ルノー 5ターボⅡにランチア デルタ! WRC好きのスチャダラパーBoseが大興奮!!
2017/01/03

旧車屋さんは敷居が高い? そんなことありません!
日本のヒップホップシーン最前線でフレッシュな名曲を作り続けているスチャダラパーのMC、Boseが中古車情報誌『カーセンサー』にてお届けする人気連載「Bosensor」。カーセンサー本誌で収録しきれなかったDEEPでUNDERGROUNDな話をお届けっ!!
今回はピィーコレクションにお邪魔した記事(関連リンク参照)の後編です。
編集部ゆきだるま(以下、ゆきだるま):Boseさん、こちらのお店はガレージの中にも中古車が展示されているみたいですよ。
Bose:僕も気づいてたよ。たださ……あの中、かなり敷居が高くない?
持丸店長:えっ? そうですか?
Bose:さっきこっそり覗いたけれど、展示してある車が相当珍しいし、向こうのテーブルでは常連っぽい年配のお客さんたちがコーヒー飲みながら談笑しているじゃないですか。典型的な、若造や素人が近寄りがたい雰囲気ですよ。僕の印象だと輸入車より国産旧車を扱っているお店の方が敷居が高い感じ(笑)。前にいすゞ 117クーペを買ったとき、とにかく入りづらくてお店の前を何往復したかわからないよ。
持丸店長:そんなことはないんですけれどね~。でも言われてみれば外の展示場を見ている人は、ガレージの入り口から中を覗いている人が多いかも(笑)。
Bose:手前まで来ているならあとひと押しだよ。じゃあせっかくなんで僕も中を見させてもらいます!
Bose少年の記憶に残る車を発見! 日産 サニークーペ

Bose:うわっ、懐かしい!! これ、僕が子供の頃に親父が乗っていた車だよ。後部座席に子供が3人座ってよくドライブに行ったな。この時代の車って小さくても室内は広いんだよね。360ccの軽自動車でも後ろに大人が2人乗れる。おもしろいよ。
持丸店長:この車は先日、芸能人の愛車歴を紹介する番組にお貸ししたものです。
Bose:あの番組、僕も大好き! それにしても「Bosensor」の取材でお邪魔するお店では、あの番組に車を貸したという話をよく聞くなあ(笑)。
美しさが色あせない、小さな貴婦人バンデンプラ プリンセス

Bose:バンプラ、憧れたよね。男同士で古い車が出ている雑誌を見ているところに女の子が来て写真を見ると、まず全員が「これが可愛い!」ってなる車。
持丸店長:ゴージャスなフロントマスクに長いホイールベース、インテリアにはアンティークなウッドパネル。まさに“小さなロールスロイス”ですよ。
Bose:僕は後部座席に付いたピクニックテーブルが好き。あ、これにはちゃんとクーラーも付いているんだ。効く効かないは別にして、安心感はあるね。本当、バンプラは永遠のオシャレアイテムだよ。
ラリーで活躍した日産 ブルーバード

Bose:510ブルーバードだ。こんなに小さかったんだ。
持丸店長:これは1800ccのSSSです。ラリーでも活躍したブルーバードの中でも最も人気のあるモデルですね。
Bose:これは1971年式だけれど、これくらい古い国産車を扱うお店が一番敷居が高い感じがする。乗るのもドキドキだしね。
Bose少年が憧れた、幻の名車を発見!!
Bose:店長……。ちょっと聞いてもいいですか?
持丸店長:なんですか?
Bose:ガレージの一番奥……。リフトの上にある車は売り物?
持丸店長:あそこにあるのは商品ではないです。社長がこれまで乗ってきた車を置いてあるんですよ。
Bose:真ん中にあるの、ルノー 5(サンク)ターボⅡじゃないですか!!! 僕は子供の頃にWRCが大好きで、ラジコンもWRCモデルばかり持ってたの。これ、初めて実車見たよ。すげえ!!!!

