「AOG湘南里帰りミーティング2025」で出合った、激レアRVのホーミー フウライボウ
2026/01/29

車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
激レア日産車も参加するオーナーイベント
2025年11月15日、大磯ロングビーチ第一駐車場で「AOG 湘南里帰りミーティング 2025」が開催された。
日産モータースポーツ&カスタマイズ(略称:NMC。2022年4月にニッサン・モータースポーツ・インターナショナルとオーテックジャパンが統合)が主催し、同社が手がけた車両とオーナーがNMC本社のある湘南エリアに集い、交流するオーナーズミーティングである。
2004年に第1回が開催され、コロナ禍で中止となった年をはさんで、今回で18回目。メーカー主催によるオーナーズミーティングの先駆けである。
会場には過去最大となる388台のオーテック&ニスモのロードカーが集結し、約40年に及ぶ歴史を通覧するような壮観な光景である。しかし、へその曲がった筆者は「GT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」や「ステージア オーテックバージョン260RS」といった、いかにも衆目を集めそうな参加車両を尻目に、知る人ぞ知る激レアな1台にくぎ付けとなった。

その車両は「日産 ホーミー フウライボウ」
日本のモータリゼーションが成熟期を迎えた80年代後半から90年代にかけて、キャンプやスキーといったアウトドアレジャーを楽しむためのツールとして『RV(レジャービークル)』をキーワードにした様々な車種がラインナップされていた。
フウライボウもそうしたうちの1台。E24型のキャラバン/ホーミーをベースに、オーテックジャパンが大型フォグランプやグリルガード、専用ボディデカールなどでカスタマイズした特別仕様車である。
フウライボウという名は、ご察しのとおり「風来坊」に由来するもの。車中泊をしながらの気ままな旅の良き相棒といったイメージだろうか。

京都から参加をしたオーナーのmasaさんに話を聞いた。
「約30年前に日産 キャラバンのフウライボウを所有していて、会社の同僚と一緒にスキー旅行へ行ったりなど、思い出がたくさんあったんです。またいつか乗りたいと探していたところ、昨年岐阜の中古車店でホーミーのフウライボウを見つけ、購入しました」
納車整備中にいろいろと不具合が出て、手元に来るまでに約9ヵ月を要したとmasaさんは苦笑した。恐らく現役で稼働しているフウライボウは片手で数えるほどしかないのではないだろうか。登場から30年以上も経過しているにしてはキレイな車体だが、これは購入時に全塗装をしているためなんだそう。


入念な整備のかいがあったのか、2.7Lのディーゼルターボエンジンは現在の道路事情でも大きな不満を感じさせないパワーを発揮。自宅のある京都からイベント会場まで問題なく走りきったという。燃費は約9km/L。現代の基準では決して良いとはいえないが、masaさんが昔乗っていた個体を大きく上回る数値だったという。
面白いのは、masaさんの普段のアシはトヨタ ヴォクシーで、こちらはあくまでイベント用として所有していること。この前にもオーテックジャパンが手がけた日産 バネットラルゴ「ウミボウズ」をイベント用として所有していたという。

「若い頃から車が好きなんですけど、結婚して子供が生まれたことをきっかけに趣味の車も実用性を重視するようになりました。こういうイベントはスポーツ系モデルでの参加が多いので、かえって目立つんです」
人生初の愛車は日産 ローレル。初代トヨタ セルシオやW140型のメルセデス・ベンツ S320といった大型セダンの他、前述したキャラバンやバネットラルゴ、100系ハイエース、シビリアンのキャンピングカーなどの1BOXカー、そして極めつけはデロリアン(!)まで、バラエティに富んだ車遍歴を積み上げてきたというmasaさん。共通性のない無造作なラインナップに思えるが、人とあまりかぶらない車種に引かれるそう。
せっかくなので車内に座らせてもらう。キャブオーバーの1BOXカーのため、スペース効率が高く、後席は抜群に広い。シート配置は2-3-3の8人乗りで、2列目は横向きに固定することも可能な回転対座シートだ。さらに大型ガラスルーフに電動カーテンと、エクステリアに負けないぐらい内装も豪華な設えだ。


駆動方式はパートタイム4WDなので雪道も問題なし。まさに「全部乗せ」である。
当時のRV車には、「役立つかどうかはさて置いて、便利そうな機能はとにかく採用するという勢いがあった。無駄はとことん省く現代のスマートな車づくりとは対極にあるが、そこに失われた「夢」を感じてしまうのもまた事実である。

そしてmasaさんの隣には高校2年生の息子さんの姿もあった。もちろん車好きだ。
「免許を取ったらセダンに乗りたいと思っているんです。いま気になっているのはE34型BMW 5シリーズとかセビルとか。あとはW124のメルセデス・ベンツ E400とか」
――え? E500じゃなくて?
「はいE400です。僕はナローなボディが好きなので」
とても高校生のチョイスではない。将来が楽しみである。
▼検索条件
日産 ホーミー(初代) & 日産 ホーミーコーチ(初代)
masaさんのマイカーレビュー
日産 ホーミー フウライボウ
●マイカーの好きなところ/知る人ぞ知る「激レア車」として注目を集める希少性。
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/「風来坊」の名のごとく、広々とした空間を生かして気ままな旅を楽しみたい人。
●マイカーのちょっと残念なところ/不具合の解消や整備に9ヵ月を要するなど、手元に来るまでに根気が必要。

ライター
佐藤旅宇
オートバイ専門誌と自転車専門誌の編集記者を経て2010年よりフリーライターとして独立。様々なジャンルの広告&メディアで節操なく活動中。現在の愛車はフォルクスワーゲン クロスUP!と日産 ラルゴの他、バイク(HONDA)とたくさんの自転車。