トヨタ ヴィッツ(現行型)≪モデル概要&購入アドバイス編≫
2009/10/07
走行性や安全性に加え、居住性や質感など
すべてを向上させた次世代コンパクトカー
モデル概要
欧州市場への本格的進出を期して、世界基準の性能が与えられたコンパクトカーが、1999年に発売された初代ヴィッツ。欧州ではヤリスの名で、トヨタブランドのエントリーモデルに位置する。2代目となる現行型でも、高めの位置に座らせて前後方向の室内空間を稼ぐ合理的パッケージングを踏襲。「MY PROUD COMPACT」をコンセプトに、ビギナーだから、あるいは経済的理由で選ぶのではなく、「良い車だから」という理由で誇りをもって所有できるコンパクトカーを目指して開発された。バリエーションは豊富で、ビジネス向けのBからスポーティなRSまでの5系統。現在はXが廃止され、装備充実のI’llが設定されている。メカニズム
4種のエンジンと3種のミッションを用意
1L、1.3L、1.5Lと、エンジンバリエーションは豊富。1Lはダイハツ製の直3、1.3Lは2種類あり、FFには燃費重視の、4WDにはトルク重視のエンジンが搭載される。1Lと1.5LはFFのみの設定だ。トランスミッションは2WDがベルト式CVT、4WDが4ATで、RSには唯一、5MTも用意された。1Lモデルに設定されるインテリジェントパッケージには、アイドルストップ装置を装備。アイドルストップ時にはリチウムイオン電池から電力が供給され、空調のブロアやカーナビを駆動する。
サスはコンパクトカーの定番、前ストラット/後ツイストビーム式だが、ショックアブソーバーが従来のトヨタ基準よりサイズアップされている。
内外装
抑揚のある外観と使い勝手の良い内装
販売チャンネルであるネッツ店のトレードマークを中央にあしらい、その上部を盛り上げた造形は、いわゆる「ネッツ顔」。個性的なデザインの多い欧州車の中に埋没しない、「強い顔」を意図している。サイドも抑揚があるデザインで、弓なりのベルトラインが側面全体に勢いを与えている。インパネは左右対称デザインのセンターメーター方式。空調のダイヤルが縦一列に並んでおり、視覚的な個性と使い勝手を両立させている。運転席回りは収納スペースが豊富で、携帯電話や財布の置き場所にも困らない。
後席は全車10度のリクライニングができ、FF車の中~上級グレードには150㎜のスライド機構が採用されている。
ドライブフィール
街でも高速でも不満なく走れるのは1.3L
実用車としてのバランスに優れているのは、165/70R15タイヤ装着車。乗り心地は良好で、コーナーでの姿勢変化は小さくないものの、しなやかでロードホールディングの良い安定した走りっぷりを見せる。185/60R15タイヤ装着車は俊敏さが向上する半面、低速域での乗り心地が少々硬い。ベストエンジンはFFの1.3L。加速は必要十分以上に力強く、高速もゆとりをもって走れる。1Lは低速トルクがあり、高速道路も十分こなすが、そこからメリハリ良く追い越しをかけるとなると、さすがにキビシイ。
RSの専用シートはホールド性良好。この1.5L車は最もスポーティなモデルだが、エンジン、サスともスポーツカーと呼ぶほどハードではない。
購入アドバイス
狙い目グレード
価格がこなれているのは2007年式以前
相場が大きく上がるのは2008年式以降なので、予算を抑えたいなら2007年式以前がオススメ。これらの年式は流通量が多いため、充実装備の1.3Uなど、2008年式以降では流通量が少ない物件が割と見つけやすいのもポイントだ。グレード別でオススメなのは、FFの1.3F。バランスの良い1.3Lエンジンを搭載するほか、ワイヤレスドアロックリモコンといった使い勝手の良い装備が与えられている。もちろん、最も豊富に流通しているというのも美点だ。購入時チェックポイント
室内の汚れやヘタリは隅々までチェックを
日常的な足として使われがちなヴィッツの場合、子供が頻繁に乗せられていた可能性もある。室内に汚れや食べこぼしがないか、シートの隙間やカーペット裏などまで確認しておこう。リコール情報はいくつかあるが、特に対象台数が多いのはシートベルト巻き取り装置の不具合。これは2005年1月~2007年4月に生産された車両の一部に見られる現象で、最悪、火災に至る場合もあるという。対象車両の場合は、対策が取られたかを整備手帳で確認したい。日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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