ボルボはスウェーデン運輸管理局と提携し、自動運転を行う車両が自車の位置を正確に把握するために、道路に埋め込まれたマグネット使用する方法を用いた研究プロジェクトを発足し、テストを実施した。

自車位置の把握は、自動運転車の開発においては重要な課題のひとつで、これまではGPSやカメラなどを用いたケースが多かった。比べて今回の道路にマグネットを埋める方法は、物理的な障害物や悪天候の影響を受けないと言う利点がある。

また、予防安全システムに応用することで交通事故のリスクを減らしたり、冬季に道路が雪に覆われても安全に走行できるという利点もある他、正確な自社位置を測定できるため、これまでより道幅を狭くし、道路スペースを有効に利用することができるようになるという。

自動運転車については昨年夏以降、日本メーカーも続々と試作車を発表している。日産はルノーと協力して開発しており、神奈川県横須賀市に専用のテストコースを完成予定。試作車は既にさがみ縦貫道路など公道での実験も行われており、2020年の市販化を目指している。

トヨタは高速道路で同一車線を手放し運転できる試作車を制作。2010年代半ばに高速道路での利用を想定した市販車を実用化することを目指している。ホンダもASIMOなどの技術を利用して、アコードハイブリッドをベースとした試作車を公開している。

GMもトヨタに近い、走行場所を限定した半自動運転車の実用化を目指して開発中。さらに検索エンジンのGoogleも2009年から自動運転技術の開発に着手しており、人工知能(AI)を使用して解析を行う。2010年代後半の製品化を目指すことを表明済みだ。

こういった各メーカーの取り組みにより自動運転の機能を備える市販車の登場もそう遠い未来ではなさそうだ。

マグネットで、最大誤差10cm未満の目に見えない“道路”を作り出す。すでにさまざまな速度域でのテストが繰り返されている

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トヨタのシステムは自動追従型のクルーズコントロールと、衝突回避自動ブレーキを組み合わせたかたちの「半自動型」となっている

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