▲美女と釣行に出たことで浮かれる筆者(右)。これを機に「モテ釣り車」について考えてみることに ▲美女と釣行に出たことで浮かれる筆者(右)。これを機に「モテ釣り車」について考えてみることに

最有力候補はFJクルーザー? しかしまだちょっと高いので……

中古車評論家兼釣り人の伊達軍曹であります。過日、ゆえあって美女を伴って釣りに行ってまいりました。残念ながらプライベートではなく雑誌「カーセンサーEDGE」の取材としてですが。それはさておき、普段は自分1人か、せいぜい釣り仲間のおっさんと2人で釣りに行くことが多いわたくしがめずらしく美女と釣行したことで、あるひとつの想念が自分のなかに芽生えました。

「……釣りを通じてモテたい!」という想念です。

こんなことを言うと硬派な釣り人諸兄から袋叩きにあいそうですが、まあ言わせてください。わたしはモテたい。せっかくだから。何が「せっかく」なのか自分でもよくわかりませんが、やはり異性にはモテないよりモテるに越したことはありません。そして釣りというのは妙齢女子と仲良くなるための場としても、実は機能しやすいのではないかと思うのです(硬派な皆さん、お願いですから殴らないでください)。

▲海上釣堀「みうら海王」でワラサと格闘中のE嬢と、E嬢に大物の釣り上げ方をレクチャーする海王のスタッフさん。このような感じで、ドサクサにまぎれて女子と仲良くなれるチャンスも多いのが釣りというもの ▲海上釣堀「みうら海王」でワラサと格闘中のE嬢と、E嬢に大物の釣り上げ方をレクチャーする海王のスタッフさん。このような感じで、ドサクサにまぎれて女子と仲良くなれるチャンスも多いのが釣りというもの

ということで「釣りを通じてモテる計画」であります。当然、同行した女子を感心させられる各種釣りテクを備えていることは大前提ですが、それに加えて「車」も、ひとつのモテ要素ではあるはずです。

モテ期というものを経験しないままおっさんになったわたしが言っても説得力ないですが、各所で生取材した話や文献で学んだ知識を総合しますと、「モテる釣り車」の条件はおそらく以下のとおりです。

●ボディサイズがそこそこデカく、着座位置が高めである。
●財力とセンスがそれとなく感じられる車種である。
●何となく家庭的すぎたり、ありふれすぎてはいない、ややエッジの立った車種である。
●乗り心地が悪くない車種である。

……ボディタイプとしては要するに今流行りの「SUV」になるでしょうか。ということは、「そこそこデカくて、そこそこ高級な、エッジの利いたSUV」を選べばモテる(可能性がある)ということです。そういったSUVは様々あるでしょうが、かなり有力なのはトヨタ FJクルーザーです。

▲北米専用モデルだったが、日本でも2010年11月から販売されている人気SUV、トヨタ FJクルーザー ▲北米専用モデルだったが、日本でも2010年11月から販売されている人気SUV、トヨタ FJクルーザー

……わかりませんが、その姿からはモテオーラが伝わってくる気がします。過日見たテレビ番組では演出家のテリー伊藤さんも、ご自身が所有するFJクルーザーに美女2人を乗せて「モテ散歩」をしてました。さすがはテリーさん、モテのツボをわかってらっしゃいます。

しかしFJクルーザーの問題は「お手頃価格とはいえない」という点です。新車価格は324万円(税込)~で、中古車のボリュームゾーンも270万~310万円といったあたり(2015年6月15日現在)。超高額ではないかもしれませんが、逆に超お手頃ともいえない価格です。正直、もうちょっと手頃なモテSUVはないものでしょうか?

あります。それは、わたくしが思うに「ボルボ XC90」です。

▲ボルボ初のSUVとして2003年5月に登場したXC90。いわゆる「プレミアム輸入SUV」というやつだ ▲ボルボ初のSUVとして2003年5月に登場したXC90。いわゆる「プレミアム輸入SUV」というやつだ
▲7人乗りの3列シートを採用。写真は前期型で、本国とアメリカではすでにフルモデルチェンジを実施した ▲7人乗りの3列シートを採用。写真は前期型で、本国とアメリカではすでにフルモデルチェンジを実施した

輸入車好きの人はよくご存じでしょうが、XC90というのはボルボが2002年から2014年までの長きにわたり生産した同社の最上級SUV。搭載エンジンは時期により様々なタイプが用意され、デザイン的には2006年10月を境に前期型と後期型に分かれます(後期型はフロントグリルの意匠が変更され、バンパーもボディ同色になりました)。

……どうでしょうか? 女子が一般的に好きな「SUV」であり、しかも彼女らが(たぶん)好きな「ボルボ」「北欧デザイン」であり、その中でも「最上級モデル」です。これぞ財力とセンスをそれとなくアピールでき、エッジの利いた感じでありながら決して嫌味ではない(なんたって北欧デザインですから)、そして釣り車としての機能性も十分に高いという、合理的な選択であるはずです。

▲高級感は十分あるのに、決して嫌味ではないナチュラルテイストなのが北欧流。いかにも女子ウケしそう? ▲高級感は十分あるのに、決して嫌味ではないナチュラルテイストなのが北欧流。いかにも女子ウケしそう?

それでいて、せいぜい130万~170万円ぐらいで走行距離5万km前後の物件が買えてしまうのがXC90のステキな点です。わたしなどは中古車の鬼ですから、前期XC90を街で見れば「……158万円ぐらいかな?」とかわかってしまいますが、普通の人はそうは思いません。「何か知らないけど、とにかく高そうなボルボ」と、それが一般人のXC90に対する印象です。間違いありません。

まぁ釣り車として使うにはやや大柄すぎると感じる人もいそうですし、サイズに伴う燃費のイマイチさも正直あります。しかしそのあたりは「モテる(可能性がある)」「そもそも中古車価格がかなり手頃」というストロングポイントとのトレードオフとして考えれば、ある程度納得できるのではないでしょうか。

▲サイズ的にそこそこ大きいため釣り場での機動性はやや落ちるかもしれないが、4WDなので走破性は十分 ▲サイズ的にそこそこ大きいため釣り場での機動性はやや落ちるかもしれないが、4WDなので走破性は十分

ということでボルボ XC90、ある種の人はぜひご注目ください。


text/伊達軍曹