間がどうしても限られる。そんな車内で快適に休むために、マットはもはや必需品! 床面の内装材が薄い軽バンなどでは冷気や熱気が伝わりやすいが、マットがあれば問題なし。冷気も熱気も遮断してくれる。

軽自動車の車中泊では、空気を入れて使うインフレータブル式がオススメ。省スペースなだけでなく、断熱性も優秀だ。

多くのマットには断熱性を評価する指標「R値」が記載されている。秋冬の車中泊ではR3.0~4.0、真冬ならR5近い製品を選ぶと良いだろう。マットを重ねるとR値は加算される。寒いときは2枚重ねて使うのもアリ。
 

SEA TO SUMMIT キャンププラスS.I.マット

キャンププラスS.I.マット▲レギュラータイプの幅は51cm、長さは183cm。車内空間に余裕がない車でも使いやすい

インフレータブル式マットの中でもガッシリした構造で、分厚いのが魅力。多少のデコボコは気にならないほどクッション性が高い。独自のデルタコア構造によって、収納時はコンパクトに折り畳める。コスパの高さも見逃せない。

【メーカー名】SEA TO SUMMIT(シートゥサミット)
【製品名】キャンププラスS.I.マット(レギュラーサイズ)
【サイズ】51cm×183cm
【重量】880g
【収納サイズ】直径20.4cm×26cm
【厚さとR値】厚さ7.5cm、R値4.3
【価格】1万780円
 

SEA TO SUMMIT エアストリーム ポンプサック

エアストリーム ポンプサック▲マット内部に効率的に空気を入れられ、呼気で空気を入れるよりも衛生的。カビの発生も防げる

マットに空気を入れるためだけに電動式ポンプを持っていくのは、スペースがもったいない。そんなときに便利なのがバッグ兼用ハンドポンプ。バッグ部分に空気を取り込み、押し出すことでマットに空気を圧送する。

別の使い方として、寝袋や衣類を中に入れ、圧縮して省スペース化を図ることも可能。要は、ふとん圧縮袋のように使えるのだ。これは軽自動車に入れておくアイテムとして優秀すぎる!

【メーカー名】SEA TO SUMMIT(シートゥサミット)
【製品名】エアストリーム ポンプサック
【容量】20L
【重量】62g
【価格】4180円

 
エルブレス新宿店 佐藤さん
佐藤暢明

高性能なマットは快眠を約束してくれます!


ミニテーブル

車中泊でもミニサイズのテーブルは重宝する。マグカップや食器、コンビニで温めてもらったアルミ容器などを置いておくのに便利だ。

ロースタイルのキャンプが流行っている最近は、ミニテーブルをラインナップするアウトドア用品メーカーも増えた。できるだけコンパクトに格納でき、簡単に展開できる製品を選ぶのがポイントだ。
 

クレイジークリーク フォールディングエコロジーテーブル

フォールディングエコロジーテーブル▲天板の絵柄は写真の「Stub」の他、「タイダイ」や「ツリーカモ」といった種類もある。

天板も脚も木でできたナチュラルテイストなミニテーブル。天板の穴に脚を「ハ」の字に差し込んで使用する。コンパクトサイズなので、軽自動車の車内で使うのにもちょうど良い。

【メーカー名】CRAZY CREEK(クレイジークリーク)
【製品名】フォールディングエコロジーテーブル
【サイズ】 W25.5cm×D18.5cm×H5.5cm(展開時)
【素材】MDF(パルプ集成材)
【価格】4400円

 
エルブレス新宿店 佐藤さん
佐藤暢明

デザイン性の高いミニテーブルで、車内のオシャレ度もアップ!


ボトル

エコノミークラス症候群の予防には、こまめに水分をとることが大切。一方で、ペットボトルなどのゴミを出さないことも重要だ。その両方を実践するために、自前のボトルに飲料を入れて持ち運ぼう。

しかも、広口のボトルなら飲料だけでなくスナックなども入れられる。さらに耐熱容器ならお湯を入れて湯たんぽ代わりに使うことも。冬場でも、ちょっとした工夫で車中泊が快適になるのだ。
 

ナルゲン 広口1.0L Tritan Renew

広口1.0L Tritan Renew▲広口でキャップを開閉しやすく、洗いやすいのも利点

アウトドア派の定番ボトルといえばコレ。ボトル本体、キャップとも耐熱温度100℃なので熱湯を入れても問題なし。飲み物ににおいが移りにくい素材を採用していること、紛失防止用ループが付いていることなど、細かな部分まで気が利いた作りとなっている。パッキンがないため、衛生管理も◎だ。

