第16回:『UDON』 【映画の名車】
カテゴリー: トレンド
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2008/05/13
スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
そんな映画に登場した“気になる車”をカーセンサーnetで見つけよう!
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■日産車が大活躍する、ハートフルなソウルフードムービー
もはやファストフードとして全国的に定着した感のある“讃岐うどん”。小麦粉と水だけで作られるシンプルな麺に、シンプルな味つけで食べる安くて素朴な讃岐うどんがここまで全国区になったのには理由がある。90年代半ばに地元・香川のタウン誌「TJ Kagawa」に連載されたコラムをまとめた書籍『恐るべきさぬきうどん』(麺通団・著)の発刊だ。誰も知らない穴場の製麺所などを讃岐弁まじりで紹介したこのガイドブックは地元のみならず日本全国で大反響を呼び、現在に至る讃岐うどんブームの起爆剤となった。この一連の流れをモチーフに、讃岐うどんの魅力を描いた映画が2006年公開の『UDON』。あの『踊る大捜査線』の製作チームが結集して挑んだ“うどんエンタメ大作”だ。監督は一連の『踊る』シリーズを手がける本広克行。本広監督自身、香川県丸亀市出身だけに、並々ならぬ思い入れを注いでいる。主演の香助はこれまた『踊る』シリーズの真下正義役でも活躍するユースケ・サンタマリアが務める。
スタンダップコメディアンを目指してニューヨークに根を張ったものの、まったく芽が出ずに香川へ出戻った香助。実家の製麺所を一人で守り抜くガンコな父親は、そんな香助を冷たく突き放す。それでも親友・庄介(トータス松本)の紹介でタウン情報誌に職を得た香助は、地元名物“讃岐うどん”を紹介する斬新なコラムを企画。それが思いもよらぬ讃岐うどんブームを巻き起こす…。
車好きならすぐに気づくと思うが、本作は日産と大々的にタイアップしており、登場車種はすべて日産ブランド。編集者・恭子(小西真奈美)のマーチが2度にわたって大破して、そのたびにカラーリングが変わるのも物語の彩りとして効いている。また、香助の実家・松井製麺所の配達用車クリッパーもキュートだ。さらに注目してほしいのが、うどん渋滞が起こった際にズラリと並ぶ日産車たち。かなりのレア車も顔を見せており、日産ファンならずともニンマリすること必至だ。
映画は大雑把に分けると前半が“うどん祭り編”で、後半が“うどん作り編”。前半では恭子の愛車マーチで穴場の製麺所を取材しまくり、数々の讃岐うどんウンチクを紹介していく。ここまでのテンポは非常にいい。だが後半は一転して松井父子の絆を軸にした秘伝の讃岐うどん作りにスポットが当たり、ガラッとカラーが変わってしまう。なまじ前半が快調だっただけにシフトダウンした感が否めず、ダラダラした印象を残してしまったのは残念だ。それでも、讃岐うどんブームはなんだったのか…ということを後世に残すという意味では意義のある作品だし、なにより讃岐うどんが食べたくなる美味しい映画であることは間違いない。
(C)2006 フジテレビジョン ROBOT 東宝
DVD『UDON スタンダード・エディション』発売中 06年・日 製作=亀山千広 監督=本広克行 ユースケ・サンタマリア、小西真奈美、トータス松本、鈴木京香、升毅、片桐 仁(ラーメンズ) 、要潤、小日向文世、木場勝己ほか 発売元:フジテレビジョン ROBOT 東宝 販売元:ポニーキャニオン ¥3,990 (税込)
+++映画に登場する車たち+++
■日産 マーチ
小西真奈美が演じる美人編集者・恭子の愛車は現行型のマーチ。ルノーと共同開発した「アライアンスBプラットフォーム」を採用して2002年にフルモデルチェンジされたK12型だ。恭子は極度の方向音痴という設定であり、いきなり映画の冒頭から山中に迷い込んだホワイトパールのマーチが崖下に落下して大破する。諦めずに今度はワイルドブルーベリーのマーチを購入した恭子だったが、うどん屋の駐車場での停車の仕方が悪く、田んぼにおシリから突っ込んでしまう。それでもマーチにこだわり続ける恭子はマンゴーオレンジのマーチを買って…と、都合3台のマーチが登場。マーチユーザーならきっと香川へ讃岐うどん巡りに出かけたくなるだろう。
■日産 クリッパー
松井製麺所のガンコな店主・松井拓富(木場勝己)が、学校や病院へうどんを配達するために使っているのが白いクリッパーバン。三菱自動車工業からミニキャブとタウンボックスのOEM供給を受けている軽ライトバンだ。劇中ではたびたび印象的なシーンに登場し、大活躍。側面にはイニシャルDのハチロク(藤原とうふ店)よろしく松井製麺所と書かれている。一昨年の映画公開時には全国の日産ギャラリーで、『NISSAN クリッパー×映画「UDON」展』が開催された。
■日産 パオ
香助ら麺通団が担当する地元タウン誌のコラムをきっかけに爆発的な讃岐うどんブームが勃発。各地でうどん渋滞が起こるシーンでは、日産車がゾロゾロ登場。なかでもひときわ目を引くのが、フェリーから色違いのパオがバンバン降りてくるシーン。パオは1989年に日産が企画したK10型マーチをベースとしたパイクカーの第2弾で、3カ月予約期間限定で先着順に販売された。ちなみに生産台数は3万台強。当然のように現在は中古車市場でしか手に入らず、生産から20年近くたっていることから程度のいいものは希少だ。そんなレア車が色違いでゾロゾロと登場するのだから、車好きにとっては贅沢なシーンなのだ。
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