第33回:『今そこにある危機』 【映画の名車】
カテゴリー: トレンド
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2008/09/16
スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
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■ハリソン・フォードの隠れたハマリ役、ジャック・ライアンシリーズ
(c) 2003 BY PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.
DVD『今そこにある危機』(発売中)1994年・米 監督:フィリップ・ノイス 出演:ハリソン・フォード/ウィリアム・デフォー/アン・アーチャー/ジェームス・アール・ジョーンズほか 販売元:パラマウントジャパン 1,500(税込)
さて、ハン・ソロとインディアナ・ジョーンズのイメージがあまりにも大きいハリソンであるが、1990年代前半にジャック・ライアンというハマリ役を得ていたのをご存じだろうか。ベストセラー作家、トム・クランシーの人気小説シリーズを映画化した『パトリオット・ゲーム』と『今そこにある危機』がそれだ。やや堅めの軍事サスペンスなので、レンタル店のハリソン・フォードコーナーでもイマイチ触手が伸びなかった諸兄も多いとは思うが、簡単にスルーしてしまうにはもったいない面白さ。そこで今回はジャック・ライアンシリーズ初心者にお勧めの後者を紹介しよう。
米国大統領の友人一家がクルーザーで皆殺しにされる事件がカリブ海で起きた。CIA情報担当副長官のライアン(ハリソン・フォード)は、グーリア提督(ジェームズ・アール・ジョーンズ)から事件の調査を命じられ、被害者がコカイン密輸組織でマネーロンダリング役だったことを突き止める。大統領はコロンビアの麻薬カルテルこそ「Clear and Present Danger(今そこにある危機)」だとし、麻薬組織への攻撃をカッター補佐官(ハリス・ユーリン)にほのめかす。カッターから特命を受けたCIA作戦担当副長官のリッター(ヘンリー・ツェニー)は早速コロンビアに飛び、CIA工作員のクラーク(ウィリアム・デフォー)と接触するのだった…。
おっと、早くも脱落者が出ているようですな(笑)。そうなんです。ホワイトハウス、CIA、麻薬カルテル、それぞれが一枚岩ではなく、水面下の行動を起こしまくるので、いったい誰が何をやりたいのかを整理して観ないと置いてきぼりになること必至なんです。だが、そこを乗り越えると、駆け引きに次ぐ駆け引きのスリルが、これでもか、これでもかというほど味わえるのだ。どうかグッと集中して序盤戦を乗り切ってほしい。
アクションとしての最大の見せ場はコロンビア入りしたFBI長官一行が麻薬カルテル側に襲撃を受けるシーン。ライアンたちが乗っている4台のシボレー サバーバンを、傭兵たちが緻密な作戦で封じ込め、ミサイル・ランチャーを撃ち込むのだからたまらない。頑丈なサバーバンが1台、また1台と大破していく一連のシークエンスは壮絶の一言。もちろん、ちゃっかりライアンだけは無傷なのはご愛嬌。
このように無敵の主人公キャラで男気満点、世の中にグレーがあることを認めず「ガッデム、ボーイスカウトめ!! 」とリッターに揶揄されるライアンの公明正大さが鼻につかないわけではないが、大国の主権とやらを振りかざして力で相手をねじ伏せようとする大統領側が極端に憎たらしく描かれていることもあって、気がつくと「ライアン、後ろ~後ろ~!! 」と声を出している自分に気づく。このあたりもハリソン・フォードの人徳というべきか。
実はこのジャック・ライアンシリーズ、他に2作品映画化されていて、1990年公開の『レッド・オクトーバーを追え!』ではアレック・ボールドウィン、2002年の『トータル・フィアーズ』ではベン・アフレックがジャック・ライアンを演じている。しかし2人ともイマイチしっくりこない。小説では日本との戦争に勝利し、大統領にまで上り詰めるライアン(『日米開戦』)。インディに続いて久しぶりにハリソン・フォードのライアンを見てみたくなった。
映画に登場する車たち
シボレー サバーバン
※写真は2000年モデルになります
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