ポルシェ911 ▲2020年8月27日発売の『カーセンサーEDGE』はポルシェ 911特集。1964年の登場から世界中の車好きから圧倒的な指示を集めてきた911。人生においてポルシェ 911を手に入れることは、車好きにとっては大きな意味をもっているのだ。今号の特集では、そんな911の魅力と最新情報を再検証した

スポーツカーの王道、そのポジションは変わらない

911がスポーツカーのスタンダードであることを否定する人はいないだろう。今では不利とされるRRレイアウトを初代から継承しつつ、登場から最新モデルまでの8世代すべての911が、どの年代でも圧倒的な支持を集める。自動車の歴史の中でも希有な存在だ。

また、発売されたモデルの現存率が50%を超えている点も911の特別さを物語っている。

そしてここ日本は、911天国である。海外から見ても特異なマーケットで、走行距離が少なく、程度の良い911が常に中古車市場に花を添えているのだ。

「人生一度は911を」と考えている車好きにとって最大の問題点は価格、である。911はここ5年ほどで相場は上昇し続け、最近高騰は収まったものの、依然高値のまま推移している。デザインが若干異なる最後の空冷993や、登場当初の水冷996の2世代を除けば、ハードルは極めて高い。
 

ポルシェ911▲価格が高騰しているモデルの典型が初代911となる901型。ナローという名前でも知られるこの美しいスポーツカーは、1000万円オーバーはすでに当たり前で、状態や走行距離、希少性が加わるともはや手の出せない価格帯になりつつある。写真は1969年式のT タルガ(取材協力・エーリストガレージ tel.03-3784-2211)
ポルシェ911▲クラシックカーの仲間入りを果たしつつある空冷911の中で、実用性と価格のバランスが良いために人気が高いのが3代目となる964型。911伝統のデザイン、剛性の高いボディ、フラット6エンジンのサウンドなど、ファンを惹きつける要素は多い。写真は1993年式のカレラ2(取材協力・グラーツ・オートモビール tel.03-3702-0066)

車好きを悩ませ、喜ばせる話題に事欠かない

ポルシェ911▲現在、911のベーシックグレードはカレラ。しかし、その名前は元々特別なスポーツモデルにだけ与えられたもの。つまり、911は「どれを選んでも特別なモデル」という、ポルシェからのメッセージが込められているのだ

今、911の購入を考えるなら、王道は空冷なら964、水冷なら997がコストパフォーマンスの面でオススメ度が高い。値落ちを気にするなら価格が落ちにくい991やGT3などの役付きグレードに要注目。

早くもターボが追加された992は、今後GT3やGT2など、上位グレードを続々と追加していく。それが中古車価格にどう影響を及ぼすのか。また、空冷911の価格は今後どんな推移をたどるのか……。

スポーツカーの王道、911は車好きを悩ませ、喜ばせる話題に事欠かない。

今特集で、2020年のポルシェ911と、その買い方についてぜひ楽しみながらイメージしてみていただきたい。
 

文/編集部、写真/デレック槇島、イラスト/あべ あつし

カーセンサーEDGE 10月号
人生一度は911。

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