▲エモーショナルな次世代日産デザインに生まれ変わる次期リーフ。新デザインに共通するグリル形状が違和感なく給電ポートになる。周囲はLEDで加飾される模様 ▲エモーショナルな次世代日産デザインに生まれ変わる次期リーフ。新デザインに共通するグリル形状が違和感なく給電ポートになる。周囲はLEDで加飾される模様

次期リーフから実現する、長距離ドライブ

純EVとしては世界一売れているブランドであることは間違いない、日産 リーフ。そろそろデビューから5年。ここにきて周辺が騒がしくなってきた。

グローバルでは16万台以上、国内でも累計5万台以上というリーフの販売実績は「2016年度までに、日産とルノー合わせて150万台」という目標には遠く及ばない。

ただ消費車目線でいえば、充電インフラが整ってきた実感は、ごく最近のこと。NCS(日本充電サービス)カードのスタートに合わせた充電器設置の補助金行政により、コンビニや大型スーパーにも充電スポット新設が目立ってきた。自宅に充電環境のある戸建てオーナー中心から、ようやくもっと気軽にリーフを購入の選択肢に入れられる環境が整いつつある状況となった。

とはいえ、リーフには大きな課題がある。そう、航続距離だ。

リーフの航続距離は、カタログ値では228kmと記されている。しかし、日常でのエアコン使用や急速充電器の仕様(満充電にはならない)など実際の走行環境に照らすと、現実は150km程度だろう。これがさらにバッテリーの劣化に合わせて短くなっていく。結果、一部のユーザーからは「盛りすぎ!」とも批判されている。

これを受け、日産もことあるごとに、航続距離の進化をティーザーしてきた。2015年1月の中期計画「日産パワー88」の経過発表の場では「今後はこれまでの2倍以上の航続距離へ進化させます」という威勢のいいプレゼン資料が発表された。また、同年6月の株主総会ではリーフのイメージビデオを披露。劇中チラリと映るディスプレイの航続距離は100%の満充電で544kmと記されていた。

さらにバッテリー交換のプログラムが用意されるようだ。バッテリー容量、価格など正式なアナウンスはまだないが、少なくとも現行のバッテリー電力量、24kWhからわずかながらアップされるとの情報もある。

▲2015年6月の株主総会席上で流された、次期リーフのプロモーションビデオ。微妙に異なる外観はマイナーチェンジ版かと思いきや、NISMOのエアロバンパーを装着しただけの仕様だった ▲2015年6月の株主総会席上で流された、次期リーフのプロモーションビデオ。微妙に異なる外観はマイナーチェンジ版かと思いきや、NISMOのエアロバンパーを装着しただけの仕様だった

そして、現行車のアップデートと並行して進められているのが、次期リーフの開発だ。こちらもバッテリー性能の強化、中でもエネルギー密度の向上に注力されている。

次期リーフでは、現行のエネルギー密度の約2.5倍以上を目指すという。現行リーフのバッテリー性能のままで公称500km・実測300kmを達成させるなら、膨大な電力量と約2倍のバッテリー重量がもれなく付いてくる。ただ、エネルギー密度を上げることができれば、バッテリー重量は現行と差がなくなるので、話は一気に現実的なものになる。

次期リーフの発表は、早くても2016年末。次期プリウスPHVのデビュー(予定)とほぼ同じ時期でもある。EV航続距離が60kmに達するという次期プリウスPHV。もちろん来年度の補助金の状況次第だが、実際の購入価格に大きな差はないだろう。世代が替わるトヨタ、日産両社を代表するエコカー。両車の思想と走りの違いを早く体験したいものだ。

※2015年9月24日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2016年11月
■全長×全幅×全高:4460×1780×1550(mm)
■搭載パワーユニット:50kWhリチウムイオンバッテリー+80kWモーター

text/マガジンX編集部 photo/マガジンX編集部、日産