ここ数年の自動車業界のキーワードは“エコ”。現在はそれがトレンドなのでしょうが、一方でそういった車には「心がときめかない」といった方もいらっしゃいます。今回はそんな方にオススメしたいスポーツカー、三菱 GTOをご紹介します。

本格4WDスポーツカーのGTOが登場したのは1990年10月。GTOにはV6 3Lのツインターボエンジンを搭載したモデルが用意されており、その動力性能はハンパじゃありませんでした。

最高出力は280馬力、最大トルクは圧巻の42.5kg・mを発揮。280馬力は今でこそ特別ではなくなってきましたが、当時は馬力自主規制枠があったため、これがマックス。軽度のチューニングですぐにウン百馬力を発揮する驚くべき資質を備えていました。

このパワーを受け止めたのが、センターデフ方式の4WDシステムです。「走行性能を高めるために4輪すべてを制御する」というオールホイールコントロールの考え方に基づき、前後輪を同方向に操舵する4WSや電子制御サスペンションなどを採用しています。

また、ツインターボモデル(98年以降のモデルを除く)には、迫力あるサウンドが楽しめる「アクティブ・エキゾースト・システム」を搭載。ノーマルモードとサイレントモードが選べました。ほかにも、時速80km以上になると自動的にリアスポイラーが可変する「アクティブ・エアロ・システム」なども装備しています。

古い車とはいえ、安全面にもぬかりはなく、ABSやエアバッグシステムなどもしっかり備えています。

さて、そんなGTOも気づけば20年選手。デビュー当時に憧れ、いつかは…と思っていた方もいらっしゃるでしょうが、購入するならそろそろラストチャンスといえそうです。

流通量は全国で40台前後。ターボとNA比は半々で、MTとATは7割方MTという状況です。メインとなる価格帯は30万円~90万円で、具体的にはツインターボモデルの走行距離5.4万km+修復歴なしの物件が、車両本体価格で45.9万円です(1月9日現在)。

エコカーもいいですが、こういった圧倒的な動力性能を誇るスポーツカーに胸躍るという人も多いはず。こんな時代だけに、今後こういった車が再び登場するかはわかりません。後悔しないためにも、味わえるうちに手に入れておきたいものです。

Text/金子剛士

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