トヨタ ヴィッツ【モデル概要編】
2008/03/07
プレミアム感を磨いたトヨタの代表的コンパクトカー
開発コンセプトは「My Proud Compact」
●コンセプト
パッケージングを一新し初代よりサイズアップ
トヨタが欧州市場に本格参入する際、斬り込み隊長として企画されたのがヴィッツ。初代の開発コードNBCはNew Basic Carの頭文字を取ったもので、コンパクトカーのベンチマークを目指す高い志が表れている。ここで紹介するのは2代目となるモデルで、開発コンセプトは「My Proud Compact」。実用性だけにとどまらず、所有する人、売る人、そして作る人の誰もがプライドをもてる、妥協のないクルマを目指している。
ボディは初代より全長で110mm、全幅で35mm、全高で20mm大きく、特に全幅は5ナンバーサイズいっぱいの1695mmに拡大。前後座席間距離は45mm拡大され、初代で不満の多かった後席の居住性は改善された。
衝突安全性能に関しては、トヨタ車として初めて、衝突実験速度55km/hを採用。相手に2tクラスのクルマを使った衝突実験なども実施し、現実に即した安全性能の確保が行われている。
●メカニズム
4種類のエンジンにCVTや4WDモデルを用意
エンジン排気量は1L、1.3L、1.5Lの3種類。1Lはダイハツ製の3気筒で、アイドリングストップ装置付きのインテリジェントパッケージも用意される。車格に比べて排気量が小さいが、高速道路で急な追い越しでもしない限り実用性は十分だ。1.3LエンジンはFF用が2SZ型、4WD用が2NZ型と2種類を用意。前者が低燃費志向、後者が高トルク志向の性格となる。また、1.5Lは当初、スポーツグレードのRSのみに搭載されたが、現在はUおよびI'llグレードでも選択可能だ。
トランスミッションはCVT(連続無段変速機)を全グレードに用意。ただし、1.3L車のみに設定の4WDモデルは電子制御の4ATとなる。一方、1.5RSには5MTも用意された。
安全面では、乗員数や積載状態に応じてブレーキ力配分を変えるEBD付きABSを全車に標準装備。このABSは緊急時にアシスト力を強める機能ももつ。
●エクステリア&インテリア
力強いエクステリアと先進的なインテリア
エクステリアのデザインコンセプトは、「POWERFUL SIMPLICITY」だ。初代の印象を継承しつつも、より抑揚を強めて存在感を演出。湾曲した太いショルダーラインは、力強い躍動感を作り出している。キャビンはボディ後部に向かって強く絞り込まれており、空力特性を向上。CD値0.30と、コンパクトハッチとしては最良レベルだ。インテリアのデザインテーマは、「VIVID SIMPLICITY 」。シンプルでありながら、先進的でインパクトのあるデザインが追求されている。センターメーターは継承されたが、アナログ式のオプティトロン(自発光式)メーターに変更。オートエアコンには、プラズマクラスターイオンを放出して浮遊する細菌を不活性化する機能を装備する。
リアシートは3タイプを用意。上級グレードの6:4分割シートなら、150mmのスライドと10度のリクライニング、ダイブダウン格納が可能となる。
●インプレッション
市街地メインで走るなら1Lモデルでも不満はない
たっぷりとしたサスペンションストロークを生かしたしなやかな乗り心地が、2代目ヴィッツの身上。電動パワーステアリングの違和感も少なく、ブレーキのタッチもしっかりとしたものだ。シートの座り心地が良いのも特筆すべき美点だろう。1Lモデルでもパワーは必要十分だが、高速道路を走る機会が多いなら1.3L以上のモデルを選択したい。特に165/70R14タイヤ装着車は、乗り心地と操縦性能のバランスが絶妙だ。
1.5LのRSはそれなりに硬い乗り心地。とはいえ、市街地でも不快ではなく、フットワークの良さを考えれば許容範囲だ。
バイヤーズガイド
■狙い目グレード
RSにこだわらないなら高年式車がオススメ
Uカーの相場はデビュー時から大きくはアップしていないため、できるだけ新しい年式から選びたい。特に、H19年式は流通量が多めで探しやすいはず。後期型はそれほど流通していないが、サイド&カーテンエアバッグなどが標準装備となっているため買い得感が高い。グレード別では、全年式で物件数が多い1.0Fと1.3Fがオススメ。RSは新しい年式だとあまり流通していないので、走りにこだわるのなら、H17年式で探そう。
■購入時のチェックポイント
ファミリィユースを考慮し室内は重点的に確認を
リコール情報では、燃料ポンプに不具合が報告されている。これは、H17年1月から2月に生産された車両の一部が対象。場合によってはエンジンストップの可能性もあるというので、該当車両の場合は対策品と交換されているか、整備手帳で確認してみよう。このほか、リアシートの動作や室内の汚れ具合なども確認しておきたい。また、RSの場合は割と激しく運転されていた可能性があるので、足回りなどのチェックも忘れずに。
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