【伊達セレクション】異端の中古車評論家・伊達軍曹、スズキ ハスラーについて考える
2014/02/13
予算150万円、狙うは新車のハスラーか、中古のガイシャか!?
浜松駅でも大人気のスズキハスラー
ハスラーがキテる。例えばの話、東海道新幹線浜松駅のホーム階段を降りると、さすがスズキのお膝元だけあって、そこには「プチ・スズキブース」のようなものがあり、旬のスズキ車が常時2台ほど展示されている。以前は、わざわざ足を止めてスズキ車をまじまじと眺めるビジネスパーソンはほぼゼロだった。しかしハスラーが展示されるやいなや、多くのパーソンがあの出張用のコロコロを放りだし、ハスラーを間近でガン見しているのだ。
筆者は国産車にはあまり興味がない輸入車党と自認しているが、しかしハスラーの人気っぷりは、そんな筆者にとっても大変喜ばしいものである。なぜならば、筆者はかねがね“あんな感じの車”の登場を待ち望んでいたからだ。
“あんな感じの車”とは、「スタイリッシュで斬新で」「しかし何かのあからさまなパクリデザインではなく」「スタイルを優先するあまり実用性が犠牲になっておらず」「古くさい伝統を破壊するような得体の知れないパワーがあって」「かさばらないサイズで、誰でも買える値段で」という感じの車である。「iPhoneのような車」とも言えるのかもしれない。
……と、ハスラーを礼賛する気持ちに嘘はないが、しかし前述のとおり輸入車党である筆者としては、ここはひとつプロレス的悪役になって「ケッ! 軽自動車ごときに輸入車が負けるはずねーだろ!」的なことも言っておきたい。
ということで、いきなりではあるが「スズキ ハスラーvs.輸入中古車連合軍、全面抗争!」をここに開催する。もちろん、支払総額150万円前後になるだろうハスラーとウン百万の高級輸入車を対抗させても意味がないため、あくまでも「総額約150万円級」という同ウェイト同士で正々堂々戦う所存だ。
新車のハスラーvs輸入中古車全面抗争、勃発!
■輸入車先鋒:ミニおよびミニクラブマン
「遊べる軽、出た!」というのがハスラーのキャッチフレーズだが、「遊べる」といえばこちらのほうが先手である。燃費と維持費では敵わないが、総合的に見てミニなら引き分け、クラブマンならば輸入車軍の勝利だ。
■輸入車次鋒:現行フォルクスワーゲン ポロTSI
後席を倒せばハスラー的にガンガン荷物を積むことも可能。各種の精度はこちらが断然上で、燃費も、走りの楽しさを加味すれば勝負にはなる。問題は、やや真面目くさった印象が強い点か? ……微妙だが、引き分けとしたい。
■輸入車中堅:フォルクスワーゲン アップ!
新世代軽自動車に迫る燃費性能を誇り、しかし長距離を高速巡航する際にはこのサイズとは思えないほどの超絶安定性を発揮。が、日本人から見るとチープすぎる装備類が、主審によっては減点対象か。……引き分けだ!
■輸入車副将:現行ルノー メガーヌ
車格、装備、走行安定性等々でメガーヌの圧勝と思われるが、そもそも目指している世界がまったく違うため、もはや異種格闘技戦。無効試合とする。
■輸入車大将:旧型ルノー カングー
ガンガン積めて、実はビシビシ走れて、ポップでおしゃれでという、総額150万円級輸入車軍の不動の大将。普通に考えればカングーの圧勝だが、車の性格上かなり使い込まれた中古車も多いのが難点。ナイスな物件が見つかればという条件付きで、旧型カングーの勝利としたい。
以上のとおり2勝2分け1無効試合となった今回の対抗戦だが、もちろんこれは筆者の勝手な判定であり、100人いれば100通りの選手選考や試合結果があるだろう。いずれにせよ、ハスラーという好敵手が現れたことで自動車界全体が盛り上がるのは大歓迎である。
ということで、今回の伊達セレクションはずばり「スズキ ハスラーの対抗馬的150万円級輸入車」だ!
- 「ハスラーの対抗馬的150万円級輸入車」を探す
- 伊達軍曹.com(伊達軍曹公式サイト)
こちらはミニのホイールベースを延ばしたシューティングブレークである「ミニクラブマン」。おしゃれっぷりと実用性が見事に両立している名車だ

支払総額150万円前後で走行1万km台の中古車が狙える現行VWポロ。素晴らしい車だが、ちょっと真面目くさってる感じが難点といえば難点?

ソフトな乗り味が魅力の「ルノースポールではない現行メガーヌ」も総額約150万円級。しかし、これとハスラーを戦わせるのはもはや異種格闘技戦か?

積んで良し、走って良し、眺めて良しの旧型ルノーカングーは、個人的にはハスラーより上と評価。だが車の性格上、使い込まれている中古車も多い

【伊達軍曹 Sergeant DATE】東京都杉並区出身の輸入中古車研究家。外資系消費財メーカー本社勤務の後、出版業界に。現在は「輸入中古車は、その価格にかかわらず素晴しい!」との見方を核とする輸入中古車研究家として各誌で活躍。雑誌「カーセンサーEDGE」では「中古車相場 威力偵察隊」を連載中
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