日産 フーガ(旧型)≪モデル概要&購入アドバイス編≫
2010/01/22
プレミアムな装備とダイナミックな走り
2つの魅力を高次元で昇華させた高級セダン
モデル概要
セドリック/グロリアの後を継ぎ、名前も新たに2004年にデビューしたのがY50型フーガ。車名は変わっても、モデルコード「Y」を継承する後継モデルだ。コンセプトは「優雅さとダイナミックさと新しさに満ちたプレミアムスポーツセダン」。2007年12月までの前期型には、セドリックに代わるラグジュアリー系グレードのVXが設定されていたが、2008年以降はパフォーマンス系だったグロリアの血統を受け継ぐGTグレードに統一された。
走りのキャラクターはドライバーズセダン。しかし、日産製セダン最長となる2900mmものホイールベースが与えられており、後席レッグスペースはシーマやプレジデントさえ凌ぐ。
メカニズム
前期と後期で異なるV6エンジンを用意
エンジンはデビュー時から存在する2.5Lと3.5LV6に加え、2005年8月に追加された4.5LのV8エンジンの3タイプを用意。VQ系のV6エンジンは、2007年12月のマイナーチェンジで高回転/高出力のHR型へ変更された。トランスミッションは5ATのみ。変速制御には、運転操作に応じて変速パターンを自在に変えるアダプティブ制御を導入している。さらに、シフトダウン時に回転合わせを行う“シンクロレブコントロール”も採用された。
後輪駆動のFRが基本だが、3.5L車には電子制御トルクスプリット式の4WDも用意。
サスペンションは前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンク式で、ダンパーには乗り心地向上のためにリップルコントロールが採用される。
ドライブフィール
ドライバーズセダンを具現化した乗り味
鍛え上げられた上腕二頭筋を思わせる紡錘形フォルムが生み出す走りは、まさに筋肉質。長いサスペンションストロークをダンパーで巧みに操り、しなやかで無駄な動きの少ない操縦性能に仕上げている。XVとGTで乗り味に差はないが、GTのスポーツパッケージ(後期型ではタイプS)にはスポーツサスペンションが装備されているため、一段と引き締まった走りが味わえる。エンジンは2.5Lで特に不足は感じないが、高回転まで回る後期型のほうが面白い。ATのマニュアルモードを駆使すれば、シンクロレブが小気味良く反応し、より走りが楽しめるだろう。3.5Lならば、フーガのダイナミック性能が存分に堪能できる。4.5L車は重厚にして豪快。圧倒的な加速感と高い安定性も高評価だ。
内外装
存在感のあるスタイルと格調の高い内装
フーガのたたずまいは独特。同クラスセダンの中では最も背が高い反面、全幅は1795mm(後に1805mm)に抑えられているため、どっしりとした重量感がある。この重みのあるスタイルは、特に分厚いトランクのある後ろ姿が顕著。ただし、ボンネット/トランクリッドおよび4枚のドアにはアルミ合金を採用して軽量化を図っているため、重量は国産のライバル車と同等だ。インパネのデザインも重厚感にあふれており、広さよりも格調高さを重視。トリムはピアノブラックやアルミ調、木目調、本木目の4種類があり、面積も大きくとられている。
本革シート仕様の前席には、座面と背面から冷温風が吹き出す空調シートを採用。後席電動リクライニング+ヒーター付きシート仕様もある。
購入アドバイス
狙い目グレード
流通量が多く相場は低めの前期型を狙え!
V6エンジンの換装や装備の追加で、より走りに磨きがかけられたのは2007年12月以降の後期型。しかし、流通量は50台以下とかなり少ないため、気に入った物件に出会う確率は低い。相場も大幅にアップするため、これらを考慮すると2007年式以前で探すのがベターだ。この中では250 GTが最も豊富だが、おすすめは次に多い350GTスポーツパッケージ。強化された足回りでダイナミックな走りを楽しめる上、助手席パワーシートなども装備されている。購入時チェックポイント
前オーナーの乗り方を推測して下見を
プレミアムセダンだけあって丁寧に乗られていた物件が多いものの、GT系はアクティブな運転をされていた可能性もある。できるなら実際に試乗し、足回りやエンジンの状態などを確認しよう。試乗できない場合でも、せめてエンジンをかけて異音をチェックしておくと安心だ。リコール関連情報はいくつかあるが、その一つが冷却装置の不具合。2004年10月から2005年12月に製作された車両の一部に見られる現象なので、該当する場合は確認してみよう。日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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