歴代ランエボの中で唯一のワゴンモデル

スバルインプレッサWRXと共に、公道最強モデルの名をほしいままにしている「ランエボ」。現在はギャランフォルティスがベースになっていますが、第3世代までは車名とおり、ランサーがベースになっていました。今回はランサーベースの最終仕様であるランエボIXに設定されたステーションワゴンモデル、三菱ランサーエボリューションワゴンをご紹介します。

ランエボワゴンはIXのシャーシをベースに、ランサーワゴンの上部をくっつけたモデル。2005年9月に登場しました。6MTを組み合わせる「GT」(新車時価格346.5万円)と5ATの「GT-A」(同341.3万円)の2グレードを設定しています。外見上の見分け方は、フロントのナンバープレートの位置。GTは左側に、GT-Aはセンターに配されています。

パワートレインは、細かく差異がつけられています。GTはIXセダンの「GSR」同様、インタークーラー付きターボを備えたMAX280psの2Lの直4DOHCエンジンを搭載。一方でGT-AはVIIのATグレードと同じ、272psのエンジンとマニュアルモード付きの5ATを組み合わせます。
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サスペンションやブレーキはセダンと全く同じチューニングがされています。重量が110kg増えている上、剛性を高めるにも限界があるため、さすがにセダン同様の安定性が得られるとは言いがたいですが、その走破性はワゴンとしては驚異的なほど高次元のレベル。もっとも、GT-Aはフロントが約40kg重いため、若干アンダーステアです。

インテリアは基本的にIXセダンと同じで、カーボン調のインパネやレカロシートを採用。ただ、ドアノブやエアコン吹き出し口などにメッキパーツを使用するなど、少々高級感が加えられています。荷室はランサーワゴンとほぼ同サイズですが、17インチの大径ホイールを装着しているため、タイヤハウスの張り出しは大きめです。
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さらに熟成されたランサーエボリューションワゴンMRも2006年8月に登場しています。MRとは「Mitsubishi Racing」の略。こちらもGT(新車時価格348.6万円)とGT-A(341.3万円)の2グレードを設定。GTのエンジンやターボが改良されてレスポンスが高まったほか、フロントの形状変更などによって空力の特性が向上されました。

原稿執筆時点でカーセンサーnetに掲載されているランエボワゴンは19台。GTが5台(うちMRは1台)、GT-Aが14台(同5台)となっています。最高値こそ279.9万円のMRのGT-Aですが、全体的にはMTモデルの方が相場は高め。希少性が高い上、そもそも新車価格が高いことが原因でしょう。最安値は168万円のGT-Aでした。

走りの楽しさを忘れたくないが、使い勝手の良さも求められる家族持ちの皆さんにオススメなスポーツワゴン。ランエボワゴンはその中でも、アウディS4アバントなどと並ぶ、最も贅沢な一台と言えます。今ならまだ、2万~3万km程度の走行距離の少ない良質車が手に入ります。興味をもった方は検索窓に「ランサーエボリューションワゴン」と入力してみてください。


Text/渡瀬基樹