【オンリーワンを探せ】初代ディグニティは総生産台数59台という超レア車!
2014/01/20
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2014年1月7日に発見したのは「三菱 ディグニティ」です。2012年に日産からシーマのOEM供給を受けて約11年ぶりに復活しましたが、ご紹介するのは三菱がかつて開発・生産していたものです。
かつての三菱の最高級車、初代ディグニティはこの世に59台しかない!?
ディグニティは三菱 プラウディア(トヨタ セルシオや日産シーマの対抗馬)をベースに285㎜ロングホイールベース化されたリムジン仕様車。新車時価格は999万円でした。
2000年当時、国産メーカーの最高級車といえばトヨタ センチュリー、日産 プレジデントが市場をほぼ二分していました。そこに食い入るべく、三菱はそれまで「デボネア」と呼んでいた最高級モデルをフルモデルチェンジし、名称を変更した上で、あえてリムジン仕様で食い込んでいったんです。
しかし、デビュー後まもなく三菱の経営が急激に悪化。コストカットを余儀なくされ、ディグニティは生産中止に追い込まれました。なお、巷では平成不況や、高級車なのにFFであったこと、“三菱色”が強く映るので他企業経営者に敬遠された、など様々な理由がささやかれています。
ひとつ確かなことは、まったく売れなかったという事実です。ディグニティの生産期間は約1年半。総生産台数は59台と天然記念物認定をしてあげたくなるほどです。
搭載する4.5L V8エンジンは「GDI」の名称で三菱がプロモーションしていたもの。当時としては珍しい直噴ガソリンエンジンです。「直噴エンジンでこれだけ振動を減らしているのは立派」と他社のエンジニアが某所で語っていたことを鮮明に記憶しています。
さらに、レーザーで前方車両との車間距離を認識し速度を加減速するアダプティブクルーズコントロールや、白線をはみ出したら注意を促すレーンキープアシストなど、最近になって一般化してきた装備を標準で備えていました。
当該車両、走行距離は26.4万kmとかなり多めです。販売店も多走行ゆえ、“売りにくい”ことを前提に総額158万円という破格なプライスを掲げているのでしょう。写真から内装の状態を推測するに、キチンと手入れがされてきたことがうかがえます。
さすが法人ワンオーナー&ディーラー整備記録簿付きといったところ。タクシーが良い例ですが、走行距離よりも整備内容のほうが車にとっては重要なんです。しっかりメンテナンスされてきた車なら、多走行でもあまり問題はないと思います!
Text/古賀貴司(自動車王国)
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