ニュージーランドにあるBMWディーラーが4月1日にこんな新聞広告を出したそうです。「切り抜きを最初に持ってきた方には、中古車を新車のBMWと交換します」。信じて切り抜きを持って行った女性は本当にBMWの新車をゲットしたのだとか。新手の話題作りですね。来年は四月バカになろうと決意した担当でございます。では今週もニュース斜め読み、お付き合いください。

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■ボルボが自転車用に光るスプレー開発(ボルボ発|4月6日)

『ボルボは「ライフペイント」を開発しました。路上の安全は限られた人のものではありません。すべての人にとってそうあるべき。我々の車に乗っていない方も、車よりも二輪が好きな方も』

ロンドンでは毎年1万9000人が事故に巻き込まれているのだとか。日本も他人事ではないですよね。このライフペンは視認性を高めるための反射スプレー。日光下では無色透明ですが、ひとたび車のヘッドライトに照らされると明るく発光します。洗い流すことができ、自転車の見た目を損なわず塗る素材も問いません。

つまり、反射ベストなどを着ることなく、いつものスタイリッシュな格好のまま安全性がアップ。一度塗ると、約1週間効果が持続するそうです。ヘルメットやウェア、さらにはペットのリードにも使われることが想定されています。車のハイテク装備の進化で事故を防ぐアプローチだけでなく、こういったアイデアは事故防止に効果的な気がします。1ヵ月くらい持続するようになるともっと良いですね。

▲普通の服を着て、カラフルな自転車に乗っていても、ヘッドライトに照らされるとこんな風に見えます ▲普通の服を着て、カラフルな自転車に乗っていても、ヘッドライトに照らされるとこんな風に見えます

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■さようなら、レースクイーン?(オートブログジャパン発|4月8日)

『4月12日にイギリスのシルバーストーン・サーキットで開幕する2015年のFIA世界耐久選手権(WEC)では、レース直前のスターティング・グリッドからお馴染みのものが消えることになった。姿が見られないのは日産 GT-R LM NISMOだけではない。WEC主催者は先進的な考え方を取り入れ、グリッドガールを廃止することに決定した。「今年の開幕戦シルバーストーン6時間レースから、これまでのようにレースにグリッドガールが登場することはありません」と、WECのジェラルド・ヌヴーCEOはロイター通信の取材に返答。「私にとっては過去の産物です。現代では社会における女性の地位が少々違っていますから」と続けている』

日本ではレースクィーンと呼んでいますが、欧米ではグリッドガールと呼ぶのが一般的。そのグリッドガールが消えようとしているのかもしれません。これが「終わりの始まり」というものなのでしょうか。

記事ではジェンダーフリー、男女平等の立場からグリッドガールが過去のものとされています。それとは違いますが、グリッドガール目当てにサーキットへ来場する方を否定して、グリッドガール不要論を唱える硬派な意見もあります。モーターショーのコンパニオン不要論と同じですね。さて、どうしたものか。では、グリッドガールならぬグリッドボーイを登場させて、また違ったアプローチから男女平等を成立させるのはいかがでしょうか。

▲こちらはWECではなくアジアで最も人気の高いレース、SUPER GTのワンシーン。例えば、この写真からレースクイーンがいなくなったら少し寂しい気もしますね ▲こちらはWECではなくアジアで最も人気の高いレース、SUPER GTのワンシーン。例えば、この写真からレースクイーンがいなくなったら少し寂しい気もしますね

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■車のネット環境がもっと快適になりそう(日本経済新聞発|4月9日)

『NECは、自動車や家電がネットワークにつながるモノのインターネット化(IoT)で急増するデータ量を従来の10分の1に抑える技術を開発した。2015年度中に実際の使用環境を模擬した実証実験を始める予定だ』

最近あまり耳にしなくなりましたが「ユビキタス社会」はあらゆるものがインターネットでつながっている世界のこと。最近ではIoT(インターネット・オブ・シングス)などと言うんですね。その実現に向けて課題になるのがインターネットを駆け巡る情報量の肥大化。そりゃそうですよね、あらゆるものがネットに情報を流したり受け取ったりするんですから。

そして、特に問題になるのが車などの移動体。通信接続状態や位置を管理するための制御信号を頻繁にやりとりしています。そこで、発着信時の不要な制御信号などを削減し通信データ量を減らそうという技術が開発されたわけです。情報の“交通整理”といったところでしょうか。

▲通信事業者のネットワークとIoTデバイスの間の制御信号を最適に制御することで、モバイルネットワークの負荷を抑えて接続できるようになるのだとか ▲通信事業者のネットワークとIoTデバイスの間の制御信号を最適に制御することで、モバイルネットワークの負荷を抑えて接続できるようになるのだとか

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■車代金未払いで遠隔強制ストップ?(日本経済新聞発|4月9日)

『ベンチャー企業のグローバルモビリティサービスは、富士通と開発した自動車関連の新サービスを東南アジアで始める。日本で一般的なリースのように、東南アジアでは自動車の利用に対して代金を支払う仕組みが普及している。ネットを活用することで、利用者の代金支払いが滞った場合に遠隔制御で走行ができなくなるようにする』

遠く離れたところからポチッとすると車が動かなくなる技術が実用化されました。アジア全体の事情から見れば、このシステムのおかげで乗り逃げされる心配がないためリース事業者が多くのユーザーに車を貸せるメリットがあるそうです。借りる立場としては敷居が低くなるわけですね。

同時に、この技術は多発する車両盗難の抑止力になるよう開発されたものです。逃走中の窃盗犯を足止めするだけでなく、位置情報もバッチリわかるのですから、盗難の抑止力として一定の効果が期待できるはず。そういう意味で日本でも、このサービスが手軽に活用できるようになると良いですね。

▲グローバルモビリティサービスが独自開発したMCCS(Mobility-Cloud Connecting System)をベースにしたサービス。車両に搭載することで、車両の遠隔走行制御と、現在位置をはじめとしたあらゆる車両情報のリアルタイム取得を実現するのだとか ▲グローバルモビリティサービスが独自開発したMCCS(Mobility-Cloud Connecting System)をベースにしたサービス。車両に搭載することで、車両の遠隔走行制御と、現在位置をはじめとしたあらゆる車両情報のリアルタイム取得を実現するのだとか

まとめ

今週のニュースをやや強引ながらもまとめますと「自他ともにメリットがある仕組み作りにアイデアと労力が惜しみなく注がれている」。そんな傾向が少しずつ顕在化しているような気がします。地球の未来もそんなに暗いものではないと思うのですが、みなさん、いかがお考えでしょうか。今週もお付き合いいただきありがとうございました。

text/ブンタ photo/ボルボ、graaab、NEC、グローバルモビリティサービス