新車時価格に支配されない中古車相場は
人気のバロメーター

中古車相場を眺めることを日課としているワタシが、フィーリングで選んでいることをあらかじめお断りしておきます。具体的にいついつと比べてナン%下がったとは言えませんが、“えー!”とか“ほう!”とか思えるものをランキングしてみました。かつての高級車も、驚くほどリーズナブルな値段で流通しています。人気が左右する中古車相場ならではですね。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。


第10位はBMW M5(旧型)。もう2度と登場することがないであろう、V10NAエンジンは今のうちに味わっておきたいものです。かつて「羊の皮を被った狼」と謳われてきたM5ですが、全然控えめなルックスではありません(笑)。ヤル気満々で、いつもジムで鍛えているムキムキなビジネスマンといった雰囲気でしょうか。セダンっぽく淡々と走れますけど、飛ばせばスポーツカー。300万円台後半から狙えるようになっているんですが、これ以上安くならないのでは?


第9位はホンダレジェンド(現行)。中古車で高級セダンを狙う人に、レジェンドは忘れられた存在? 中古車価格の暴落ぶりには驚かされます。ホンダのいわゆる認定中古車だって100万円台前半から狙えます。現行モデルのホンダ最高級セダンで、この値段は…、よほど人気がないのでは? 前後のみならず左右までトルク配分する4WDシステムがもたらす走行安定性は、異次元ですよ。維持費もそこまで高くないですし、偉大なるコストパフォーマーです。


第8位はメルセデス・ベンツSクラス(旧型)。旧型モデルとて、かつてのメルセデス・ベンツ最高峰です。「腐ってもタイ」とは大変失礼な表現ですが、コストパフォーマンスを考えれば“大間産のマグロ”くらいです。旧型Cクラスと中古車相場はあまり変わらないという事実から、中古車ユーザーの堅実ぶりがうかがえます(笑)。そりゃ大排気量の6LのV12モデルは、発熱量の多さから劣化する部品が多いのは事実かもしれません。維持していくコストも考えて手を出せば、素晴らしい選択肢です。


第7位はマツダロードスター(現行)。FRオープン2シーターを作り続けてくれてありがとう! とマツダに言いたいくらいです。絶対性能を突き詰めると不満を覚える面があるかもしれませんが、ライトウェイトスポーツカーの楽しさを手軽に味わえるという点では世界一かもしれません。しばらく下げ止まっていた感がある中古車相場ですが、そろそろ100万円弱から狙えます。実用性うんぬんで購入を踏みとどまっているのであれば、ぜひ試していただきたい一台です。


第6位はトヨタエスティマハイブリッド(現行)。フルサイズミニバンの人気をアルファードやヴェルファイアがかっさらっているうちに、エスティマは現行モデルながら順調に値落ちしてくれています。なかでも新車時価格が高額なハイブリッドモデルを狙うと、お買い得感が高いと思います。電子レンジやヘアドライヤーを賄える1500Wの電源を備えていることも、個人的には気に入っています。100万円台後半から狙えて、キャンピングカーとしての素質もあります!

Report / 古賀 貴司