“走り”を意味するコンセプト「Zoom-Zoom」を最初に具現化した
欧州でも高評価を受けるマツダのミドルクラスカー

マツダ アテンザ|人気車購入ガイド

コンセプト
最新の技術によってスポーティな走りを実現

欧州ではマツダ6の名で販売され、高い評価を獲得しているのがアテンザ。H15年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーで2位となったのを皮切りに、全世界で80以上の賞を受けている。
今ではマツダのブランドコンセプトとなった「Zoom-Zoom(クルマの走りを表現する幼児英語で、日本語の「ブーブー」に相当)」を、最初に体現したモデルだ。ダイナミクス性能の開発には、カーナビなどで使われているGPSの1000倍の精度をもつキネマティックGPSを利用した車体姿勢計測システムを導入。走行する車両の過渡的な姿勢変化や局部的な動きを細かく数値化することにより、ドライバーの感性に忠実なクルマの動きを作り出した。
ボディスタイルは、セダン、5ドアハッチバック、ワゴンの3種類を展開。いずれも3ナンバーサイズだが、1780mmの全幅は日本の市街地でも持て余さずに取り回せる大きさだ。

メカニズム
世界戦略モデルとして申し分のないメカニズム

Zoom-Zoomを体現するサスペンションは、フロントにハイマウントアッパーアーム式のダブルウィッシュボーンを採用。しかも、高速安定性が高まるため欧州車が好んで採用する分割ロアアーム方式だ。リアはトレーリングアームを核としたE型マルチリンクサスペンションで、支持剛性の高さとスペース効率を両立させている。
エンジンは直4DOHCで、マツダの世界戦略エンジンとなるMZR型を搭載。レースでも高い実績をもつコスワース鋳造という方法で作られたアルミ製シリンダーブロックを採用しており、排気量は2Lと2.3Lが設定されている。
デビュー時はセダンが4ATのみで、ハッチバックとワゴンには4ATと5MTを設定。駆動方式は基本的にFFで、ワゴンのみ電子制御式4WDがある。H17年のマイナーチェンジにより、ATは5速へ、MTは6速へと変更された。

エクステリア&インテリア
力強さを与えられた外観内装は上質でスポーティ

エクステリアのデザインコンセプトは、「アスレティックなフォルム」だ。ホイールベース間のボディ下部にボリュームを集中させて塊感を出す一方で、ショルダーラインの流れによって力強さを演出。アスリートがスポーツジャケットをまとった姿がイメージされている。
特徴的なのが、5ドアハッチバックのデザイン。リアゲートに明確なノッチ(段差)をつけることにより、セダン的なプロポーションを作り出している。
内装はクラフトマンシップを感じさせる高品質な仕上がり。FFながらセンターコンソールを高くしたデザインと、そこにつながるT型ダッシュボードがスポーティな印象を与えている。
後席はひざ元空間も広く、大人でも快適にくつろげるほどだ。ハッチバックとワゴンは、リアゲート側からレバーを引くだけで折り畳めるKARAKURIフォールドを採用。ワンタッチでフラットなスペースが作れる。

インプレッション
ドライビングプレジャーを味わわせてくれる一台

欧州で高く評価されている走りの性能は、ひとことで言えば「リニア」。運転操作に対するクルマの反応が常に直線的な感覚で返ってくるため、先の動きが読みやすく、クルマと対話しながらの運転がストレスなく楽しめるのが魅力だ。
乗り心地はやや硬だが、ゴツゴツ感は少なくトータルで快適。速度が上がるにつれフラット感が増すのも欧州車的だ。
エンジンのトルク特性はフラットで、高回転まで回す楽しさはない。しかし、回転を上げていったときの排気音は雑音なくスッキリと伸びていき、それなりに気分を高揚させてくれる。
バイヤーズガイド
狙い目グレード
流通量が多く探しやすい前期型の2.3Lワゴン
流通量はワゴンが最も多く、探しやすさは断トツ。一方、セダンは全年式ともかなり少ないため、気に入った一台に出会ったら即決する勢いが必要だろう。スポーツは前期型がそこそこ流通しているが、後期型は少なめ。こだわりがないなら、流通量が豊富なH16年式で探すのがオススメだ。なお、2.3Lモデルが豊富で探しやすい。
購入時のチェックポイント
前オーナーの乗り方を推測しながら確認しよう
後席アレンジがしやすいため、荷物の積み降ろしが頻繁だった可能性が高い。荷室だけでなく、後席の動作確認もしっかりして おこう。また、特にスポーツとワゴンはアグレッシブな運転が行われがち。足回りの挙動はできる限り試乗して確認したい。このほか、エアロ装着モデルは下回りを擦っていないか、のぞき込んで見ておくとよい。
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↑エンブレムを中央に配した5ポイントグリルからボンネット、リアへと続く立体的な造形が特徴。4眼デザインのヘッドランプでシャープさが際立つ
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↑フロントから続くショルダーラインが、力強さとスピード感を表現。リアコンビランプには、ヘッドランプと同様の4眼デザインが採用されている
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↑3本スポークのステアリングやチタン調パネルで、スポーティ感を演出。メーターやスイッチなどは丸をモチーフとし、リズミカルなデザインとした
<img src="//d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/buyersguide/thum-28_04.jpg" width="180" height="123" border="0" alt="マツダ アテンザ リアサス|人気車購入ガイド" />
↑リアサスはコイルスプリングやダンパーを効率的にレイアウト。コンパクトなサイズに仕立て、クラストップレベルの収納スペースを実現している