「釣り車=国産車」じゃなくちゃいけない理由は特にない
カテゴリー: クルマ
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2015/07/02
「輸入車=割高で壊れやすい」は今も真実なのか?
なんだかんだいって筆者はしょっちゅう釣りに出かけているわけだが、実は各地の釣り場近くの駐車場で「輸入車」を見た記憶がない。や、正確にいえば過日ボルボ V70に乗るルアーマンを1人だけお見かけしたが、それ以外は「軽の箱バン」と「国産ステーションワゴン」「国産ミニバン」がおおむね3割ずつで、残る1割が「様々な国産車」といったイメージだ。
世間一般では約10%のシェアを取っている輸入車が、釣り人の世界ではなぜ限りなく0%に近いのだろうか(おしゃれな人が多いブラックバスの世界では輸入車比率も高いのかもしれないが、少なくとも筆者がやっている海釣りの世界では本当に限りなく0%なのだ)。
正確なところは不明だが、おそらくは「輸入車は故障が心配」ということと、「そもそも“道具”なんで、わざわざ割高な輸入車を買う意味がない」というあたりが、釣り人が輸入車を選ばない理由なのだろう。
後者については確かにそのとおりだ。釣りを始めると、最初は「おしゃれにもこだわるぞ!」と思っていてもそのうち「……釣果こそが最重要課題だ」という思想になり、すべてが機能最優先、おしゃれは二の次三の次……という行動形態になっていく場合が多い。筆者自身も最近はその傾向が強いので、この部分で輸入車を選ばない気持ちはよくわかる。
しかし前者の理由、つまり「輸入車は故障が心配だから……」については若干言いたいことがある。
20世紀の頃はさておき、21世紀も15年目を迎えている昨今は「輸入車=壊れる/壊れやすい」ということは特にないのだ。
や、客観的な事実はさておき、個人的な体感としては「そうはいっても輸入車の方がまだちょっと壊れやすいかな?」とは確実に思っている。しかし、実際に輸入車ばかり乗っている身として言わせていただくと、「すぐ壊れる」「しょっちゅう壊れる」「とにかく壊れる」などということは、不幸な例外を除けばほとんどないのが最近の輸入車なのである。
実際、筆者はこれまで15台の輸入車(の中古車)を乗り継いできたが、路上で止まってしまったことがあるのは87年式のルノー5と、同じく87年式のメルセデス・ベンツ190E 2.3-16だけ。要するに「古い年式の車」だ。それ以外は「宇宙で一番壊れる車」とも噂されるランチア デルタ インテグラーレを含め、いわゆるエンコした経験は一度たりともない。それどころか大した故障すら経験していないのだ。
やっていたメンテナンスといえば「半年に一度ぐらいのペースでエンジンオイルを交換し、その際に整備士さんに各部を見てもらう。で、交換する必要がある部品は交換するし、なければ特に何もしない」程度のこと。そんなんでも意外と大丈夫なのである。
であるならば、何も釣り車として国産車ばかりを選ぶ必要もないのでは? というのが正直なところだ。
もちろん、前述のとおり「とはいえ少々壊れやすい」という部分はあるかもしれないし、そもそも部品代なども国産車と比べると割高な場合が多いので、無理に輸入車を買う必要は一切ない。が、もしもあなたが「実は輸入車の方が好きなんだよね……」という人であるならば、それこそ無理に国産車を選ぶ必要もない、という話である。
では、もしも釣り人が「そうだガイシャ、買おう」と思った場合、ベストな選択は何だろうか?
人それぞれ、狙っている魚もそれぞれなので「ベスト」というのは難しいが、さしあたって筆者が今、輸入中古車の専門家兼釣り人として「コレ、いいんじゃないですか?」と思えるのはBMWの旧型3シリーズツーリングだ。
筆者が再三申し上げている釣り車の条件である「適度なサイズ」「中庸な感じ」に合致しており、BMWならではの走りの良さで道中の疲れも非常に少ない。で、ステーションワゴンゆえ横風にも弱くない。しかし今や100万円台でも買える「適度にボロい車」なので、気兼ねなく使い倒せる……と、釣り車としてはかなり理想的な存在なのだ。そう、これとほぼ似たジャンルの車である4代目スバル レガシィ ツーリングワゴンのように。
順当に考えれば、選ぶべきは4代目レガシィだろう。あちらの方が中古車相場がそもそも安く、点検・整備の費用も割安。走行性能は(個人的には)旧型BMW 3シリーズツーリングのほうが上だと思うが、公道をフツーに走る分にはそこまで大きな差を感じるわけでもない。
だが、もしも「洒脱」のような要素を釣り車にも適用したいのであれば、旧型BMW 3シリーズツーリングはかなりステキな選択だ。相場は上から下までかなり幅広いが、わたしなら、あまり安すぎない100万円台半ばから後半あたりの、走行距離少なめの1台を探すだろう。
ていうか、探したい。わたし自身が今、それを強烈に欲しいと思っている。理想的な釣り車のひとつだ。