第32回:『卒業』 【映画の名車】
カテゴリー: トレンド
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2008/09/09
スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
そんな映画に登場した“気になる車”をカーセンサーnetで見つけよう!
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■ダスティン・ホフマンが真っ赤なスパイダーを駆って母娘両方と秘め事!?
(c)2008 Universal Studios. All Rights Reserved.
DVD『卒業』(発売中)1967年・米 監督:マイク・ニコルズ 出演:ダスティン・ホフマン/アン・バンクロフト/キャサリン・ロス/ウィリアム・ダニエルス/マーレイ・ハミルトンほか 販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 1,800(税込)
しかし、である。『卒業』=花嫁を連れ出すダスティン・ホフマンという図式は認識していても、「じゃあ『卒業』ってどんな内容なの!? 」と問われたときに、言葉に窮する諸兄も多いだろう。かくいう筆者もその一人。定番中の定番のパッケージって、意外とビデオ屋で手に取らないものですよね。
名門大学を卒業したベンジャミン(ダスティン・ホフマン)は、将来に対するぼんやりとした不安を抱きながら長い夏休みを実家で過ごしていた。卒業記念に真っ赤なアルファロメオのアルファスパイダーを父親からプレゼントされたのに、どこか浮かない顔だ。そんなベンジャミンをホームパーティで見そめたミセス・ロビンソン(アン・バンクロフト)は、露骨に誘惑を開始する。しかし、彼女は幼なじみであるエレーン(キャサリン・ロス)の母親であった。
強烈な色仕掛けをどうにかやり過ごしていたベンジャミンだったが、結局は誘惑に負けてしまう。なにせ彼は童貞だったのだ。でもって一度覚えてしまえば猿のようにがっつき始めるのは自明の理。スパイダーで夜な夜なホテルへ乗りつけ、ミセス・ロビンソン(アン・バンクロフト)との逢瀬を重ねるベンジャミン。ところが娘のエレーンが帰郷すると、そんなことはスッカリ忘れて彼女に夢中となり…。そう、あの名作は昼メロさながらの三角関係を描いた愛憎劇だったのである。
後半は完璧にストーカー化するベンジャミン。母親との関係を知って愛想をつかされたエレーンを忘れられず、彼女の通う大学の近所にアパートを借り、モグリの学生となって校内でもつきまとう。ストーカー規正法がまかり通る現代なら逮捕必至の危険人物だ。ところが「サウンド・オブ・サイレンス」「スカボロ・フェアー」の美しい旋律に乗せるとあら不思議、珠玉のラブストーリーに変身しちゃうのだ。音楽の力は偉大ナリ!!
ここから紆余曲折を経てあのラストシーンになだれこむのだが、完全なるハッピーエンドじゃないのが、本作を名作たらしめている所以。バスに乗り込んだ2人を訝しげに注目する乗客たち。笑顔で教会を後にしたベンジャミンとエレーンの表情が見る見る曇っていくところでフェイドアウト。彼らの今後は順風満帆ではないということを暗示させて終わっているのだ。
ところが、この余韻をぶち壊すニュースが今年に入って飛び込んできた。原作者のチャールズ・ウェッブが40年ぶりに続編を発表したのだ。教会を逃げ出したベンとエレーンの11年後を描いているという。日本では『「卒業」Part2』として白夜書房から9月20日に発売予定。うーむ、読みたいような、読みたくないような…。
映画に登場する車たち
アルファロメオ アルファスパイダー(デュエット)
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