【メーカー名】nalgene(ナルゲン)
【製品名】広口1.0L Tritan Renew
【容量】 約1.1L(満水容量)
【重量】約180g
【材質】〔本体〕飽和ポリエステル樹脂/〔キャップ〕ポリプロピレン/〔ループ部〕ポリエチレン
【耐熱温度】〔本体〕100℃/〔キャップ〕120℃/〔ループ部〕110℃
【耐冷温度】〔本体〕-20℃/〔キャップ/ループ部〕0℃
【価格】2640円

 
エルブレス新宿店 佐藤さん
佐藤暢明

トレッキングにもそのまま持ち出せます


ライト

車中泊で意外に困るのが照明。ルームランプでは頼りないし、車のバッテリー消費も早める。そのため、車内・車外で使えるLEDライトを持っていきたい。

電池を交換する手間がかからない充電バッテリー内蔵式のタイプが楽ちん。最近の製品は電池の持ちが良く、ひと晩くらいなら充電なしで使える製品もある。
 

モンベル サテライト マルチランプ

サテライト マルチランプ▲虫を集めてくれる誘虫ランプも内蔵されている

ライトは下より上から照らした方が手元を見やすい。このLEDライトなら強力なマグネットで壁面に固定できる。鉄板剥き出しの部分がない車には、ハンドル部分に紐などを通して吊すと良いだろう。付属の収納袋はランタンシェードにもなり、光を和らげてくれる。秀逸なアイデアだ!

【メーカー名】mont-bell(モンベル)
【製品名】サテライト マルチランプ
【サイズ】横幅9.7cm×高さ11.2cm×奥行4cm
【重量】487g(518g) ※( )内はランタンシェードと付属USBケーブルを含む重量
【内蔵電池】リチウムイオン電池 3.7V/13500mAh/50Wh
【付属品】USBケーブル(Type-A端子/Type-C端子)、ランタンシェード兼収納袋
【給電方法】USB充電式
【価格】1万890円
 

ブラックダイアモンド コズモ350-R

コズモ350-R▲コズモ350-Rには様々なカラーバリエーションがある。人数分用意しておきたいところ

行動しながら手元を照らすなら、ヘッドランプが便利だ。ブラックダイアモンド製のヘッドライトなら、光量の調節がステップ式となっていてスピーディ、かつスイッチ操作もしやすい。中でも、こちらは充電専用かつコンパクトで人気を集めている。

【メーカー名】Black Diamond(ブラックダイアモンド)
【製品名】コズモ350-R
【全光束】350ルーメン
【照射距離】高照度75m/低照度8m
【照射時間】高照度5時間/低照度200時間/リザーブ1時間
【防水等級】IP67
【重量】75g
【内蔵電池】リチウムイオン充電池(1500mAh)
【給電方法】USB充電式(マイクロUSB)
【価格】6050円

 
エルブレス新宿店 佐藤さん
佐藤暢明

両手がふさがっていても使えるヘッドランプは車中泊でも必携です!



クーラーボックス&保冷剤


大型のクーラーボックスは場所をとるので、車中泊には不向き。ただ、飲み物や現地で調達した食べ物を冷やしておきたい……といったシーンではソフトクーラーが役立つ。コンパクトに畳める製品なら荷室スペースを圧迫せずに済む。
 

AOクーラーズ 18パック トランクソフトクーラー &ロゴス ハイパー氷点下クーラーL

18パックとハイパー氷点下クーラーL▲左手前がロゴス ハイパー氷点下クーラーLで、右奥がAOクーラーズ 18パック トランクソフトクーラー。どちらも普段使いしやすいサイズ

AOクーラーズは、本国アメリカでは食肉業者や水産業者に愛用されているという。多彩なラインナップの中でも、こちらはユニークなトランク形状のソフトクーラー。断熱・保冷効果を高めた5層構造、頑丈なキャンバス生地が特徴だ。

ハイパー氷点下クーラーLは、ソフトクーラーの中でも抜群の保冷力を誇る。同ブランドの氷点下パックと組み合わせることで、アイスクリームが溶けずに11時間もつとの実験結果も(同社調べ)。エルブレス 新宿店で働くアウトドア好きたちの中でも、愛用者が多いそうだ。

【メーカー名】AOクーラーズ
【製品名】18パック トランクソフトクーラー
【容量】17L
【サイズ】長さ38cm×幅24cm×高さ33cm
【重量】990g
【価格】1万9030円

