ホンダ インサイト VS トヨタ プリウス PART5:インサイトとプリウス2台の一般道/高速道路300kmの燃費テスト!
2009/04/17
PART5 インサイトとプリウス2台の一般道/高速道路300kmの燃費テスト!
ホンダ インサイト
メーターパネル内のマルチインフォメーションディスプレイには、平均&瞬間燃費だけでなく、ECOガイドやエネルギーフローなども表示。HDDナビシステムを装着すれば、エコ運転度採点履歴など、より詳細なデータが得られる。給油量は約18Lだった |
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一般道燃費 | 高速道燃費 | 総走行距離 | 給油量 | 総合燃費 |
---|---|---|---|---|
19.9Km/L | 22.1Km/L | 319Km | 17.99L | 17.73Km/L |
※一般道/高速道燃費は、テスト車両に搭載されている燃費計によるものです。また、総合燃費は総走行距離を給油量で割った数値です
一般道、高速道路を問わず“ハイブリッドカー”を意識させない
今回行った燃費テストの行程は、一般道を走行して東京から大井松田へ。そこで東名高速道路に乗り、静岡ICを折り返し地点に海老名SAを目指すというもの。東京を出発したのが午後5時と遅かったこともあり、一般道は渋滞気味で、高速道路はトラックの交通量が多く、燃費テストを行うには交通状況が悪かったことをお伝えしておこう。まず、一般道におけるインサイトの印象だが、良くも悪くも“フツーの車”というひと言につきる。プリウスとは異なりエンジンが主体のため、ロードノイズとともにエンジン音が常に車内に侵入してくるし、足回りも硬め。ハイブリッドカーに乗っているというより、スポーティなコンパクトカーに乗っている雰囲気だ。
エンジンは88ps/12.3kg-mと、1190kgの車重をもつインサイトにはトルクが多少心もとないが、発進時や加速する時にモーターのアシストが入るため、感覚は小排気量エンジン+スーパーチャージャー。どんな車にも走りの楽しさを付与するホンダらしい味つけだが、今回のように断続して渋滞区間が続く状況では、エンジンもモーターも酷使してしまう結果に。そのことは一般道での燃費の数値を比べれば一目瞭然だ。
一般道では苦しい闘いを強いられたインサイトだが、高速道路では状況が一変。一定速度で、エンジンのみで走行する高速クルーズは、インサイトの得意科目のようだ。加えてトラックを追い越すために加速をする時も、過給器のようにモーターがエンジンをサポートしてくれるので、短期間で追い越すことができる。結果、トラックをかわすために増減速を繰り返す必要があり、一定速度で長時間走行することが困難な状況でも、20km/Lを上回る数値を記録した。
また、静粛性ではエンジン音の分、プリウスに劣るもののクラスを上回る静かさ。特に燃費性能向上のため追求されたトップクラスの空力ボディが利いているようで、風切り音が少なかったのが印象的だった。
トヨタ プリウス
バッテリーやモーター、エンジンの状況が把握できるエネルギーモニターは、エコ運転を強力アシスト。燃費や回収エネルギーのデータは、現在から30分前まで遡って5分おきのデータを表示。約300km以上走行し、給油した燃料はわずか11.49L |
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一般道燃費 | 高速道燃費 | 総走行距離 | 給油量 | 総合燃費 |
---|---|---|---|---|
24.1Km/L | 22.8Km/L | 312.8Km | 11.49L | 27.22Km/L |
※一般道/高速道燃費は、テスト車両に搭載されている燃費計によるものです。また、総合燃費は総走行距離を給油量で割った数値です
新たな車の楽しみ方を提案してくれるプリウス
エンジンがメインのインサイトに対し、プリウスは発進時や低速走行時、モーターのみで走行することが可能だ。そのため、本来なら燃費が悪化する渋滞もプリウスにとっては、ちょっとアクセル操作に気を使うだけで、好燃費が期待できる。実際、今回のテストでも、渋滞にはまった一般道では、それほど燃費走行に気を使うことなく24.1km/Lという好成績を達成。さらにモーターのみで走行するため、エンジン音が室内に入ってこず、静寂そのもの。逆にわずかに聞こえるタイヤの転がり音が気になるほどだ。
一方、高速道路では、インサイトほどモーターを効率的に使っていないイメージ。特に今回のように加減速を頻繁に行わなければならない状況では、エンジンの排気量、モーターの出力ともに数値的には低いインサイトのほうがパワー&トルクのレスポンスが良く、プリウスのほうがトラックの追い越しに苦労した。
静粛性では、高速道路ではエンジンが活躍するシーンが多いだけに、一般道ほど静かではないものの、インサイト同様に空力ボディの採用により、風切り音も少ない。乗り心地はソフトでスポーティではないが、助手席や後席搭乗者にとっては、インサイトよりも好印象のはず。
スポーティな運転を楽しむというよりも、エネルギーモニターなどの燃費のバーに一喜一憂するような、新しい車の楽しみ方がプリウスには似合いそうだ。
なお、今回テストに使用したプリウスはレンタカーで、走行距離1万9278kmの車両。それでもインサイトに対しこれだけのパフォーマンスをもっているということを、明記しておきたい。
今回のまとめ
車本来の走らせる楽しさではインサイトのほうが優れるが、燃費性能では、交通状況を問わずプリウスのほうが上。あらためてプリウスの完成度の高さに驚かされた。次回予告
スタイリッシュなSUVとして優れているのはどっち?
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今回のテスト車両
ホンダ インサイト | |
---|---|
テスト車両 | L 205.0万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | CVT |
全長×全幅×全高(mm) | 4390×1695×1425 |
ホイールベース(mm) | 2550 |
車両重量(kg) | 1190 |
最小回転半径(m) | 5.0 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4SOHC+モーター |
総排気量(cc) | 1339 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
65(88)/5800 +10(14)/1500 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
121(12.3)/4500 +78(8.0)/1000 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
燃料タンク容量 | 40L |
10・15モード燃費 (km/L) |
30.0 |
実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
18.2 |
タイヤサイズ | 175/65R15 |
トヨタ プリウス | |
---|---|
テスト車両 | S 227.0万円 |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | CVT |
全長×全幅×全高(mm) | 4445×1725×1490 |
ホイールベース(mm) | 2700 |
車両重量(kg) | 1260 |
最小回転半径(m) | 5.1 |
乗車定員(人) | 5 |
エンジン種類 | 直4DOHC+モーター |
総排気量(cc) | 1496 |
最高出力 [kW(ps)/rpm] |
56(76)/5000 +50(68)/1200-1540 |
最大トルク [N・m(kg-m)/rpm] |
110(11.2)/4000 +400(40.8)0-1200 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
燃料タンク容量 | 45L |
10・15モード燃費 (km/L) |
35.5 |
実用燃費 (km/L) e燃費提供 |
19.9 |
タイヤサイズ | 185/65R15 |
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