▲年次改良を行いながら走行距離を伸ばすなど快適性の向上を果たしてきた日産 リーフの技術が日産 e-NV200にも注がれている ▲年次改良を行いながら走行距離を伸ばすなど快適性の向上を果たしてきた日産 リーフの技術が日産 e-NV200にも注がれている

ハイブリッドモデルとなって走りも進化した

ニューヨークのタクシーとして採用されたことでも話題を呼んだNV200。そのEVモデルとして登場したe-NV200はバンとワゴンの2種類で、それぞれ5人乗りと7人乗りがラインナップされている。

基本的にはリーフと同じパワーコンポーネントだが、最終減速比などを低くして発進時などに大きなトルクを路面に伝えるようなセッティングがされている。車重自体がリーフよりも100kg以上重いうえ、人や荷物の積載を想定すれば当然と言える設定だ。

さて、試乗は都内市街地で行った。試乗したグレードは「ワゴンG(7人乗り)」だ。失礼ながら、NV200には乗り心地やドア開閉のフィーリングから“商用車”としての印象が強かったのだが、e-NV200はドアを閉めた瞬間、予想に反して乗用車のような静粛性を感じた。

パワースイッチをONにしてDレンジに入れ、走り出す。当たり前だがEVならではの抜群の静粛性だ。加速も良いし乗り心地もかなり良い。リアのスプリングは商用車に使われるリーフスプリングだが、路面の凹凸に対して飛び跳ねることなく、しっとりと落ち着いている。サスペンションより上のバネ上重量と下のバネ下重量のバランスが良く、サスペンションが良く動くことが要因だろう。

シートもフランス車を思わせるストロークがあり、予想を超える快適さを味わえる。重心がフロントよりも後方にあることで、ハンドリングは軽快で楽しい。低重心かつ、前後重量バランスが良いことから、ガソリンモデルよりもコーナーリングが安定している。

メーカーによると航続距離はフル充電で190kmということなので、100km走行くらいならば十分に余裕を持ちつつ問題なく使える。そもそも都心部ならば1日100km走るのは結構大変であるし、CO2排出“ゼロ”のエコミニバンとしてe-NV200を選ぶのは賢い選択と言えるだろう。

▲インパネの計器類はもちろんEV用となっている ▲インパネの計器類はもちろんEV用となっている
▲スエード調トリコット素材を使い、モダンなハニカムパターンを施した明るいシート ▲スエード調トリコット素材を使い、モダンなハニカムパターンを施した明るいシート
▲ワゴンの場合、2名乗車時のフロア長は1536mm。5名乗車時なら1108mmで、7名乗車時は451mm ▲ワゴンの場合、2名乗車時のフロア長は1536mm。5名乗車時なら1108mmで、7名乗車時は451mm

【SPECIFICATIONS】
■グレード:ワゴンG ■乗車定員:7名
■エンジン種類:電気モーター ■総排気量:---
■最高出力:80(109)/3008~10000 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:254(25.9)/0~3008 [N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:---
■全長×全幅×全高:4560×1755×1850(mm) ■ホイールベース:2725mm
■車両重量:1660kg
■JC08モード交流電力量消費率(国土交通省審査値):142Wh/km
■車両本体価格: 478万6560円(税込)

text/松本英雄 photo/篠原晃一