【メーカー名】LOGOS(ロゴス)
【製品名】ハイパー氷点下クーラーL
【容量】20L
【サイズ】幅39cm×奥行き30cm×高さ29cm(展開時)
【収納時サイズ】39cm×30cm×12.5cm
【総重量】1500g
【価格】1万2800円

 
エルブレス新宿店 佐藤さん
佐藤暢明

ソフトクーラーでも1泊程度の車中泊なら十分でしょう


シングルバーナー

「人里離れた場所だけど、温かい料理が食べたい……」そんなニーズに応えてくれるのがシングルバーナー。コンパクトで、車内の場所もとらないのがポイントだ。

専用OD缶(アウトドアで使うバーナー専用の缶)を使用するタイプは火力の強さが特長。ただし、アウトドア用品店やホームセンター、通販でしか手に入らないので、 十分なストックを用意しておこう。

もちろん、車内でガスバーナーを使用するのはNG。車外に持ち出して使おう。ただし、車外でも火器使用禁止の場所もあるので注意したい。
 

プリムス 115フェムトストーブ&スノーピーク ギガパワーストーブ 地 オート

115フェムトストーブとギガパワーストーブ▲左がプリムス 115フェムトストーブ、右がスノーピーク ギガパワーストーブ 「地」 オート。専用OD缶を使用するタイプは火力の強さが魅力

115フェムトストーブはギザギザの付いた3本ゴトクがワイルドな印象。バーナーヘッドを取り囲むように風防が配置されており、風に強い。ゴトクを折り畳めば、ポケットに入るサイズになる。

ギガパワーストーブ 「地」 オートは、多くのバックパッカーに愛用されている定番アイテム。スノーピークらしい洗練されたデザインだけでなく、強い火力や操作しやすいワイヤー式ツマミやイグナイターなど、機能性にも優れている。

【メーカー名】IWATANI-PRIMUS(イワタニ・プリムス)
【製品名】115フェムトストーブ P-115
【出力】2.5kW/2100kcal/h(Tガス使用時)
【収納時サイズ】5.4cm×7.4cm×2.7cm
【重量】57g
【価格】8250円

【メーカー名】Snow Peak(スノーピーク)
【製品名】ギガパワーストーブ 「地」 オート
【出力】2500kcal/h
【収納時サイズ】4.5cm×3.7cm×8.2cm
【価格】8250円

 
エルブレス新宿店 佐藤さん
佐藤暢明

通常のOD缶は気温が極端に低いと使用できません。冬などは寒冷地専用のOD缶を使いましょう!

取材協力店

エルブレス新宿店▲2022年にリニューアルオープンしたばかりのエルブレス新宿店

1990年代からアウトドア用品を専門に取り扱っているエルブレス。キャンプ用品から登山用品、ウインタースポーツ用品まで多種多様な製品を用意している。

その中でも新宿店はアウトドアの楽しみ方を提案するフラッグシップ店舗。取扱いブランドは560、商品は8万8000点という圧倒的な品揃えを誇る。車中泊に便利なアイテムも見つかるはず!
 

 

【Q&A】車中泊に関するよくある質問

Q.軽自動車を車中泊仕様にカスタムしたい場合、どうしたらいい?
A.スーパーハイトワゴンやハイトワゴン、軽バンなど多くの車種に対応する、車種別ベッドキットやマットが社外品で発売されている。車中泊仕様にカスタムするなら、それらを利用するのが最もお手軽。車種が適応していないなら、DIYするのも手。WEBで「○○(車名) 車中泊 DIY or 自作」と検索すると数多くの事例がヒットするので、それらを参考にするのも手だ。

Q.軽自動車でも大人2人で車中泊できる?
A.もちろん可能。山岳用テントで2名分の就寝スペースは一般的に1300mm前後。それを超える室内幅を確保するスーパーハイトワゴンや軽バンは少なくない。

Q.古い中古車での車中泊って危険じゃない? 気を付けるところは?
A.整備された車両であれば基本的に問題ない。逆に言うと、整備不良でないかきちんと確認する必要がある。特に、マフラーに穴が開いて排気ガスが漏れていたら、車内にガスが入り込み、一酸化炭素中毒になる恐れがある。新車・中古車を問わず、日頃から車の点検・整備はきちんと行おう。
 

文/田端邦彦 写真/ダイハツ、スズキ、ホンダ、スバル、三菱、Adobe Stock、綱島剛(DOCUMENT)

※記事内の情報は2023年3月15日時点のものです。
 

田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。