ガラスルーフを全面に採用した電動ハードトップオープン

「普段は室内が静かなほうがいい」「盗難が心配」などという声に応え、最近ではソフトトップではなく、電動ハードトップの「クーペカブリオレ」と呼ばれるオープンカーが増えています。今回はルノーが旧型メガーヌに設定した「グラスルーフカブリオレ」をご紹介します。車名のとおり、屋根の部分をガラスにした4シーターモデルで、2005年1月に発売されました。

新車時の車両本体価格は388.5万円。最高出力133psの2Lエンジンと4ATの組み合わせはベースとなったメガーヌと共通ですが、ホイールベースは短縮されて剛性が強化されています。そのため大人4人乗車が可能なものの、後部座席はレッグスペースがかなり狭小な上、背面が垂直に近く立っています。長時間のドライブはあまりオススメできません。

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その一方でラゲージスペースは広大。クローズ時のトランク容量はVDA法で490Lと、このクラスのオープンカーとしては破格の広さです。独カルマン社の手による電動開閉式のルーフは、そのトランクに22秒で収納可能。オープン時のリアシートに装着するウインドディフレクターが標準装備され、冬季にうれしいシートヒーターもしっかり備えています。

頭上のガラスルーフは赤外線を78%、紫外線を95%遮断するという特殊なガラスです。もちろん、直射日光を避けるためのサンシェードも備えますが、ガラススペースが非常に大きい車なだけに、特に女性は日焼け対策を怠りなく。安全性はユーロNCAPで5つ星を獲得するなど、折り紙つき。万が一のときに飛び出すロールオーバーバーはクローズ時にも稼働する仕組みです。

本国仕様と違い、17インチにアップされた足回りのせいか、低速での乗り心地はフランス車にしてはちょっとゴツゴツした印象。4ATのミッションも洗練されているとはいえないぎこちなさです。しかし剛性感はオープンカーにしては高く、機敏な動き。トルクが低速で厚めで扱いやすいこともあって、ゆったりとオープンエアを楽しむにはピッタリの優雅さです。

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本稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されている物件数は4台。うち62万~70万円の物件が3台ですが、走行距離はいずれも6万km以上。もう1台は走行距離が2.1万と少なく、フェイスリフト後の後期型で販売店がルノーディーラーという好条件ですが、価格は199.8万円と高額。状態によって価格差がある相場状況となっています。

オープン時もクローズ時も洒落た雰囲気を味わえるデザインはルノーならでは。ちょっと硬めのレザーシートは座り心地が良く、長時間のドライブも苦になりませんし、取り回しが良さやトランクの広さなど、意外に実用性も高い1台です。興味をもった方は下の検索窓に「メガーヌ グラスルーフ カブリオレ」と入力し、検索してみてください。


Text/渡瀬基樹