▲アラウンドビューモニターは2007年10月、2代目エルグランドに初搭載されました。ボディが大きく死角が多いエルグランドにぴったりな機能です ▲アラウンドビューモニターは2007年10月、2代目エルグランドに初搭載されました。ボディが大きく死角が多いエルグランドにぴったりな機能です

ゲームのように自分の車の位置が分かるアラウンドビューモニター

「車の運転は好きだけど車庫入れや縦列駐車は苦手で緊張する……」という人、多いと思います。WEBで検索すると“車庫入れ克服法”“縦列駐車のアドバイス”といった安全啓蒙ページがたくさん出てきます。それだけ苦手な人がたくさんいることの証しでしょう。

車庫入れや縦列駐車が怖いと感じる理由のひとつに死角の多さがあります。今ではバックで駐車する際に便利なバックモニター、左右に障害物がないか気になる際に有効なサイドブラインドモニターなどもありますが、それでも突然画角の外から駐輪してある自転車や植木鉢が現れて驚くことも。

「一部じゃなくてもっと車の周囲が全体的に見えたらいいのに!」。こんな思いに応えたのが日産が開発したアラウンドビューモニターです。アラウンドビューモニターとは、前後左右に付いた4つのカメラの映像を合成し、ひとつの映像として表示する機能。

まるでレーシングゲームのように、自分が乗っている車を上空から見ているように確認できます。それにより、障害物と車の位置関係を分かりやすく把握できます。 これなら「大きい車は運転が難しいかも……」と敬遠していた方にも朗報ですよね。

▲2代目エルグランドのアラウンドビューモニター映像。車全体の様子を1枚の映像で確認できるのは本当に便利です! ▲2代目エルグランドのアラウンドビューモニター映像。車全体の様子を1枚の映像で確認できるのは本当に便利です!

ラクチンな車庫入れを実現する高度な合成技術

このアラウンドビューモニター、なんてことない技術のように感じますが、実はとんでもなく複雑な処理を行っているんです! 車体に取り付けられるのは広角カメラなので、そのままだと映像は大きく歪んでしまいます。バックモニターの端の方が歪んでいるのを見たことある人も多いはず。あれをそのまま合成するとかなり気持ち悪い映像になりますし、カメラの取り付け高さも違うので距離感もバラバラです。

そこでアラウンドビューモニターはカメラが捉えた映像を映像処理ユニットに集め、それぞれの映像の歪みを補正し距離感を合わせたうえで合成。それをモニターに表示しているのです。

技術的なことを知らない人に「これって衛星が捉えた映像を送ってきているんだよ」と冗談で言うと普通に信じてしまうほど精度の高い映像を表示してくれるアラウンドビューモニター。現在では駐車ガイド機能、フロント/リアワイドビュー機能の他、移動体検知機能なども備わるモデルが登場しています。車庫入れや縦列駐車に自信がない人、ぜひこの機能が付いた車を選んでみてください。

▲2009年4月に登場したスカイラインクロスオーバーにはフロントとリアを180度の角度で映せたり駐車ガイド機能が備わる新型アラウンドビューモニターが搭載されました ▲2009年4月に登場したスカイラインクロスオーバーにはフロントとリアを180度の角度で映せたり駐車ガイド機能が備わる新型アラウンドビューモニターが搭載されました
▲駐車手順を俯瞰映像と音声で案内してくれる駐車ガイド機能。上から見下ろす画像がベースなので直感的に操作できます ▲駐車手順を俯瞰映像と音声で案内してくれる駐車ガイド機能。上から見下ろす画像がベースなので直感的に操作できます
▲現行型エルグランドは2011年の改良でアラウンドビューモニターに移動物検知機能が加わりました。自転車や歩行者など車の周囲に動くものがあると音とディスプレー表示で警告します ▲現行型エルグランドは2011年の改良でアラウンドビューモニターに移動物検知機能が加わりました。自転車や歩行者など車の周囲に動くものがあると音とディスプレー表示で警告します
▲2013年6月登場のデイズは軽自動車で初めてアラウンドビューモニターを搭載。発売当初は一部グレードのみでしたが、現在は多くのグレードで標準装備となっています ▲2013年6月登場のデイズは軽自動車で初めてアラウンドビューモニターを搭載。発売当初は一部グレードのみでしたが、現在は多くのグレードで標準装備となっています
▲デイズのアラウンドビューモニターはルームミラー内に表示されます。ディーラーオプションのナビを付ければモニターに大画面で表示できます ▲デイズのアラウンドビューモニターはルームミラー内に表示されます。ディーラーオプションのナビを付ければモニターに大画面で表示できます
text/高橋 満(BRIDGE MAN)
photo/日産自動車