持丸店長:あれは当時のディーラーであるキャピタルが入れた正規もので、11台しか日本に入っていないうちの1台らしいですよ。たぶん社長は売る気ないでしょうし、値段も付けようがないんじゃないですかね。左のレビンと右のミニも社長が乗っていたものを売らずに保管しているそうです。
Bose:確かにガレージの中は古い車のポスターがたくさん貼られていたり、ラジコンの飛行機やカートが飾られていたり。社長の“城”という雰囲気がにじみ出ているなあ。
持丸店長:やっぱり本当に気に入った車を扱えるというのは車屋冥利に尽きますよね。うちは仕入れも社長の目にとまったものだけ。売れるか売れないかよりも気に入ったかどうかで店頭に並べるようにしています。僕も好きな車をいじれるから楽しんでいますよ。

Bose:ちなみに店長はどんな車が好きなんですか?
持丸店長:旧車が好きで、いろんなものに乗ってきました。あるときからはミニですね。たまたま自分の車が壊れたときに代車がミニしかなかったんです。当時の僕はミニに興味がなかったので「仕方ないか……」という感じだったのですが、乗ってみたらすっかりハマってしまいました(笑)。
Bose:素敵なハマリ方じゃないですか(笑)。
持丸店長:でもね、困ることもあるんですよ。普通は車屋に勤めていると一般の方より車の選択肢が豊富と思われるでしょう。でも実は逆です。どんどん狭くなっています。お客さんに車を勧めているときに自分の愛車を聞かれ、素直に答えると「僕にこれを勧めるのにあなたは全然違うものに乗っているじゃん」となることもあって(笑)。
Bose:確かにこれだけいろいろあると、お客さんが見に来たものと自分の愛車の方向性が全然違うこともありそう。
持丸店長:お客さんから「今お店にあるミニで一番いいのはどれ?」と聞かれたことがあります。そのとき僕は自信を持って「僕が乗っているミニです!」と答えちゃったんですよ。だって手塩にかけて仕上げたものですから。そうしたらお客さんが「じゃあそれを買う」と言って、なぜか自分の車を売ることになったり……。

Bose:商品と自分の持ち物の境界線があいまいなんだ(笑)。
持丸店長:だから今はスズキのバイクに乗っています。僕も社長も、バイクの方も好きなんですよ。
Bose:お店には古いバイクもたくさん並んでいるもんね。
塗装のヤレを直しただけでもマニアは悲しむ
Bose:品揃え以外にお店がこだわっていることってありますか?
持丸店長:車の仕上げには気を使いますね。古い車だとエクステリアにクリアボケ(塗装の劣化)があることも珍しくありません。全塗装で直すことは簡単なのですが、なぜクリアボケしているかというと、その車がオリジナル塗装だからなんですよね。そこまで含めて愛してくれる人も多くて。うちでは全体を見ながらクリアボケもあえて残すようにしています。
Bose:古着も適度な使用感が味になる。それと同じだね。

持丸店長:最近はカーセンサーnetをはじめとする中古車サイトの情報が充実していて、古い車好きのお客様の中には細かいところまでチェックしている人が多いんです。例えばある店で90万円で売っていた車がそこで売りきれなくてうちに回ってきたとします。うちでは80万円で店頭に並べた。すると「ようやく予算で収まる価格になったので見に来た」と。そのとき、再塗装してあるとすごくがっかりされるんです。「自分はずっと前から追いかけていたのに」と。変な言い方ですが、お店以上に履歴を知っているお客様も珍しくありませんからね。もちろんお客様からキレイにしたいという要望があれば対応します。
Bose:ものすごい追いかけ方だな(笑)。塗装以外にも古い車を買うときはこういうところを見ておけという部分はありますか?
持丸店長:僕らが車を仕入れるときも、たまにどんな人が乗ってきたかわからないことがあります。そんな場合、僕はモールを見るようにしています。モールの隙間に固形ワックスが付着していたりすると、車好きの年配の方がずっと大切に乗ってきたんだなと判断したり。
Bose:世の中の流行とは関係ないところで、お爺さんが新車から何十年も乗っていたという車もあるからね。
持丸店長:あとこれは僕の個人的な考えですが、古いから壊れやすいだろう、少しでも新しい方がいいだろうということはあまり気にしない方がいいと思います。
Bose:ビートルについて教えてもらったとき(前回参照)も、実は新しいインジェクションの方が扱いが難しいという話があったもんね。今回お邪魔したピィーコレクションには本当にいろいろな旧車があっておもしろかったな。的を絞って見に来るのもいいけれど、あえて目移りするのも楽しいと思うよ。ジャンルがまったく違う車でも普通の車からの距離感が似ているから、意外な車を気に入るかもね。
持丸店長:それもおもしろいと思います。僕が覚えている中で一番凄かったのは、ミニを買いに来たお客様が最終的にハコスカを持って帰ったというのがあります(笑)。もちろんハコスカが今のような相場になる前の話ですが。
Bose:すごいブレ方(笑)。でもそれこそが中古車選びの醍醐味だね!
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