トヨタ クラウン VS 日産 フーガ PART8:~取材を終えて~スタッフ座談会開催
2008/06/05
PART8 スタッフ座談会開催
トヨタ クラウン
日産 フーガ
車の性格はインテリアデザインにも表れている
高橋:トヨタと日産。両ブランドの高級セダンをリポートしてきましたが、乗った感じはいかがでした?籠島:両方ともものすごく楽だよね。それを前提に話をすると、クラウンアスリートはまるで車を運転していることを忘れてしまうような感覚がありました。もちろんこれは良い意味で。リビングのソファに座っているように車内が恐ろしく静か。エンジン音はもちろんロードノイズなどもほとんど入ってこないんですよ。ステアリングも軽いから余計な力を必要としない。その分周囲の安全に気を配れる感じがしたなぁ。
福田:対するフーガは、クラウンとは反対に、運転感覚を積極的に楽しませてくれる雰囲気がありましたね。エンジン音が適度に入ってくるのも意図的だろうし、パドルシフトやリアアクティブステアなど走りを積極的に楽しむ装備も充実している。余談だけれど先日カーセンサー本誌の撮影で旧型オーナーに集まってもらって、新型クラウンアスリートとフーガを試乗してもらったんですよ。フーガはすごく評判良かったけれど、クラウンアスリートはアスリートっぽさが薄まったかもという意見が目立ちました。
高橋:フーガのスポーティさは下品じゃないですよね。いい音はするし楽しめるけれど、やんちゃじゃない。PART7で島崎さんが面白いたとえをしていたのが印象的でした。「クラウンはクリームパスタのような乗り心地で、フーガはガーリックが効いたトマトソース」。心地よい刺激なんですよ。でも品の良さで言ったら、クラウンのほうが圧倒的に上。この車を買う人の多くは40代以上だと思うのですが、フーガなら彼らの子供世代もたまに「父さん、車貸してよ」と言って遊びに行けそう。一方のクラウンアスリートは上品すぎて20代の人だと気後れしちゃうんじゃないかと感じました。余計な心配かもしれないけれど。
子安:それって運転席回りのデザインにも表れているかもしれないですね。フーガはメーターがブルーや赤、いろんな色に光ってとてもきらびやか。クラウンはとても控えめで落ち着いた印象を受けました。これはどっちが好きかは完全に好みの問題。少し派手めが好きならフーガ、シックなものが好きならクラウンを選ぶとしっくりくると思います。
最新技術を惜しみなく投入した両車には脱帽
籠島:投入されている先進技術にも触れたいんだけれど、フーガのインテリジェントペダルはものすごいね。前方の車に接近すると、本当にペダルが足を押し戻すのがわかる。インテリジェントクルーズコントロールも画期的だよ。高橋:クラウンのカーナビと連動したアクセル&ブレーキ制御もすごいなって思いました。ついにここまで来たかと。
福田:僕はフーガのカーナビが気に入りました。直観的に操作できるボタンの配置のしかたとか。これならメカに弱い人でも安心できると思う。決してクラウンのナビが使いにくいというわけではないけれど、フーガの出来の良さに感動したという感じです。
子安:私はいろんな意味で、クラウンに安心を感じましたね。搭載されている技術面はもちろん、後部座席も真ん中までゆったりと座れる感覚とか。
高橋:それではそろそろ「もし買うならどっちを選ぶ?」と結論づけてみましょう。まず僕から。僕はフーガを選びます。判断基準はスポーツセダンという点。やっぱり走った時の楽しみはより多く残っていたほうが嬉しいなって思いまして。走り自体の感覚もそうなんですが、音だったりパドルシフトだったりという演出面でフーガのほうに惹かれました。あと今回試乗した2台だけを比較すると、フーガのほうが車両価格で約100万円安いんですよね。そこも魅力。
福田:僕もフーガを選びます。基準は高橋さんと同様です。ただ本気のスポーツセダンを選びたいと思ったら、今回試乗したフーガの350GTタイプSでもやや不満が残る。一番のお勧めは450GTタイプSです。
子安:私はクラウンがいいですね。運転した時のあの楽な感じはなかなか忘れられません。いい意味で車を感じない、疲れない楽しみがあるんです。遠出をしてもそこで存分に楽しめる。クラウンはぜひ親に乗ってほしい。ゴルフのために長距離を走るタイプなんですが、クラウンなら安心していられます。
籠島:僕もクラウン。福田がフーガなら450GTタイプSだと言っていたけれど、僕も同感。同じ3.5L同士ならクラウンアスリートの楽さを取りたいな。あとフーガを選ぼうとしたらライバル車として欧州のセダンなんかも考えそう。でもクラウンアスリートはそれらとは完全に別のところにいる感じがした。唯一無二の純和風セダン。アスリートもいいし、ロイヤルも積極的に考えたいね。
今回のまとめ
編集部員の好みは見事に分かれた。スポーツセダンとしての性能を重視したいならフーガ、トータルバランスで選ぶならクラウンということころか。子安は本気で親に勧めたいと息巻いていました。次回予告
個性的な魅力が光る輸入コンパクト、フィアット500とミニの比較テストだ!
個性的な魅力が光る輸入コンパクト、フィアット500とミニの比較テストだ!
今回のテスト車両
トヨタ クラウンアスリート | |
---|---|
テスト車両 | 3.5アスリート Gパッケージ(2WD) 567.0万円 |
駆動方式 | 2WD(FR) |
トランスミッション | 6AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4870×1795×1470 |
ホイールベース(mm) | 2850 |
車両重量(kg) | 1660 |
最小回転半径(m) | 5.2 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | V6DOHC |
総排気量(cc) | 3456 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
232(315)/6400 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
377(38.4)/3500 |
使用燃料 | 無鉛プレミアム |
燃料タンク容量 | 71L |
10・15モード燃費 (km/L) |
10.0 |
タイヤサイズ | 225/45R18 |
日産 フーガ | |
---|---|
テスト車両 | 350GTタイプS(2WD) 468.3万円 |
駆動方式 | 2WD(FR) |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4935×1805×1510 |
ホイールベース(mm) | 2900 |
車両重量(kg) | 1710 |
最小回転半径(m) | 5.6 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | V6DOHC |
総排気量(cc) | 3498 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
230(313)/6800 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
358(36.5)/4800 |
使用燃料 | 無鉛プレミアム |
燃料タンク容量 | 80L |
10・15モード燃費 (km/L) |
9.3 |
タイヤサイズ | 245/40R19 |
日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
トヨタ クラウン VS 日産 フーガ PART8:~取材を終えて~スタッフ座談会開催/旬ネタ